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ビタミンの働き

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掲載日:2019.07.25
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「サプリメントの優先順位は?」と訊かれたら、多くの人が「プロテイン」とか「アミノ酸」、「クレアチン」などと答えるのではないでしょうか。

でもちょっと待ってください。プロテインもクレアチンも、「ビタミン」や「ミネラル」がないと、本来の効果を発揮できないのです。「飲んでも体感できない!」と言ってサプリメントプログラムからビタミンを外してしまう人も多いのですが、それではダメ。

ビタミンやミネラルはまさに縁の下の力持ちとして、見えないところでしっかりと働いてくれているのです。

この章ではビタミンが私たちのカラダの中で、いったいどのような働きをしているのかについて解説していきます。

ビタミンの働きとは

私たちが生きていくためには、食べ物を消化したり、エネルギーを生産したり、骨や筋肉、内臓の細胞を新しく入れ替えたりといった、さまざまな化学反応が必要となります。
このように人間の体内で起こる化学反応のことを、とくに「代謝」と呼びます。代謝のときに必要とされるのが、「酵素」です。酵素というと「消化酵素」がすぐに思い浮かぶと思いますが、ほかにも抗酸化作用を持つ「抗酸化酵素」やエネルギーを合成する酵素、DNAを複製する酵素などなど、さまざまな種類の酵素があります。

そして酵素はDNAのメッセージによりつくられる「タンパク質」の一種です。
ですから酵素をつくるためには、まず十分なアミノ酸がなければいけません。食事でタンパク質をしっかり摂取していないと酵素をつくることができず、代謝がうまくいかなくなってしまうのです。

ただしタンパク質だけあればOKというワケでもありません。
酵素が反応を起こすとき、多くの場合において、「働きを助けてくれるもの(触媒)」を必要とします。
それを「補酵素」と呼びますが、多くの補酵素はビタミンなのです。

角砂糖にライターの火を近づけてみましょう。そのままだと火は点きません。
今度は角砂糖にタバコの灰をなすりつけて、その灰に火を近づけ近づけてみます。すると火が点くはずです。

ビタミンは触媒として、この灰のような働きをカラダの中でしています。通常では遥かに高い温度でないと起こらないような化学反応を、体温より少し高い程度の温度で起こすことができる。それが酵素の素晴らしい働きです。

運動するときにはウォームアップをしますが、それは酵素の働きを高めるためでもあります。普通の体温よりも高めの温度だと、酵素の活性が高まるのです。

そしてエネルギーを合成する酵素が活性化したり、筋肉の収縮に必要な酵素が活性化したり、神経伝達物質をつくる酵素が活性化したりして、ウォームアップ完了となるわけです。
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]