補酵素としてのビタミン
掲載日:2019.08.01
多くの酵素は「アポ酵素」と「補酵素」の二つが組み合わさってつくられています。
アポ酵素というのはタンパク質です。そして補酵素は多くの場合において、ビタミンとなっています。
ここでアポ酵素と補酵素が組み合わさると「ホロ酵素」となり、こうなってはじめて酵素として機能することができるようになります。
では、GABAという神経伝達物質ができるときの流れを追ってみましょう。アミノ酸の「グルタミン酸」に、アンモニアと「グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)」が働くことによって、GABAはつくられます。
脱炭酸、つまりグルタミン酸からカルボキシル基を外すのが、この酵素の働きです。
しかしGADは、そのままだとうまく働きません。
GADにビタミンB6が結合することによって酵素の形が変わるのです。酵素の形が変わると、グルタミン酸やアンモニアのレセプターができます。そうしてはじめて、これらと結合できるようになるのです。
アポ酵素というのはタンパク質です。そして補酵素は多くの場合において、ビタミンとなっています。
ここでアポ酵素と補酵素が組み合わさると「ホロ酵素」となり、こうなってはじめて酵素として機能することができるようになります。
では、GABAという神経伝達物質ができるときの流れを追ってみましょう。アミノ酸の「グルタミン酸」に、アンモニアと「グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)」が働くことによって、GABAはつくられます。
脱炭酸、つまりグルタミン酸からカルボキシル基を外すのが、この酵素の働きです。
しかしGADは、そのままだとうまく働きません。
GADにビタミンB6が結合することによって酵素の形が変わるのです。酵素の形が変わると、グルタミン酸やアンモニアのレセプターができます。そうしてはじめて、これらと結合できるようになるのです。
パーフェクトコーディング
私たちの体内にはGADもビタミンB6も存在します。
しかしこの二つの物質が、偶然うまい具合に出会わないと、GABAはつくられません。
出会う確率が高くなればなるほど、GABAはできやすくなります。
出会う確率を高くするには、量を増やせばよいわけです。つまりGADとビタミンB6が多ければ多いほど、GABAは多くできることになります。
実際にビタミンB6を摂取したところ、GADの活性が高くなり、GABAが増えたという報告があります。(※1)
逆に量が足りないと、GABAは十分にできません。GABAには集中力を高める作用やリラックス作用、血圧低下作用などがありますので、これが足りないとイライラしたり、血圧が高くなったりしてしまいます。
さて、GABAをつくるためには、まずGADを作る必要があります。GADをつくるときには、DNAに記されているタンパク質配列情報(コード)をRNAが転写します。
そしてこの情報を基にGADをつくります。これを「翻訳」といいます。翻訳されたGADにビタミンB6が結合し、さらにアンモニアとグルタミン酸が結合すれば、めでたくGABAができあがります。
ここまでの流れ、すなわちDNAからスタートして、目的とする物質ができるまでの代謝のことをまとめて「コーディング」と呼びます。
そしてコーディングを完璧にすること。
つまりすべての代謝を滞りなくスムーズに達成し、カラダが目的とする物質を得られるような状態に保っておくことを、三石巌氏は「パーフェクトコーディング」と名付けました。パーフェクトコーディングが達成できていれば、身体が求めるすべての代謝は完遂され、健康レベルは最高になるわけです。
しかし、すべての代謝を完全に行うことは、そう簡単にはいきません。ヒトには「体質」があります。体質を決めるのがDNAです。しかしヒトによってDNAはそれぞれ違います。
つまりGADの構造も、ヒトによって微妙に違いがあるということになります。GADはビタミンB6と結合するわけですが、このレセプターの形も、DNAによって異なってきます。
つまりヒトによって、ビタミンB6と結合しやすいGADだったり、結合しにくいGADだったりするわけです。結合しやすいGADを持つDNAの人だったら、ビタミンB6は少なくても構いません。
しかし結合しにくいGADを持つDNAの人だったら、大量のビタミンB6がないと、上手く結合してくれないということになります。
つまりDNAの違いによって、補酵素であるビタミンと結合しやすいかどうかが異なってくるのです。
これこそが、体質を決める重要な一因となります。
この結合しやすさの割合を三石巌氏は「確率的親和力」と名付けました。
別の例をあげましょう。
ビタミンCにはコラーゲンを合成する作用や、免疫を高める作用があります。
コラーゲンを合成する酵素とビタミンCが結合しやすいのに、免疫細胞をつくる酵素とビタミンCが結合しにくい人がいたとします。
するとその人はコラーゲンが合成しやすいため、ケガをしにくくなります。
しかし免疫細胞をつくる能力は弱いため、風邪を引きやすいということになります。これを解決するためには、十分な量のビタミンCを摂取して、免疫細胞とビタミンCが結合する確率を高めるしかありません。
パーフェクトコーディングを達成するためには、十分な量のビタミンを摂取して、酵素がスムーズに働くようにすることが大事になるのです。
しかしこの二つの物質が、偶然うまい具合に出会わないと、GABAはつくられません。
出会う確率が高くなればなるほど、GABAはできやすくなります。
出会う確率を高くするには、量を増やせばよいわけです。つまりGADとビタミンB6が多ければ多いほど、GABAは多くできることになります。
実際にビタミンB6を摂取したところ、GADの活性が高くなり、GABAが増えたという報告があります。(※1)
逆に量が足りないと、GABAは十分にできません。GABAには集中力を高める作用やリラックス作用、血圧低下作用などがありますので、これが足りないとイライラしたり、血圧が高くなったりしてしまいます。
さて、GABAをつくるためには、まずGADを作る必要があります。GADをつくるときには、DNAに記されているタンパク質配列情報(コード)をRNAが転写します。
そしてこの情報を基にGADをつくります。これを「翻訳」といいます。翻訳されたGADにビタミンB6が結合し、さらにアンモニアとグルタミン酸が結合すれば、めでたくGABAができあがります。
ここまでの流れ、すなわちDNAからスタートして、目的とする物質ができるまでの代謝のことをまとめて「コーディング」と呼びます。
そしてコーディングを完璧にすること。
つまりすべての代謝を滞りなくスムーズに達成し、カラダが目的とする物質を得られるような状態に保っておくことを、三石巌氏は「パーフェクトコーディング」と名付けました。パーフェクトコーディングが達成できていれば、身体が求めるすべての代謝は完遂され、健康レベルは最高になるわけです。
しかし、すべての代謝を完全に行うことは、そう簡単にはいきません。ヒトには「体質」があります。体質を決めるのがDNAです。しかしヒトによってDNAはそれぞれ違います。
つまりGADの構造も、ヒトによって微妙に違いがあるということになります。GADはビタミンB6と結合するわけですが、このレセプターの形も、DNAによって異なってきます。
つまりヒトによって、ビタミンB6と結合しやすいGADだったり、結合しにくいGADだったりするわけです。結合しやすいGADを持つDNAの人だったら、ビタミンB6は少なくても構いません。
しかし結合しにくいGADを持つDNAの人だったら、大量のビタミンB6がないと、上手く結合してくれないということになります。
つまりDNAの違いによって、補酵素であるビタミンと結合しやすいかどうかが異なってくるのです。
これこそが、体質を決める重要な一因となります。
この結合しやすさの割合を三石巌氏は「確率的親和力」と名付けました。
別の例をあげましょう。
ビタミンCにはコラーゲンを合成する作用や、免疫を高める作用があります。
コラーゲンを合成する酵素とビタミンCが結合しやすいのに、免疫細胞をつくる酵素とビタミンCが結合しにくい人がいたとします。
するとその人はコラーゲンが合成しやすいため、ケガをしにくくなります。
しかし免疫細胞をつくる能力は弱いため、風邪を引きやすいということになります。これを解決するためには、十分な量のビタミンCを摂取して、免疫細胞とビタミンCが結合する確率を高めるしかありません。
パーフェクトコーディングを達成するためには、十分な量のビタミンを摂取して、酵素がスムーズに働くようにすることが大事になるのです。
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