植物に含まれる必須脂肪酸 リノレン酸のはたらき
掲載日:2018.03.07
植物性成分 リノレン酸(Linoliric Acid)
リノール酸とよく似たこのフレーズ。実はリノール酸もリノレン酸も、人聞に必要な必須脂肪酸です。必須脂肪酸というと、魚の油に含まれるEPAやDHAを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?γ (ガンマ)リノレン酸やリノール酸は、植物に含まれる必須脂肪酸です。
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和は冷やすと固体化します。冷蔵庫で固まるやつ、と思って下さい。主に肉類に含まれます。最近はアイスクリームの代用品(アイスミルクとか区別されていますが、スーパーに行くと同じ売り場にあるから分かり難いかも知れません)や、お菓子などに使われるパーム油も飽和脂肪酸です。動物性より安く手に入るため、かなり多くの加工食品に使われています。
不飽和脂肪酸にはω(オメガ) 3系とω6系があります。ω3系はEPAやDHA、それにシソ油などに含まれるα リノレン酸があります。ω6系はリノール酸、y-リノレン酸、その他にはレバーや卵に含まれるアラキドン酸があります。
この飽和と不飽和は分子構造の違いによって分けられています。二重結合が「ある」のが不飽和で、二重結合が「無い」のが飽和です。ωの後の数字は空の手の数です。空の手が「ある」と、そこに酸素がくっついて酸化しやすい性質があります。空の手が「ない」飽和脂肪酸は、酸化しにくい脂と言えます。逆に不飽和脂肪酸のω3系よりω6系の方が空の手の数が多いので、酸化が早い事になります。
体内で造り出せないアラキドン酸やリノール酸、リノレン酸などの必須脂肪酸は、ホルモンの様な物質であるエイコサノイドという物質に変換され、休内で働きます。この脂肪酸はそれぞれの名前が違う様に、それぞれの働きも違います。どれかだけ食べていては、他の代わりにはなりません。何でも好き嫌い無く食べなさいと言ってくれたお母さんの教えは正しかった訳ですね。
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和は冷やすと固体化します。冷蔵庫で固まるやつ、と思って下さい。主に肉類に含まれます。最近はアイスクリームの代用品(アイスミルクとか区別されていますが、スーパーに行くと同じ売り場にあるから分かり難いかも知れません)や、お菓子などに使われるパーム油も飽和脂肪酸です。動物性より安く手に入るため、かなり多くの加工食品に使われています。
不飽和脂肪酸にはω(オメガ) 3系とω6系があります。ω3系はEPAやDHA、それにシソ油などに含まれるα リノレン酸があります。ω6系はリノール酸、y-リノレン酸、その他にはレバーや卵に含まれるアラキドン酸があります。
この飽和と不飽和は分子構造の違いによって分けられています。二重結合が「ある」のが不飽和で、二重結合が「無い」のが飽和です。ωの後の数字は空の手の数です。空の手が「ある」と、そこに酸素がくっついて酸化しやすい性質があります。空の手が「ない」飽和脂肪酸は、酸化しにくい脂と言えます。逆に不飽和脂肪酸のω3系よりω6系の方が空の手の数が多いので、酸化が早い事になります。
体内で造り出せないアラキドン酸やリノール酸、リノレン酸などの必須脂肪酸は、ホルモンの様な物質であるエイコサノイドという物質に変換され、休内で働きます。この脂肪酸はそれぞれの名前が違う様に、それぞれの働きも違います。どれかだけ食べていては、他の代わりにはなりません。何でも好き嫌い無く食べなさいと言ってくれたお母さんの教えは正しかった訳ですね。
α-リノレン酸
紅花油や大豆油といった植物油や、マーガリンに多く含まれるリノール酸は長い間、身体に良いと言われて来ました。確かに、冷やすと固まるバターやラードは、見た目で“あの脂の固まりが、あのまま私のお腹に・・・"というイメージになりますが、それはあくまでイメージです。実際には牛を食べても牛にならない様に、そのままお腹にくっつく訳がないのですが、人間の思い込みとは怖いものです。
最近、この植物性油脂を摂り過ぎると、血液凝集作用を持つアラキドン酸を体内で沢山作ってしまう事が分かりました(Dwyer J.H.et al.(2004)The New Engl J Med.350(1)29-37)。身体に良いと思っていたものが真逆?! という訳ですから、天動説が地動説、みたいですよね。この事が発表されてから、何とまだ10年余りしか経っていないのです。
現代人は、気付かない内に加工食品からかなりのリノール酸を摂取しています。アラキドン酸を造り過ぎない為にも、ω3系の脂肪酸を摂取し、バランスを取る事が重要になります。
最近、この植物性油脂を摂り過ぎると、血液凝集作用を持つアラキドン酸を体内で沢山作ってしまう事が分かりました(Dwyer J.H.et al.(2004)The New Engl J Med.350(1)29-37)。身体に良いと思っていたものが真逆?! という訳ですから、天動説が地動説、みたいですよね。この事が発表されてから、何とまだ10年余りしか経っていないのです。
現代人は、気付かない内に加工食品からかなりのリノール酸を摂取しています。アラキドン酸を造り過ぎない為にも、ω3系の脂肪酸を摂取し、バランスを取る事が重要になります。
脳の健康に
α-リノレン酸は、脳神経細胞に多く分布するDHAや、血流改善や抗炎症作用のあるEPAの前駆体です。
γ-リノレン酸
母乳に含まれるγ-リノレン酸。赤ちゃんはγリノレン酸を体内で作り出す力がないため、母乳中からしっかり摂れる様になっています。しかし、何らかの理由で母乳をしっかりもらえなかった赤ちゃんは、γ-リノレン酸が不足してしまいます。それはつまり、アトピー性皮膚炎などの病気にかかり易くなると言えるのではないでしょうか。
女性ホルモン様作用
γ-リノレン酸は、肉類に多く含まれるアラキドン酸が体内でたくさん代謝されない犠に調整・抑制して、月経前症候群(PMS)の色々を緩和してくれます(Horrobin D,F. et al (1992) Prog in Lip Les.31 (2) 163-194)。最近は食のバランスがω3系(魚油系)からω6系(肉系)に偏ってきているために、サプリメントなどでのバランス調整が必要です。
また、子宮筋を収縮させるPG(プロスタグランディン)E2を抑制して、生理痛を緩和してくれる事にも効果が期待されています。鎮痛剤の宣伝を見ても分かる通り、多くの女性は痛みと戦っています。生理の度に悩んでいる方は、薬に頼るよりも健康的なこの方法を一度お試しあれ。
γ-リノレン酸はこの他に、更年期障害の改善や閉経後の骨粗蕗症の予防なども期待されています(Kruger M.C.et al.(1998)Aging.10(5)385-394)。
また、子宮筋を収縮させるPG(プロスタグランディン)E2を抑制して、生理痛を緩和してくれる事にも効果が期待されています。鎮痛剤の宣伝を見ても分かる通り、多くの女性は痛みと戦っています。生理の度に悩んでいる方は、薬に頼るよりも健康的なこの方法を一度お試しあれ。
γ-リノレン酸はこの他に、更年期障害の改善や閉経後の骨粗蕗症の予防なども期待されています(Kruger M.C.et al.(1998)Aging.10(5)385-394)。
抗炎症作用
γ-リノレン酸は色々な炎症に効果を示す事が分かっています。関節リウマチなどの炎症性疾患に利用され、症状の改善が見られています(Lawrence J.et al.(1993) Lev Ann Intem Med.199(9)867-873)。
また、アトピー性皮膚炎の患者さんは、体内でリノール酸をγ-リノレン酸に変換する酵素が作られにくいことが分かっています。リノール酸をγ-リノレン酸に変換出来ないと、免疫細胞を活性化させたり、血管を拡張させて血流を良くしたり、気管支の拡張を調節して喘息を抑えたりといった仕事が出来ません。
この、リノール酸をγ-リノレン酸に変換する酵素を、δ(デルタ) 6デサチュラーゼといいます(名前が難しいものばかりですみません)。δ6デサチュラーゼの活性を促進するには、他にビタミンB6、ナイアシン、亜鉛、マグネシウム、ビタミンCなどを一緒に摂取すると更に効果的です。
また、アトピー性皮膚炎の患者さんは、体内でリノール酸をγ-リノレン酸に変換する酵素が作られにくいことが分かっています。リノール酸をγ-リノレン酸に変換出来ないと、免疫細胞を活性化させたり、血管を拡張させて血流を良くしたり、気管支の拡張を調節して喘息を抑えたりといった仕事が出来ません。
この、リノール酸をγ-リノレン酸に変換する酵素を、δ(デルタ) 6デサチュラーゼといいます(名前が難しいものばかりですみません)。δ6デサチュラーゼの活性を促進するには、他にビタミンB6、ナイアシン、亜鉛、マグネシウム、ビタミンCなどを一緒に摂取すると更に効果的です。
[ アスリートのための分子栄養学 ]
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