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SUPPLEMENTS MANIAC ベタインで筋肥大を刺激する!!

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記事提供:ボディプラスインターナショナル [ 月刊ボディビルディング 2014年5月号 ]
掲載日:2017.05.18
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ベタインとは

ベタインは19世紀にドイツ人の化学者によって、テンサイ(sugar beets)の絞り汁から発見された化合物です。今や、ベタインは微生物、植物、動物から広く分離され見つけることができます。つまり、ベタインは小麦、甲殻類、ほうれん草などの多くの食べ物における重要な成分だということです。

ベタインには主に2つの生理的な役割があります。

①浸透圧調節物質…細胞の容積を調節したり、高浸透圧のストレス下で生体の統合性を維持したりするために組織に蓄積する。
②メチル基供与体…メチオニンサイクルに関与する。

このうち、特に②メチル基供与体としての働きが重要だと考えられています。

ベタインとメチオニンサイクル

“メチオニン”は栄養上必須の含硫アミノ酸の一種です。生体内メチル基転移反応に必要であり、アドレナリン、クレアチンなどの生理的に重要な物質の生合成におけるメチル基供与源となります。「メチオニンサイクル」はメチオニンとホモシステインのサイクル(循環)のことを指します。“ホモシステイン”はメチオニン代謝の中間代謝物として生成されるチオール基(-SH)を持つアミノ酸です。このホモシステインに関して、1969年にMcCully が先天性代謝異常症の1つで血漿中ホモシステイン濃度が著しく高値である「ホモシスチン尿症」患者において若年期に動脈硬化症、血栓性病変を発症することを見い出しています。その報告以来、ホモシステインと心血管疾患との関連性が注目されるようになりました。現在、血漿ホモシステイン濃度の上昇は冠状動脈疾患の重症度と相関する、独立した心血管系のリスクファクターと考えられています。よって、ホモシステインの蓄積は好ましくなく、処理する必要があります。

ベタインはホモシステインの処理、つまりホモシステインをメチオニンに転移させる際に、メチル基を供与することで役立ちます。ホモシステインのメチオニンへの転移は、

①メチオニン量を絶えず維持すること
②ホモシステインを処理して無毒にすること
③“活性メチオニン”と呼ばれる重要なメチル基供与体であるS-アデノシルメチオニン(SAM)を生成することのために不可欠です。

このことから、ベタインは重要な役割を持っていることが分かります。

また、ベタインのメチル基供与体としての働きは「DNAメチル化」にも及ぶと考えられています。このDNAメチル化は細胞の分化、特に骨格筋の発達をコントロールすることに関係があります。

ベタインと筋の関係

2013年に発表されたマウスの筋芽細胞を用いた研究により、ベタインが骨格筋の分化を高めることが示されました。この研究結果はベタインが骨格筋におけるIGF-1(Insulin like Growth Factor 1)経路を活性化したことを示唆しています。IGF-1は筋肥大につながるシグナルの一つです。動物実験において、ベタインの摂取は筋量を増加させるのみならず、成長ホルモン、IGF-1、血中インスリン濃度も増加させることも示されています。

この研究の研究者らはベタインがIGF-1経路の活性化により、筋線維の分化を促し、筋管(筋線維になる元)のサイズを増加させたことを示した初めての研究であるとし、スポーツパフォーマンスの向上にも有用だと述べています。
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ベタインで筋肥大

ベタインをサプリメントとして摂取したときの効果を検証した研究はいくつもあります。その中には、10~15日間のサプリメント摂取でパフォーマンスが向上したというものがあり、パワーや筋力の増大、筋持久力の増大などが示唆されています。

そこで、2013年に発表された研究では、数週間にわたるレジスタンストレーニングとベタインのサプリメント摂取を行い、体組成と筋力、パワーが測定されました。それに加えて、”ホモシステイン チオラクトン(HCTL)”も測定されました。HCTLとは、ヒトにおいて有害な代謝産物で、尿中から排泄されるため、尿で検出することができます。HCTLは“ホモシステイン”が血中で増加することで増加します。ホモシステインはインスリンが効きづらい「インスリン抵抗性」を示しますが、HCTLはそれ以上にインスリン抵抗性を示すと考えられています。つまり、HCTLの増加はインスリン、IGF-1などの筋の同化ホルモンを効きづらくさせると考えられます。

この研究は18~35歳の23人の男性を対象に行われ、二重盲検プラセボ試験として、プラセボ摂取群に12人とベタイン摂取群に11人が割り付けられました。ベタインは2.5g/日の容量で飲み続けてもらいました。これは先行研究から安全かつパフォーマンスの向上に効果がある量だと判断されています。体組成の測定はキャリパーでの測定により除脂肪体重と体脂肪率を算出しています。また、腕と太腿の筋横断面積も算出しています。
筋力の測定はフリーウェイトにおけるベンチプレスとバックスクワットのトレーニング量、パワーの測定は垂直跳びで評価しています。レジスタンストレーニングは非線形モデルを採用し、2週間のミクロサイクルを3つ、計6週間行いました。筋力とパワー測定と尿検査は各サイクル後に、体組成測定は実験前後に行われました。

結果、腕の筋横断面積はベタイン摂取群で有意に上昇しました。バックスクワットのトレーニング量は全ミクロサイクルにおいて両群ともに有意に向上したものの、ベンチプレスのトレーニング量はミクロサイクル1と3においてベタイン摂取群が有意に向上しました。パワーはベタイン摂取群で向上する傾向がありました。体組成はベタイン摂取群で有意に向上、つまり体脂肪率が減少し、除脂肪体重が増加しました。HCTLはプラセボ摂取群で増加したのに対し、ベタイン群では低値のままでした。

結論として、6週間のベタインのサプリメント摂取は体組成、腕のサイズ、ベンチプレスの仕事量を向上させ、尿中のHCTLHCTL量の増加を抑えました。この研究から、ベタインは筋肥大を促すといえるでしょう。
ベタインは有害なホモシステインを処理するために必要であり、筋の同化ホルモンを効きやすくし、筋肥大を起こすことが期待できる物質です。 ベタインをお好みのドリンクに加えて摂取することもできますが、クレアチンと一緒に飲むことをおすすめします。ベタインはクレアチンの生合成の過程で働くため非常に相性が良く、最高のトレーニングパートナーとなるはずです。更なるパフォーマンスアップを目指すアスリートにお勧めです。
記事提供:
ボディプラスインターナショナル
[ 月刊ボディビルディング 2014年5月号 ]

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