ビタミンAの効果と摂取方法
掲載日:2019.09.19
筆者がビタミンAを勧めるのにはいくつかの理由がありますが、その一つは免疫向上です。
鼻水や咳、くしゃみで排出できなかったウイルスは鼻腔や気道に侵入してきます。このとき最前線に立って戦うのは「粘膜」です。
粘膜はムチンを主体とした粘液を分泌したり、線毛運動を起こしたりすることによって、ウイルスが体内に入り込むのを防いでくれます。
さらに粘膜にはインターフェロンの産生を誘導してマクロファージやNK細胞を増やし、自然免疫を誘導する作用があり、さらにはT細胞やB細胞などを増殖・活性化させて、獲得免疫を強化する働きもあるのです。
この粘膜を強くするためにもっとも重要なのが「ビタミンA」なのです。
なお妊娠の可能性がある女性44,646名を対象としたRCT論文によれば、妊娠中の夜盲症の発症率低下や子供の9歳~13歳時における肺活量の増大はβカロテン摂取群では認められず、ビタミンA摂取群でのみ認められています。(※5)
またビタミンAにはIGF-1レセプターに結合してmTORを活性化する作用もあり、筋タンパク合成を促してくれる可能性が期待できます。(※6)
ラットの実験ではビタミンAとEPA,DHAを併せて摂取することにより空間記憶が改善され、加齢による海馬のレチノイドレチノイド受容体減少を抑えることが発見されています。(※7)
鼻水や咳、くしゃみで排出できなかったウイルスは鼻腔や気道に侵入してきます。このとき最前線に立って戦うのは「粘膜」です。
粘膜はムチンを主体とした粘液を分泌したり、線毛運動を起こしたりすることによって、ウイルスが体内に入り込むのを防いでくれます。
さらに粘膜にはインターフェロンの産生を誘導してマクロファージやNK細胞を増やし、自然免疫を誘導する作用があり、さらにはT細胞やB細胞などを増殖・活性化させて、獲得免疫を強化する働きもあるのです。
この粘膜を強くするためにもっとも重要なのが「ビタミンA」なのです。
なお妊娠の可能性がある女性44,646名を対象としたRCT論文によれば、妊娠中の夜盲症の発症率低下や子供の9歳~13歳時における肺活量の増大はβカロテン摂取群では認められず、ビタミンA摂取群でのみ認められています。(※5)
またビタミンAにはIGF-1レセプターに結合してmTORを活性化する作用もあり、筋タンパク合成を促してくれる可能性が期待できます。(※6)
ラットの実験ではビタミンAとEPA,DHAを併せて摂取することにより空間記憶が改善され、加齢による海馬のレチノイドレチノイド受容体減少を抑えることが発見されています。(※7)
ビタミンAの摂取方法
サプリメントとして一日10000IU程度の摂取であれば、まず問題はなく、十分に効果を得ることができます。
なお「肝油ドロップ」にもビタミンAが含まれます。ビタミンAは脂溶性ですので、油の多い食事と一緒に摂取すると吸収が良くなります。マルチビタミンのビタミンAは、多くがβカロテンなどのプロビタミンAとなっています。
この場合、レチノールとしてのサプリメント(多くはビタミンAとビタミンDの混合)を摂取したいところです。食事からビタミンAを摂取する場合、豚レバーや鶏レバーがお勧めです。牛レバーはあまりビタミンAが含まれません。なお卵黄にも多く含まれます。
※5:Maternal vitamin A supplementation and lung function in offspring. N Engl J Med. 2010 May 13; 362( 19): 1784-94. doi: 10. 1056/ NEJMoa 0907441.
※6: A novel signaling by vitamin A/ retinol promotes self renewal of mouse embryonic stem cells by activating PI 3 K/ Akt signaling pathway via insulin-like growth factor-1 receptor. Stem Cells. 2010 Jan; 28( 1): 57-63. doi: 10. 1002/ stem. 251.
※7: EPA/ DHA and Vitamin A Supplementation Improves Spatial Memory and Alleviates the Age-related Decrease in Hippocampal RXR γ and Kinase Expression in Rats. Front Aging Neurosci. 2016 May 9; 8: 103. doi: 10. 3389/ fnagi. 2016. 00103. eCollection 2016.
なお「肝油ドロップ」にもビタミンAが含まれます。ビタミンAは脂溶性ですので、油の多い食事と一緒に摂取すると吸収が良くなります。マルチビタミンのビタミンAは、多くがβカロテンなどのプロビタミンAとなっています。
この場合、レチノールとしてのサプリメント(多くはビタミンAとビタミンDの混合)を摂取したいところです。食事からビタミンAを摂取する場合、豚レバーや鶏レバーがお勧めです。牛レバーはあまりビタミンAが含まれません。なお卵黄にも多く含まれます。
※5:Maternal vitamin A supplementation and lung function in offspring. N Engl J Med. 2010 May 13; 362( 19): 1784-94. doi: 10. 1056/ NEJMoa 0907441.
※6: A novel signaling by vitamin A/ retinol promotes self renewal of mouse embryonic stem cells by activating PI 3 K/ Akt signaling pathway via insulin-like growth factor-1 receptor. Stem Cells. 2010 Jan; 28( 1): 57-63. doi: 10. 1002/ stem. 251.
※7: EPA/ DHA and Vitamin A Supplementation Improves Spatial Memory and Alleviates the Age-related Decrease in Hippocampal RXR γ and Kinase Expression in Rats. Front Aging Neurosci. 2016 May 9; 8: 103. doi: 10. 3389/ fnagi. 2016. 00103. eCollection 2016.
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