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”強くてしなやか” な肩にするために ~肩こりの改善にも効果あり!~

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掲載日:2019.02.06
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動かない肩・・・どうやってスィングするの?

皆さんは、肩がうまく動かないために、スィングの最中にこんなことになっていませんか?

・肩が動かない(痛い)から、テイクバックやフォロースルーの時に肩が回らない、腕が挙がってこない。
そこで、無理やり体を回してテイクバック。姿勢が崩れて変なインパクト。ボールはあらぬ方向へ。そして、肩の痛みだけじゃなくて、思わぬ腰痛が発生・・・・

※アマチュアゴルファー409名のうち約45%が、このようにスィング中の姿勢を失っている。(TPIの統計データより)

・一生懸命スィングしているけど、肩周辺が窮屈な感じがして、インパクトからフォロースルーの時に脇が開いてしまっている。打出したボールは、なんとも弱い弾道・・・・

※アマチュアゴルファー346名のうち約35%が、このようにインパクト前後で脇が開いてしまう。(TPIの統計データより)

全ては“柔軟性の低下”と“筋力の低下”

今までのコラムでも触れたように、肩関節は身体の中で一番“動く”関節です。
肩から先(上肢:つまり腕)は、前後、上下、左右はもちろん、内回り、外回りで回旋することもできます。

それだけ“動く”関節なのに、皆さんの日常生活はどうでしょう?デスクワークでずっと同じ姿勢で過ごす。PC、タブレット、スマホばかりを多く見ている日常。

これでは、“動く”関節周辺の筋肉が“動かなく”なってしまうのも当たり前ですね。
バックスィングでトップの位置を保ちたい。でも、そこまで腕(肩)は挙がらない。インパクト時に両腕を最適な幅に保ちたい。でも、肩を中心に腕を回旋することができない。これらは普段の生活で行っていないのですから、できるわけありません。

だからこそ、トレーニングやストレッチを行って動作を改善していく必要があります。

とにかく動かしてみる。

“動く”関節なのですから、いろいろなエクササイズで動かしていきましょう。ご自宅でも簡単にできるエクササイズをご紹介していきます。
※ただし、もし動作中に「鋭い痛み」を感じる場合は、専門医療機関の受診をしてください。

プッシュ&プル

直立し胸の前で掌を合わせる。肘をはり、前腕が水平になるように保つ。
掌を押し合う。
掌を押し合ったまま、肘(肩)を前に回す。同様に後ろに回す。

今度は、胸の前で両手をフックし、肘を張る。前腕が水平になるように保つ。
両手を引っ張り合う。
両手を引っ張り合ったまま、肘(肩)を前に回す。同様に後ろに回す。

3方向ショルダーフライ

(※1㎏程度のダンベルを使用。なければ、ペットボトルを代用。)
直立し、それぞれの手でダンベルを保持する。
肘を伸ばしたまま、両腕を正面、目の高さまで挙げる。
次に、肘を伸ばしたまま、両腕を真横に水平まで挙げる。

最後に、上体を前に傾け姿勢を保ち、肘を伸ばしまま、真横(自身の体では後ろ)に水平まで挙げる。

肩回旋(前傾:90°ポジション)

(※1㎏程度のダンベルを使用。なければ、ペットボトルを代用。)
直立した状態から、前傾姿勢をつくり姿勢を保持する。
肩・肘を90°曲げ、腕をL字のようにする。
指先を正面に向けた状態から、上方向(自身の体では背面方向)に腕を回旋する。

L字を維持したまま、しっかり回旋できるところまで腕を回したら、ゆっくり最初の位置に戻す。
※肩・肘の位置がずれないように。難しい場合は、椅子の背もたれなどを固定台にし、肘を乗せるなどアレンジすることも可能。
各種目につき、10~15回を目安に実施してください。綺麗な姿勢を作れるように筋肉を刺激していきます。

今までのコラムは、どちらかといえば、障害予防の要素をメインでお伝えしてきました。次回のコラムからは、パフォーマンス向上(主に飛距離アップ!)を目指したお話をしていきたいと思います。
  • 中井 大輔(なかい だいすけ)
    【経歴】
    盛岡医療福祉専門学校非常勤講師
    NSCAジャパン東北地区アシスタントエリアディレクター
    盛岡大学付属高校硬式野球部(2017~)
    専修大学北上高校男子サッカー部(2018~)

    山形大学理学部時代にはスキーに明け暮れ、卒業後は一般企業へ就職するも、スキーやスポーツの想いを断ち切れず渡米。スポーツ指導の専門家を目指し、野球では2006年・07年に全米チャンピオンになったDivision1のオレゴン州立大学へ編入。米国NSCA認定Strength & conditioning specialistの資格習得。大リーグのシンシナティ・レッズでのインターンシップや大学でのトレーニング指導を通じて数多くの指導経験を積み、帰国。帰国後は、フィットネスクラブの店舗マネージャーや野球の指導を専門に、神宮大会や甲子園大会へ出場を果たす。’17年よりCREDOへ加入しトレーニング責任者を務める。