フィジーク・オンライン

【ケーブル自作方法紹介】上腕三頭筋用のケーブルを自作しました

この記事をシェアする

0
掲載日:2020.07.26
記事画像1
【注意】本件はあくまで素人が安価で自分が使うためのケーブルを作成した場合の記録になりますので、安全を保障するものではありません。ご自身で製作及びトレーニングをされる際には自己責任でお願い致します。

フィジークオンラインをご覧の皆様こんにちは、せきぐちです。
埼玉の片隅で猫に囲まれ、キャッサバやヤムいもなどを食べて晴耕雨読で生きております。
記事画像2
過去にはリフティングシューズを履いたり、日焼けローションで腕に文字やハートを描くなどしました。

・競技選手に履かれないリフティングシューズはプラットフォームの夢を見るか
・褐色!ビフォー&アフター JBBF推奨 タンニングローション使用レポート

さて、未だ猛威を振るうコロナ。ジムが閉館していた時、皆様はどう過ごされていましたでしょうか。自体重で、もしくは器具を揃え家トレで過ごされましたか。それとも公園で懸垂をされましたか。

私はケーブルを作っていました。
自宅のパワーラックに装着するために頑張って製作したのです。

製作背景として、日頃EZバーを用いて上腕三頭筋をトライセプスエクステンションで鍛えることがあまりに辛く、ある時を境に次回やろう、いや次回やろうと先延ばしにし続けてしまい結局手付かずになっていることに気づきました。

ケーブルなら、ケーブルなら何となく手軽に取り組める気がする。この機を逃せば上腕三頭筋は一生発達しない、そう感じたのです。エビデンスなどありません。勘です。

今日つくろう、ケーブルを。
今日つくろう、上腕三頭筋を。
上腕三頭筋が発達した人生か、
上腕三頭筋が発達していない人生か。

そういった深い事情に基づき、本記事ではケーブルの材料調達から製作方法、そして「思いのほか安価で簡単にケーブルが製作できました」という一部始終の紹介を致します。
ホームトレーニングに励む屈強かつ聡明な有志の方々にお役立て頂ければ幸いです。

完成イメージを描き、材料を買いに行く

綿密に計算されつくした設計図

綿密に計算されつくした設計図

さて、何かを作るときに完成図や完成イメージを持つことは非常に重要です。
はやる気持ちを抑えて完成図を描き、そこから割り出して必要な材料を丁寧に描きます。これをもとにホームセンターへ材料を調達に行き、下記を買ってきました。
購入総額1600円

購入総額1600円

・ナイロンロープ黒 1m 耐荷重50㎏
・ナイロンロープ緑 3m 耐荷重500㎏
・滑車(ベアリングなし)耐荷重80㎏
・カラビナ(3コ) 耐荷重80㎏


ロープの色は好みです。耐荷重にばらつきがあります。
これは主に上腕三頭筋を十分に発達させることができる重量であることと、ナイロンロープ(黒)はラックとカラビナをぐるぐると何重にも巻いて固定するため、表記されていた1本当たりの耐荷重よりも実際の耐荷重は高くなると推測してのことです。

これがラットプルダウンであれば少々不安な強度ではありますが、上腕三頭筋に限った負荷強度であれば十分ではないかと考えました。

これらの購入総額1600円ほどでした。
1600円は決して安くありません。100円硬貨が16枚も必要になるのです。しかしそれでも上腕三頭筋の発達のためとあらば惜しくはありません。
お財布の中のレシートがすべて万札に代わる技術とか、どなたか作ってくれませんか。待ってます。

組み立て① カラビナと滑車を取り付ける

記事画像5
さて、買ってきた材料を組み上げていきます。
まず1つ目のカラビナをナイロンロープ(黒)でラックに何重にも巻きます。カラビナに貼ってあったラベルがきれいに剥がせず悲しい気持ちになりますが、ここで立ち止まるわけにはいきません。

ケーブルをラックの正面から引くには、滑車の回転軸をラックの懸垂バーと平行にする必要があります。
DIYは臨機応変が大事です。家にあった生ラーメンか何かを閉じていた赤い針金でゆるみを抑えたうえでカラビナの向きを固定できました。新しく重要な役割を与えられた赤い針金は大変嬉しそうです。

きつく巻き付けていないため、カラビナの位置は懸垂バーの上をスイスイと横移動できます。懸垂するときも邪魔にならずに大変良いです。

組み立て② 重りとハンドルを取り付ける

ラックのカラビナに装着した滑車にロープ(緑)を通し、床からの距離のアタリを付けたら両端にカラビナを堅く結びます。切ってしまうともったいない気がしたのでやたらと堅牢に結ぶことで切らずに長さを整えました。
記事画像6
記事画像7
片方のカラビナは重りに通して固定。
もう片方のカラビナはお好みのアタッチメントを装着します。
今回はどこのご家庭にもあるラットプルダウン用バーを「よろしくおねがいします」の挨拶と共に装着しました。
記事画像8
アタッチメントはAmazonでも売っていますし、長いタオル等の両端に結び目を作ってトライセプスロープにすることもできました。
取り外すときにコツが要りますが、洗濯もできるし清潔です。洗えるアタッチメント、いいグリップです。

完成と発熱

記事画像9
できました。
買い出しから完成まで2~3時間というところでしょうか。
とりあえず20㎏で引いてみたところ、凄まじい金切り音が鳴り響きます。自転車の急ブレーキ音がずっと続く感じです。

さらには摩擦で滑車が発熱し、ホッカイロくらいの温度になっていました。音といい熱といい少々耐久性や安全性に不安を感じます。

安さと耐荷重を優先して滑車にベアリングが入っていないものを購入したことが影響してしまいました。ベアリングが入っていてなおかつそこそこの耐荷重がある滑車は5000~6000円くらいします。

そこで、自転車用に使っているグリスを拭きつけてみたところ、金切り音も一切なくなり発熱や摩擦感も限りなく減少し、ジムにあるケーブルと遜色ない感触になりました。

いつも惰性で自転車のギアに吹いていましたが、グリスの効果をここまで劇的に実感したのは初めてです。
グリス、おまえだったのか。いつも摩擦を抑えてくれていたのは。

しばらくつかってみて

幅を取らず収納もラクラク

幅を取らず収納もラクラク

完成から幾日か経ち、目論み通り上腕三頭筋も気軽に追い込めるようになりました。

聡明なる読者の皆様はお気づきの通り、本件は「ケーブルが良い、ケーブルがすべてだ」というわけではなく、あくまで嫌いで取り組みにくい部位や種目を代替ないし克服するための解決策の一例です。
重要なのは自身が目的に近づき達成するための努力をすること、そして取り組みやすい環境を作ることです。

ケーブルがある環境は、気軽に上腕三頭筋のトレーニングに取り組みやすくなるのです。

環境は行動を変え、行動は未来を変えます。
上腕三頭筋が発達した未来か、
上腕三頭筋が発達していない未来か。

未来は環境に大きく影響を受けます。
まだまだコロナが猛威を振るっていますが、皆様におかれましてもぜひ日頃の環境を見直し、さらなる効率化を図っていただければ幸いです。それにあたり本稿が参考になれば大変嬉しく思います。

それではまたどこかでお会いしましょう。
ご清聴ありがとうございました。

しつこいようですが、本件はあくまで素人が安価で自分が使うためのケーブルを作成した場合の記録になりますので、安全を保障するものではありません。ご自身で製作及びトレーニングをされる際には自己責任でお願い致します。

材料を買いに行ったりつくるのは手間だぜ!!という方も多いかと思います。こういうのもAmazonで売ってました。