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組織を修復する植物性成分 フコイダンとβ-グルカン

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掲載日:2018.06.08
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フコイダン(Fucoidan)

トロロ昆布の一種であるガゴメ昆布から抽出されるフコイダンという成分には、免疫活性を強化させる様々な作用が報告されています。

フコイダンとは、昆布類等の褐藻類や、ひじき等に含まれる“とろみ"や“ヌメリ"成分の一種で、特にガゴメ昆布は、他の海草類に比べて有効成分(U-フコイダン、F-フコイダン)が多く含まれます。

U-フコイダンには、ある種のガン細胞の細胞死を誘発させる作用が認められています。この「細胞死」をアポトーシスと言います。

アポトーシスとは、個体(ここでは人間の事)をより良い状態に保つ為に引き起こす、プログラム化された細胞死の事です。身体の中で不良な細胞(ガン細胞)が出来てしまった時には、それを殺して処理するシステムが身体の中に最初からプログラムされている、という事です。アポトーシスによって、死んでしまったガン細胞は自動的に除去されるのです。
また、F-フコイダンには、組織を修復させる作用が認められています。これをHGF(hepatocytegrowth factor=肝細胞増殖因子)と言います。

HGFは、強力な増殖因子作用を持つ再生因子で、肝臓のみならず、腎臓、血管、皮膚などの組織障害に対して治癒効果を持つ生体修復因子の1つとして考えられています。ですから、ガンのような強くて怖い細胞が出来てしまっても、修復をしてくれる可能性が高いのです。

厚生労働省によると、日本人の死因の第一位は1980年からずっとガンなんだそうです。人口動態統計によると、年間30万人以上がガンで亡くなっているそうです。そして今後、更に高齢化が進む事から、ガン発症率も増加して行く事が予測できます。

更に、ガンのみならず急激な社会の変化に伴って、現代人のライフスタイルは急変しています。その分ストレスも増加し、様々な症状や疾病に悩む人も増加し続けています。
そんなストレス社会には、免疫力の強化や生活習慣病の改善が重要なカギを握る事になりますね。

β-グルカン(β-Glucan)

大麦から抽出されるβ-グルカンにも、フコイダン同様、免疫活性を強化させたり、ガン細胞を殺す働きがあります。フコイダンは海の恵み、β-グルカンは大地の恵みという事になりますね。

この事から、前述のフコイダンとβ-グルカンを一緒に摂る事で、更に強力な修復機能が期待されます。
これからの高齢化・ストレス社会を快適に過ごすには、本来人間に備わっている免疫機能を強化しておく事が第一優先だと言えるでしょう。以前にも言いましたが、ストレスなどで失われる栄養素の量はもの凄く大量です。

でも、減っていく栄養素の量はなかなか目で量れません。食べる時は目で見る事が出来ますから、体内に沢山蓄積されているような気分になりますが、ガソリンメータのように目で見えないと“足りないぞ、補給しなきゃ"とは気づきにくいと言えますね。
  • 星 真理(ほし まり)
    栄養整合栄養医学協会認定 分子栄養医学管理士
    栄養学の専門家として老若男女を問わず、一般人からトップアスリートにいたるまで、あらゆるニーズにも対応した栄養指導/栄養セミナーを個人、競技チーム、学校、企業を対象に行っている。
    著書「アスリートのための分子栄養学」(体育とスポーツ出版社)
    分子栄養学(正式名称:分子整合栄養医学)
    Ortho-Molecular Nutrition and Medicine
    ノーベル賞を2つ受賞した米国人生化学者ライナス・ポーリング博士(1901~1994年)が、栄養学と医学とを融合させて研究し、分子整合栄養医学として確立した栄養医学。

  • アスリートのための分子栄養学
    2014年3月31日初版1刷発行
    著者:星 真理
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ アスリートのための分子栄養学 ]

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