サプリメント・トピックス サプリメントと食品添加物
[ 月刊ボディビルディング 2009年1月号 ]
掲載日:2017.04.19
サプリメントには栄養成分としてビタミンやミネラル類をはじめ製造・加工目的で使用される賦形剤や乳化剤など、様々な食品添加物が使われていますが、どのように表示され、どのように安全性が確認されているのかご存知ない方が多いのではないでしょうか。そこで、今回は、サプリメントに使われている食品添加物について、ご紹介したいと思います。
食品添加物とは、食品衛生法では「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」と定義されています。日本では、1指定添加物、2既存添加物、3天然香料、4一般飲食物添加物に分類されます【図1】。
食品添加物とは、食品衛生法では「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」と定義されています。日本では、1指定添加物、2既存添加物、3天然香料、4一般飲食物添加物に分類されます【図1】。
指定添加物は388品目、既存添加物は418品目、天然香料は約600品目、一般飲食物添加物は約100品目あります(平成20年10月1日現在)。ちなみに、食品添加物は食品に使用されることが明らかなため、法的には単に「添加物」といいます。
食品添加物の歴史について、古くは豆腐を作るのに「にがり」が使われたり、こんにゃくに「消石灰」が使われたりしてきました。1947年の食品衛生法制定時に、使用してもよい食品添加物をリスト化したポジティブリスト方式が世界で初めて採用されました(一方、使用してはいけないものをリスト化した場合をネガティブリスト方式といいます)。また日本では「食品添加物の使用は極力制限する方向で措置すること(1972年国会付帯決議)」を尊重し、指定添加物の数は極力増やさない方針がとられてきました。そのため、昭和50年代以降では、指定添加物の数は300~400でほぼ一定となっています。
以前日本では、合成添加物と天然添加物を区別して扱っていましたが、1995年の食品衛生法改正時にその区別をなくし、指定制度を導入しました(このため、化学的合成品の定義も食品添加物からなくなりました)。ただし、その時点で使用されていた天然添加物は指定制度を適用せず、既存添加物として使用を引き続き認めました。同時に天然添加物の中で食品として流通していたものは、一般飲食添加物として、指定制度の対象外とされました。
表示については、原則として物質名(品名、別名、簡略名、類別名)で表示し、8つの用途(甘味料、着色料、保存料、増粘剤。安定剤・ゲル化剤・糊料、酸化防止剤、防かび剤、発色剤、漂白剤)の場合には、用途名を併記します【表1】。
食品添加物の歴史について、古くは豆腐を作るのに「にがり」が使われたり、こんにゃくに「消石灰」が使われたりしてきました。1947年の食品衛生法制定時に、使用してもよい食品添加物をリスト化したポジティブリスト方式が世界で初めて採用されました(一方、使用してはいけないものをリスト化した場合をネガティブリスト方式といいます)。また日本では「食品添加物の使用は極力制限する方向で措置すること(1972年国会付帯決議)」を尊重し、指定添加物の数は極力増やさない方針がとられてきました。そのため、昭和50年代以降では、指定添加物の数は300~400でほぼ一定となっています。
以前日本では、合成添加物と天然添加物を区別して扱っていましたが、1995年の食品衛生法改正時にその区別をなくし、指定制度を導入しました(このため、化学的合成品の定義も食品添加物からなくなりました)。ただし、その時点で使用されていた天然添加物は指定制度を適用せず、既存添加物として使用を引き続き認めました。同時に天然添加物の中で食品として流通していたものは、一般飲食添加物として、指定制度の対象外とされました。
表示については、原則として物質名(品名、別名、簡略名、類別名)で表示し、8つの用途(甘味料、着色料、保存料、増粘剤。安定剤・ゲル化剤・糊料、酸化防止剤、防かび剤、発色剤、漂白剤)の場合には、用途名を併記します【表1】。
消費者が商品を判断する際に特に重要と考えられる用途だからです。ただし、香料、調味料、乳化剤など類似の性質をもった食品添加物はまとめて表示する一括表示が認められています。また、栄養強化のための食品添加物、例えば、酸化防止目的ではなく、栄養強化目的で使用されたビタミンCや、その食品で効果を有さないような、加工助剤として使われた食品添加物、キャリーオーバー(原材料の製造に用いられ、当該食品では効果を発揮する量より少ないもの。例えば、せんべいに使用される醤油に含まれている保存料)の食品添加物については、表示が免除されています。
表示の順序は、「使用した添加物を物質名で表示する」(食品衛生法)、「食品添加物以外の区分(砂糖などの食品扱いの原料)と食品添加物の区分に分けて、まず食品扱いの原料で配合されている重量の多い順に表示し、その後に使用している食品添加物を配合量の多いものから記載する」(JAS法)と決められています。したがって、例えばたくさん入っているはずのクエン酸(食品添加物)が配合量の少ないデキストリン(食品)より後に表示されているのは、食品添加物以外の区分と食品添加物の区分に分けて食品扱いの原料から表示しているためなのです。
食品添加物の安全性については、一生涯毎日食べ続けても、安全性の面で問題が生じない量として、一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)が定められています。ADIはまず、実験動物を用いて各種毒性試験が行われ、生涯にわたって食べさせても何も有害な作用が認められない投与量の最大値が求められます。この用量を無毒性量(NOAEL:No Observed Adverse Effect Level)と呼び、これに100倍の安全率を設定し、NOAELの1/100をADIとしています。ADIの値を参考に、使用できる食品や使用限度といった使用基準が設定されています。すなわち、食品添加物は安全性に関する試験が十分に行われた上で提供されている安全性の高いものといえます。
サプリメントをはじめ様々な加工食品に使用されている食品添加物は、食品の栄養価を維持させ、腐敗、変質を防ぎ、製造、加工に必要不可欠なものであり、安全性が実証、確認されているものです。正しい知識を持って、サプリメントを上手に利用していただきたいと思います。
参考文献
1)「健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック」第一出版発行
2)「日本食品添加物協会」ホームページ
表示の順序は、「使用した添加物を物質名で表示する」(食品衛生法)、「食品添加物以外の区分(砂糖などの食品扱いの原料)と食品添加物の区分に分けて、まず食品扱いの原料で配合されている重量の多い順に表示し、その後に使用している食品添加物を配合量の多いものから記載する」(JAS法)と決められています。したがって、例えばたくさん入っているはずのクエン酸(食品添加物)が配合量の少ないデキストリン(食品)より後に表示されているのは、食品添加物以外の区分と食品添加物の区分に分けて食品扱いの原料から表示しているためなのです。
食品添加物の安全性については、一生涯毎日食べ続けても、安全性の面で問題が生じない量として、一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)が定められています。ADIはまず、実験動物を用いて各種毒性試験が行われ、生涯にわたって食べさせても何も有害な作用が認められない投与量の最大値が求められます。この用量を無毒性量(NOAEL:No Observed Adverse Effect Level)と呼び、これに100倍の安全率を設定し、NOAELの1/100をADIとしています。ADIの値を参考に、使用できる食品や使用限度といった使用基準が設定されています。すなわち、食品添加物は安全性に関する試験が十分に行われた上で提供されている安全性の高いものといえます。
サプリメントをはじめ様々な加工食品に使用されている食品添加物は、食品の栄養価を維持させ、腐敗、変質を防ぎ、製造、加工に必要不可欠なものであり、安全性が実証、確認されているものです。正しい知識を持って、サプリメントを上手に利用していただきたいと思います。
参考文献
1)「健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック」第一出版発行
2)「日本食品添加物協会」ホームページ
- 文:
- 江崎グリコ株式会社健康食品事業部健康科学研究所 桑原弘樹 大森健
[ 月刊ボディビルディング 2009年1月号 ]
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