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糖化は老化 ~糖化とはなにか~

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掲載日:2018.06.14
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糖化とはなにか

血液検査をしたことのある方なら、「HbA1c」という項目をご存じでしょう。
これは糖尿病のチェックに使われる指標で、ヘモグロビンに糖が結合したものです。ヘモグロビンはグリシンからつくられますが、これが「糖化」するとHbA1cになるのです。

糖に含まれる「カルボニル基」とアミノ酸の「アミノ基」が反応すると、アマドリ化合物というものができます。これが糖化の初期段階です。

糖化はメイラードが発見したため、「メイラード反応」とも呼ばれます。またカルボニル基とアミノ基の反応のため、「アミノカルボニル反応」とも呼ばれます。

実はHbA1cも、アマドリ化合物の一種なのです。ヘモグロビンだけでなく、コラーゲンやリゾチーム、アルブミン、フィブリノーゲンなど生体内のタンパク質は全てが糖化を起こす可能性があり、アマドリ化合物を生成し得るのです。
アマドリ化合物はaジカルボニル化合物を生成し、最終的にAGEs(Advanced Glycation Endproducts)を生成します。これが糖化の後期段階です。

○糖化の問題点とは?

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問題なのはAGEsです。
例えばAGEsになったコラーゲンは互いに結合しあって、コラーゲンとしての弾力性が喪われます。するとケガをしやすくなったり、シワができたりします。血管のコラーゲンがそうなると動脈硬化になったり、血栓ができやすくなったりします。また、悪玉コレステロールである LDLが糖化されると泡沫細胞となり、アテロームを形成して、やはり動脈硬化の原因となります。

さらに問題なのは、SODやカタラーゼなど、活性酸素を除去する酵素が糖化されてしまうことです。そうなると当然、活性酸素を除去することができなくなりますし、糖化されるその過程においても活性酸素が発生してしまいます。

重要なのは、糖化は「非酵素的」に起こるということです。つまり糖質が多ければ多いほど、つまり血糖値が高く、またその高い時間が長ければ長いほど、糖化が起こりやすいのです。糖尿病患者は血糖値の高い状態が長時間続くため、糖化が起こりやすく、それが糖尿病で合併症の起こる主な理由となっています。
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]