その他ミネラル「銅」
掲載日：2020.10.08
銅は主に骨と筋肉、血液に存在します。甲殻類やココア、レバー、ゴマなどに多く含まれますが、特に普通の食事で不足することはありません。人間のヘモグロビンに対応するのが、タコやイカのヘモシアニンです。これは銅色素で青いため、タコやイカなどの血液は青く見えます。機能として重要なのは、抗酸化酵素であるSODの材料となることです。
亜鉛の項で解説しましたが、銅は「銅亜鉛SOD」におけるダイマー構造を形成しており、１個のサブユニットにつき１つずつの銅と亜鉛が存在します。このとき触媒反応は銅が受け持ち、亜鉛が酵素の安定性、立体構造の維持などに関与しているとされます。
またセルロプラスミン（フェロキシダーゼ）の材料でもあります。これは鉄とフェントン反応のところで解説しましたが、銅輸送タンパクであるセルロプラスミンは一価銅イオンを補足するとともに、二価鉄イオンを三価に変えてくれます。これによりフェントン反応を抑制し、活性酸素による害から身体を護ってくれます。
またセルロプラスミンによって二価鉄イオンが三価になってトランスフェリンに渡され、ヘモグロビンの合成に利用できるようになります。
なお銅が不足するとインターロイキン2が減少し、T細胞やマクロファージの活性が低下します。（※77,※78）またGABAA受容体を抑制し、また酸化ストレスを抑えることによって「不安」を減らす作用も期待できます。（※79,※80,※81）前述のとおり、普通の食事をしていれば不足することはありませんが、亜鉛のところで解説したとおり、亜鉛とのバランスが重要です。亜鉛をサプリメントで摂取する場合は銅も同時に摂取するようにしましょう。
亜鉛の項で解説しましたが、銅は「銅亜鉛SOD」におけるダイマー構造を形成しており、１個のサブユニットにつき１つずつの銅と亜鉛が存在します。このとき触媒反応は銅が受け持ち、亜鉛が酵素の安定性、立体構造の維持などに関与しているとされます。
またセルロプラスミン（フェロキシダーゼ）の材料でもあります。これは鉄とフェントン反応のところで解説しましたが、銅輸送タンパクであるセルロプラスミンは一価銅イオンを補足するとともに、二価鉄イオンを三価に変えてくれます。これによりフェントン反応を抑制し、活性酸素による害から身体を護ってくれます。
またセルロプラスミンによって二価鉄イオンが三価になってトランスフェリンに渡され、ヘモグロビンの合成に利用できるようになります。
なお銅が不足するとインターロイキン2が減少し、T細胞やマクロファージの活性が低下します。（※77,※78）またGABAA受容体を抑制し、また酸化ストレスを抑えることによって「不安」を減らす作用も期待できます。（※79,※80,※81）前述のとおり、普通の食事をしていれば不足することはありませんが、亜鉛のところで解説したとおり、亜鉛とのバランスが重要です。亜鉛をサプリメントで摂取する場合は銅も同時に摂取するようにしましょう。
※77： Copper and immunity. Am J Clin Nutr. 1998 May; 67( 5 Suppl): 1064 S-1068 S.
※78： Respiratory burst and candidacidal activity of peritoneal macrophages are impaired in copper-deficient rats. J Nutr. 1990 Dec; 120( 12): 1692-9.
※79：Association of oxidative stress to the genesis of anxiety: implications for possible therapeutic interventions. Curr Neuropharmacol. 2014 Mar; 12( 2): 120-39. doi: 10. 2174/ 1570159 X 11666131120232135.
※80： High-affinity copper block of GABA( A) receptor-mediated currents in acutely isolated cerebellar Purkinje cells of the rat. Eur J Neurosci. 1998 Feb; 10( 2): 522-8.
※81： An N-terminal histidine is the primary determinant of alpha subunit-dependent Cu 2 sensitivity of alphabeta 3 gamma 2 L GABA( A) receptors.Mol Pharmacol. 2003 Nov; 64( 5): 1145-52.
※78： Respiratory burst and candidacidal activity of peritoneal macrophages are impaired in copper-deficient rats. J Nutr. 1990 Dec; 120( 12): 1692-9.
※79：Association of oxidative stress to the genesis of anxiety: implications for possible therapeutic interventions. Curr Neuropharmacol. 2014 Mar; 12( 2): 120-39. doi: 10. 2174/ 1570159 X 11666131120232135.
※80： High-affinity copper block of GABA( A) receptor-mediated currents in acutely isolated cerebellar Purkinje cells of the rat. Eur J Neurosci. 1998 Feb; 10( 2): 522-8.
※81： An N-terminal histidine is the primary determinant of alpha subunit-dependent Cu 2 sensitivity of alphabeta 3 gamma 2 L GABA( A) receptors.Mol Pharmacol. 2003 Nov; 64( 5): 1145-52.
- 山本 義徳（やまもと よしのり）
1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
◆著書
・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング（永岡書店）
・「腹」を鍛えると（辰巳出版）
・サプリメント百科事典（辰巳出版）
・かっこいいカラダ（ベースボール出版）
など30冊以上
◆指導実績
・鹿島建設（アメフトXリーグ日本一となる）
・五洋建設（アメフトXリーグ昇格）
・ニコラス・ペタス（極真空手世界大会5位）
・ディーン元気（やり投げ、オリンピック日本代表）
・清水隆行（野球、セリーグ最多安打タイ記録）
その他ダルビッシュ有（野球）、松坂大輔（野球）、皆川賢太郎（アルペンスキー）、CIMA（プロレス）などを指導。
- アスリートのための最新栄養学（上）
2017年9月9日初発行
著者：山本 義徳
[ アスリートのための最新栄養学（上） ]
