第五十二回 新サプリメント・トピックス
間食
[ 月刊ボディビルディング 2014年5月号 ]
掲載日:2017.09.08
今年のボディビルシーズンに向かって、そろそろ減量を意識し始める季節かもしれません。
ボディビルダーの減量は他の競技と比較しても相当な期間をもうけますから、一度のすべての手法を駆使するのではなく、いくつかの段階を経ていく方法が成功の鍵となるでしょう。いきなりガッチリとした減量に入って、そのまま継続し続けるという考え方もありますが、停滞期を迎えた際の脱出法が限定されてしまいますから、あらかじめ期間を決めてステップを経ていくと失敗しない減量ができます。
そういった点においてはフランスで流行したデュカンダイエットのような4段階くらいのステップは理想かもしれません。
減量をするうえで気を付けておくべき事は多々ありますが、体内のエネルギーが枯渇し過ぎないようにすることは相当優先順位の高い項目です。一般的には糖質を控えることによって、もう一つのエネルギー源である脂質が消費されていくという理屈になりますが、実際はそれほどスムースに糖質から脂質への移行が行われるわけではありません。
その過程においてはボディビルダーにとっては最も大切であるはずの筋肉が犠牲になってしまいます。
アミノ酸プールという言葉がありますが、実はアミノ酸は体内で溜めておくことのできない栄養素です。だから逆にプールという言葉が使われているのかもしれませんが、体内では三つの形態でアミノ酸は存在しています。一つは血液中に遊離アミノ酸として存在するものです。 血中のアミノ酸濃度などと呼ばれる場合は、まさにこの遊離アミノ酸を指します。二つ目は細胞質や細胞間質に遊離アミノ酸として存在するもの、つまり細胞に存在するアミノ酸です。そして三つ目は筋肉をはじめとする組織の中に存在するものです。
これら全部を含めてアミノ酸プールと呼ぶのですが、そのアミノ酸プールのほとんどは組織の中のタンパク質にあります。つまり筋肉に含まれているアミノ酸が大半ということです。通常はこれらのアミノ酸は、それぞれがしっかりとバランスを維持しています。しかしこのバランスが崩れると様々な弊害が生じてきますし、それはトレーニングや減量によっても大きく崩れるのです。
例えば極端に食事量を減らした場合、それがある一定の限度を超えてくると、筋肉からはアラニンとグルタミンというアミノ酸が放出されてきます。
グルタミンは小腸でのエネルギー源として使われ、これを栄養素としてアラニンを放出していきます。そしてこのアラニンが肝臓に取り込まれエネルギーとして合成されていきます。
元々体の材料であったアラニン(アミノ酸)が、最終的には糖を合成する原料となるのです。従ってアラニンを糖原生アミノ酸と呼んでいます。このメカニズムをアラニン・グルコースサイクルと言いますが、本来であれば体の材料の一部であるはずのアミノ酸をエネルギーとして使うのは決して効率のいい話ではありません。これは俗にいう筋肉の分解の一つであります。
そこで減量時にお勧めなのは間食であります。間食はバルクアップにも使われますが、減量においては極端な空腹やエネルギー不足を避けるために、わずかでも良いので補給していく考え方です。
エネルギー不足によって糖原生アミノ酸が使われるわけですから、多少の糖質を補給してやることと、アミノ酸プールのバランスを維持するためには必須アミノ酸を補給すると良いでしょう。
ボディビルダーの減量は他の競技と比較しても相当な期間をもうけますから、一度のすべての手法を駆使するのではなく、いくつかの段階を経ていく方法が成功の鍵となるでしょう。いきなりガッチリとした減量に入って、そのまま継続し続けるという考え方もありますが、停滞期を迎えた際の脱出法が限定されてしまいますから、あらかじめ期間を決めてステップを経ていくと失敗しない減量ができます。
そういった点においてはフランスで流行したデュカンダイエットのような4段階くらいのステップは理想かもしれません。
減量をするうえで気を付けておくべき事は多々ありますが、体内のエネルギーが枯渇し過ぎないようにすることは相当優先順位の高い項目です。一般的には糖質を控えることによって、もう一つのエネルギー源である脂質が消費されていくという理屈になりますが、実際はそれほどスムースに糖質から脂質への移行が行われるわけではありません。
その過程においてはボディビルダーにとっては最も大切であるはずの筋肉が犠牲になってしまいます。
アミノ酸プールという言葉がありますが、実はアミノ酸は体内で溜めておくことのできない栄養素です。だから逆にプールという言葉が使われているのかもしれませんが、体内では三つの形態でアミノ酸は存在しています。一つは血液中に遊離アミノ酸として存在するものです。 血中のアミノ酸濃度などと呼ばれる場合は、まさにこの遊離アミノ酸を指します。二つ目は細胞質や細胞間質に遊離アミノ酸として存在するもの、つまり細胞に存在するアミノ酸です。そして三つ目は筋肉をはじめとする組織の中に存在するものです。
これら全部を含めてアミノ酸プールと呼ぶのですが、そのアミノ酸プールのほとんどは組織の中のタンパク質にあります。つまり筋肉に含まれているアミノ酸が大半ということです。通常はこれらのアミノ酸は、それぞれがしっかりとバランスを維持しています。しかしこのバランスが崩れると様々な弊害が生じてきますし、それはトレーニングや減量によっても大きく崩れるのです。
例えば極端に食事量を減らした場合、それがある一定の限度を超えてくると、筋肉からはアラニンとグルタミンというアミノ酸が放出されてきます。
グルタミンは小腸でのエネルギー源として使われ、これを栄養素としてアラニンを放出していきます。そしてこのアラニンが肝臓に取り込まれエネルギーとして合成されていきます。
元々体の材料であったアラニン(アミノ酸)が、最終的には糖を合成する原料となるのです。従ってアラニンを糖原生アミノ酸と呼んでいます。このメカニズムをアラニン・グルコースサイクルと言いますが、本来であれば体の材料の一部であるはずのアミノ酸をエネルギーとして使うのは決して効率のいい話ではありません。これは俗にいう筋肉の分解の一つであります。
そこで減量時にお勧めなのは間食であります。間食はバルクアップにも使われますが、減量においては極端な空腹やエネルギー不足を避けるために、わずかでも良いので補給していく考え方です。
エネルギー不足によって糖原生アミノ酸が使われるわけですから、多少の糖質を補給してやることと、アミノ酸プールのバランスを維持するためには必須アミノ酸を補給すると良いでしょう。
減量時には特にエネルギー補給をトレーニング時に集中させると良いと言われます。その理由はトレーニングによってエネルギーが一気に消耗され、それに伴い主として筋肉からアミノ酸が使われ、結果としてアミノ酸プールのバランスが崩れていくことを防ぐためです。当然、そこでのエネルギー補給は必要なエネルギーがゆえに体内において脂肪へと変わることはありません。
唯一絶対の減量法というのはありませんから、様々な減量を試すことは間違いではありません。
しかし焦った結果としてやみくもにエネルギーをカットしてみたり、計画外でトレーニングの内容を変えていくやり方は、あまりお勧めできません。
繰り返しになりますが、ボディビルは長期間の減量期間を設ける競技です。それは単なる体重合わせではなく、いかに筋肉を残しつつ脂肪を削ぎ落とすかを実現するためです。どれほど優れた減量法であっても、必ず人の身体は適応をしてしまいます。あらかじめ適応による停滞があるものだという認識をしっかりとしたうえで、多少の停滞期には動じることなく計画を遂行していくのが、結果として精度の高い減量となります。
また減量に入る前の計画段階では、たくさんの人の意見や理論を聞くのが良いと思います。情報収集です。しかし、一旦減量に入ったら、師事する人は一人にした方が良いでしょう。停滞期を脱しようと中途半端に新たな減量のテクニックを取り入れることは、逆に出口が見えなくなります。あくまでも情報収集やテクニックは減量に入るまでに済ませておくべきです。
体重の増減に一喜一憂することなく、今年の減量には糖質&必須アミノ酸という間食を少し取り入れてみてはいかがでしょうか。
江崎グリコ株式会社スポーツフーズ営業部
桑原弘樹
唯一絶対の減量法というのはありませんから、様々な減量を試すことは間違いではありません。
しかし焦った結果としてやみくもにエネルギーをカットしてみたり、計画外でトレーニングの内容を変えていくやり方は、あまりお勧めできません。
繰り返しになりますが、ボディビルは長期間の減量期間を設ける競技です。それは単なる体重合わせではなく、いかに筋肉を残しつつ脂肪を削ぎ落とすかを実現するためです。どれほど優れた減量法であっても、必ず人の身体は適応をしてしまいます。あらかじめ適応による停滞があるものだという認識をしっかりとしたうえで、多少の停滞期には動じることなく計画を遂行していくのが、結果として精度の高い減量となります。
また減量に入る前の計画段階では、たくさんの人の意見や理論を聞くのが良いと思います。情報収集です。しかし、一旦減量に入ったら、師事する人は一人にした方が良いでしょう。停滞期を脱しようと中途半端に新たな減量のテクニックを取り入れることは、逆に出口が見えなくなります。あくまでも情報収集やテクニックは減量に入るまでに済ませておくべきです。
体重の増減に一喜一憂することなく、今年の減量には糖質&必須アミノ酸という間食を少し取り入れてみてはいかがでしょうか。
江崎グリコ株式会社スポーツフーズ営業部
桑原弘樹
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