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ナイアシン(ビタミンB3)とアルコール

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掲載日:2019.10.17
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ナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称です。
体内ではNADあるいはNADPに変換されて、非常に多くの反応における補酵素として活躍しています。

またアミノ酸のトリプトファンから合成され、摂取したトリプトファンの60分の1がナイアシンに変換されると言われます。

トウモロコシにはトリプトファンが少ないため、トウモロコシを主食とする民族はナイアシンの不足により、ペラグラという疾患になることがあります。

ナイアシンとアルコールの関係

通常、ナイアシンが不足することはありません。

しかしアルコールの代謝にナイアシンが使われるため、アルコールを大量に飲む人はナイアシンが不足します。
アルコールの主成分は「エタノール」です。
酒を飲んでエタノールが体内に入ると、肝臓で酸化されて「酢酸」に変わります。

そして酢酸は血中に流れ出して、主に筋肉に送り込まれます。
筋肉において酢酸はTCAサイクルに入り込み、ATPの材料となって最終的に二酸化炭素と水になり、完全に分解します。

つまり筋肉が多ければ多いほど、酢酸の処理能力も高いため、アルコールを分解しやすいということになるのです。

ここでエタノールが酢酸になるまでが問題になります。
エタノールはアルコール脱水素酵素の働きによって「アセトアルデヒド」になります。

そしてアセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素の働きによって酢酸になります。

中間で生成される「アセトアルデヒド」は毒性が高く、この作用によって顔が赤くなったり頭痛がしたり、吐き気がしたりするのです。

これが残っていると、二日酔いになるわけです。
アルコール脱水素酵素とアルデヒド脱水素酵素は、ナイアシンを材料としてつくられる「NAD」を材料にしています。

逆に言えば、ナイアシンを十分に摂取しておけばアルコールが分解されやすく、二日酔いになりにくいということになります。

「アスリートのための最新栄養学(上)」記事一覧
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


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