エネルギー枯渇時に起きる 糖新生のメリットとデメリット
掲載日:2018.03.23
糖新生とは
前回の記事で糖新生という言葉が出てきました。これは何でしょうか?
厚生労働省の策定した「日本人の食事摂取基準」によると、糖質は総エネルギーの50~70%を目指すべしとされています。活動レベルの高い人の場合、一日の総エネルギーはだいたい3000kcalが必要だとされているため、その50~70%となると1500~2100kcal。
炭水化物は1gあたり4kcalですので、375~525gが厚生労働省の定める数値ということになります。
厚生労働省の策定した「日本人の食事摂取基準」によると、糖質は総エネルギーの50~70%を目指すべしとされています。活動レベルの高い人の場合、一日の総エネルギーはだいたい3000kcalが必要だとされているため、その50~70%となると1500~2100kcal。
炭水化物は1gあたり4kcalですので、375~525gが厚生労働省の定める数値ということになります。
しかし、常に食事でこれだけの糖質を摂取できるとは限りません。胃腸の調子が悪かったり、食事できなかったりなどで糖質が摂取できないと、エネルギーが確保できなくなります。特に赤血球は糖質を唯一のエネルギー源にしているので、糖質が足りないとヤバイのです。
このような場合に備えて体内で糖を新しく合成する経路があります。それが「糖新生」。アミノ酸や乳酸、グリセロールなどを材料として、ブドウ糖を新たに産み出すことができるのです。ただし問題もあります。糖新生は筋肉から取り出されたアミノ酸も材料にするからです。つまり糖新生が活発になるほど、筋肉が壊されてしまうことになります。
食べ物から摂取する糖質がゼロに近い状態だと、一日に糖新生でブドウ糖がつくられる量は80g程度とされています。
内訳は、乳酸やピルビン酸から35-40g、脂肪由来のグリセロールから20g、たんぱく質由来のアミノ酸(主にアラニン)から15-20g、ケトン体から10-11gと報告されています。(※3)
また糖新生は決して効率の良い経路ではありません。
アミノ酸のアラニンを例に取ると、ブドウ糖1分子を産みだすために6分子のATPが必要となります。さらに-NH2を尿素にするために2分子のATPが必要とされるので、トータルで8分子のATPを消費することになります。
しかし解糖系(ブドウ糖をエネルギーにする経路)ではブドウ糖1分子から、たった2分子のATP(4分子できるが2分子消費してしまう)しかできないのです。
逆に考えれば、糖新生を活発にすることにより、ダイエットが簡単になるはずです。「筋肉が落ちても構わないから、とにかく体重を減らしたい」というのであれば、糖質の摂取を減らして糖新生を活発にすることも有効な手段となるでしょう。
このような場合に備えて体内で糖を新しく合成する経路があります。それが「糖新生」。アミノ酸や乳酸、グリセロールなどを材料として、ブドウ糖を新たに産み出すことができるのです。ただし問題もあります。糖新生は筋肉から取り出されたアミノ酸も材料にするからです。つまり糖新生が活発になるほど、筋肉が壊されてしまうことになります。
食べ物から摂取する糖質がゼロに近い状態だと、一日に糖新生でブドウ糖がつくられる量は80g程度とされています。
内訳は、乳酸やピルビン酸から35-40g、脂肪由来のグリセロールから20g、たんぱく質由来のアミノ酸(主にアラニン)から15-20g、ケトン体から10-11gと報告されています。(※3)
また糖新生は決して効率の良い経路ではありません。
アミノ酸のアラニンを例に取ると、ブドウ糖1分子を産みだすために6分子のATPが必要となります。さらに-NH2を尿素にするために2分子のATPが必要とされるので、トータルで8分子のATPを消費することになります。
しかし解糖系(ブドウ糖をエネルギーにする経路)ではブドウ糖1分子から、たった2分子のATP(4分子できるが2分子消費してしまう)しかできないのです。
逆に考えれば、糖新生を活発にすることにより、ダイエットが簡単になるはずです。「筋肉が落ちても構わないから、とにかく体重を減らしたい」というのであれば、糖質の摂取を減らして糖新生を活発にすることも有効な手段となるでしょう。
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