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猫背を矯正しよう!~筋肉の再教育~

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掲載日:2019.01.21
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猫背を矯正したい・・・・・でも、どうやって??

「背中をまっすぐに保って!」
「もっと胸を張って!」

このようなアドバイスって、猫背の姿勢を治すために、よく耳にする言葉ですよね。言葉の意味はイヤというほど理解できる。自分では“そうしているつもり”。

でも、周りの上級者ゴルファーからは、
「また、同じ姿勢になっているよ。猫背を治さなきゃ。」
といったアドバイスの繰り返し。結局、どこを動かせば猫背は修正されていくのだろう??

C型姿勢(猫背)の要因:周辺筋肉のバランスをもとに戻そう。

前回のコラムで挙げたように、「猫背:周辺筋肉のアンバランス」を修正しない限り、この猫背を矯正するのは難しいです。つまり、

・短縮化している筋肉を緩める。
・弱体化している筋肉を強化する。


この2点が必須となります。上半身の筋肉たちを再教育していくわけです。そして、そのうえで、自分の身体、特に猫背矯正の場合は、胸椎 (胸椎ってどこ?という方は、コラム#4:胸椎回旋をご確認ください。) の伸展角度を自分でコントロールできるようにトレーニングしていきます。

この伸展角度こそが、いわゆる「背筋を伸ばす」、「胸を張る」ということです。
(余談ですが、「背筋を伸ばして」や「胸を張って」のアドバイスで、“上体を起こす”人がいます。これってアドレス姿勢の消失ですよね。つまり、ここから効率の良いゴルフスィングは難しい。腰椎を固定しつつ胸椎を動かす。安定性と可動性です。腰痛に関する以前のコラムでも、この言葉は登場しています。留める部分を留め、動かすべき部分を動かす。ゴルフに限らず、あらゆるスポーツにおいて重要なことです。)

短縮化した筋肉をゆるめていこう。

体の動きの変化が乏しく、一日の中で長時間、同じような姿勢で過ごすことが多い日常生活。このような中で、どうしても短縮化してしまいがちな筋肉を緩めていきましょう。
これはやはり、セルフストレッチが基本になります。短縮化しやすい部位:胸と肩から首にかけての部分のストレッチをご紹介します。

・首から肩にかけてのストレッチ
左手を頭の右側にそえる。右手は背中に回す。
右手(右肩)は下方向におろすように。もしくは、動かさないように。
左手で頭を左前方に押し下げる。
30秒~1分間かけてゆっくり伸ばす。反対側も同様に。
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・胸のストレッチ1(※このストレッチは、ストレッチポールを使用します。)
お尻から頭までがおさまるように、ストレッチポールの上にあおむけになる。
膝は軽く曲げリラックスした状態に。
両手を大きく横に広げ、掌を上に向ける。このまま30秒~1分間かけてリラックス。
両手を頭の方に移動させ、同様に30秒~1分間かけてリラックス。
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胸のストレッチ2(※このストレッチは、ストレッチポールを使用します。)
ストレッチポールを横向きに置き、胸のあたりがポールの上にのるよう仰向けになる。
両手を頭の方に移動させ、上体を反らすようにしてリラックス。(胸椎の伸展にもなる。)
このまま30秒~1分かけてリラックス。
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弱体化した筋肉を強化していこう。

今度は、同一姿勢で過ごしているために、弱体化している筋肉を強化していきます。そのためには、弱体化している部位:僧帽筋の中~下部や広背筋などの背中の筋肉を強化するエクササイズが必要となります。

・リーチ&ロールアップ(※椅子などの台を使用します。)
正座のように座り、お尻をかかとにつける。(下半身が動かないように。)
両手をできるだけ正面方向の台の上で伸ばす。
右手のひらの上に向け、肘を伸ばしたまま、できるだけ上に持ち上げる。
もとの位置に戻したら、左手でも同様に動作する。
交互に繰り返す。
・リーチバック
正座のように座り、お尻をかかとにつける。(下半身が動かないように。)
左ひじから先を床に固定し、右手を頭の後ろに起きます。
右ひじを天井に向けてあげていきます。(この時、頭の位置が左右に動かないように注意。)
ゆっくり元の位置に戻し、この動作を繰り返します。
左側も同様に動作します。
ストレッチは、一つの種目につき、30秒~1分程度の時間をかけて実施してください。エクササイズは、各種目につき、10~15回を目安に実施してください。綺麗な姿勢を作れるように筋肉を刺激していきます。

次回のコラムでは、肩関節の可動域/強化を改善するエクササイズを紹介したいと思います。
  • 中井 大輔(なかい だいすけ)
    【経歴】
    盛岡医療福祉専門学校非常勤講師
    NSCAジャパン東北地区アシスタントエリアディレクター
    盛岡大学付属高校硬式野球部(2017~)
    専修大学北上高校男子サッカー部(2018~)

    山形大学理学部時代にはスキーに明け暮れ、卒業後は一般企業へ就職するも、スキーやスポーツの想いを断ち切れず渡米。スポーツ指導の専門家を目指し、野球では2006年・07年に全米チャンピオンになったDivision1のオレゴン州立大学へ編入。米国NSCA認定Strength & conditioning specialistの資格習得。大リーグのシンシナティ・レッズでのインターンシップや大学でのトレーニング指導を通じて数多くの指導経験を積み、帰国。帰国後は、フィットネスクラブの店舗マネージャーや野球の指導を専門に、神宮大会や甲子園大会へ出場を果たす。’17年よりCREDOへ加入しトレーニング責任者を務める。