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ビタミンB6(ピリドキシン)

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掲載日:2019.10.31
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ビタミンB6はピリドキシンとピリドキサール、ピリドキサミンと、これらのリン酸エステルの総称です。

このビタミンの主な役割は、「アミノ基転移反応」です。
アミノ酸が代謝されるときには、アミノ基が外れて炭素骨格が残ります。
これがアミノ基転移反応で、ビタミンB6の誘導体であるピリドキサルリン酸が補酵素として必要になります。

ピリドキサルリン酸は他にもアミノ酸の脱炭酸やラセミ化、側鎖の修飾などさまざまな代謝に関わるため、タンパク質を多めに摂取するときは同時にビタミンB6の十分な摂取が必要になります。

なおピリドキサルリン酸はグルココルチコイド受容体と結合することにより、AST遺伝子の発現を抑制します。
そのため、B6が不足しているとASTの上昇が起こる可能性があります。
プロテインを飲んだら肝臓の数値が悪くなった・・という場合は、この現象が起こっているのかもしれません。

またB6はB12や葉酸と協力して、「ホモシステイン」の低下に貢献します。(※30,※31,※32)

ホモシステインについてについて詳しくは後述しますが、この組み合わせは脳卒中の発症リスクも低下させています。(※33)

なお前述の通り、GABAの合成にも関わります。
そのためB6の摂取によりGABAが増え、睡眠を深くする作用も期待できます。

B6は他のB群と同様、水溶性ですので過剰摂取の心配は要りませんが、あまりにも超大量(一日に数千mg)を数ヶ月に渡って継続摂取した場合、神経障害などを引き起こす可能性があります。

もちろん、普通にサプリメントとして摂取する分には、まったく心配は要りません。

※30:Homocysteine-lowering vitamins do not lower plasma S-adenosylhomocysteine in older people with elevated homocysteine concentrations. Br J Nutr. 2010 Jun; 103( 11): 1629-34. doi: 10. 1017/ S 0007114509993552. Epub 2010 Jan 21.

※31: Higher plasma homocyst( e) ine and increased susceptibility to adverse effects of low folate in early familial coronary artery disease. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 1995 Sep; 15( 9): 1314-20.

※32: Vitamin requirements for the treatment of hyperhomocysteinemia in humans. See comment in PubMed Commons belowJ Nutr. 1994 Oct; 124( 10): 1927-33.
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]