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減量中に体重の減少がストップしたら

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掲載日:2017.07.05
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体重の減少がストップしたら

ベースとなるダイエットを築き(この例では約2100キロカロリーです)、そのベースを最低4ヵ月継続的に守ったら、あなたはカロリー不足をつくり、体に蓄積されている脂肪をエネルギーとして使わせることができます。ベースをつくれば、あなたの体は不足に反応するようになります。これに対し、散発的な食事をしていると、体はどんな食事療法にも反応しなくなります。

以前お話ししたと思いますが、体はカロリー摂取の小さな変化に反応します。大きくて突然のカロリーの減少は、一時的な効果はあっても、体は脂肪を溜め込もうとすることで、すばやく対抗します。

体脂肪を減らし、厳しいカロリー減による新陳代謝の低下を防ぐためには、10~15%(最大で)のカロリーカットを行ってみてください。体は小さな不足を認知、それに反応し、脂肪をエネルギーとして使います。多くの人は、厳しくカットすることによって脂肪を減らすことができると信じています。カロリーを制限する事で、体が脂肪を削らざるを得なくなるだろうと思っているのです。この厳しい制限は、5、6日は効果があります。しかし、それから体はその代謝率を下げ、どんどん削り取られてなくなってしまわないよう、自分を守ろうとします。ここで、ダイエットは、ダイエターに犠牲を強いるようになります。ついには空腹感が、非常に強い意志を持った人をも打ち負かしてしまうでしょう。厳しいカロリー制限の結果は、代謝の低下、減量の停滞、エネルギーの減少、そしてすさまじい空腹感です。結局これは、禁じられている食品を食べてしまうといったダイエットの失敗につながり、しかもこういった食品は、カロリーの厳しい制限による代謝の低下のために、蓄積されやすい状態になっているわけです。
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ベースとなるダイエットを決めた後、もうひとつの選択として、運動、特にウェイトトレーニングを加えるということがあげられます。同じカロリーを取っていても、ウェイトトレーニングを通じて増えていく筋量は、カロリーを燃やし、そのカロリーのうちのいくらかは蓄積されている脂肪からのものです。それに筋量が増えれば、代謝も上がります。代謝が早いということは、長い目で見た減量の成功の秘訣のひとつです。

運動量は増やすのにカロリーをカットするのはいい方法だと思えません。一度にふたつ以上の事柄を変えると、誤った方向に行くこともあります。ベースとなるダイエットを決めて、カロリーを10~15%減らし、脂肪が減ったとします。しかし、最近スティッキングポイントに突き当たりました。ここでこの人は、次の3つのうちのひとつを行うべきです。

①カロリーを減らす
②カロリー摂取に変化を与える
③運動で消費するカロリーを増やす

①のカロリーを少しだけ減らすことは効果があるでしょうが、そうすることにより、代謝率も少し落ちます。②の説明は後述します。③では、有酸素運動をすることも有効ですが、体が同じ運動でもより少ないカロリーを消費するようになり、それに適応してしまいます。ウェイトトレーニングを加える事、きちんとしたウェイトトレーニング計画に従うことにより体に筋量をつけることができ、それはつまり代謝を上げることに繋がります。

ダイエットプログラムを始め、同時に運動プログラムを始める人の多くは、プラトーに突き当たってしまいます。彼らにとって、プラトーを克服する方法は、時に混乱するようなものです。その人は、彼のプログラムが効果があったことは知っていますが、減量を続けるためにはどのように変えたら良いか迷っています。もっと運動をするべきでしょうか?カロリーを減らすべきでしょうか?ダイエットが身体的変化により多くの影響を与えたのか、それとも運動が変化を起こす刺激となったのか?考え迷った末、彼は両方変えます。カロリーを減らし、運動量は増やしました。これは、プラトーを克服するのに効果があるかもしれませんが、疲労につながりやすいということが言えます。というのは、より少ないエネルギーで、より多くの運動を行うのは、単に困難だからです。また、カロリー減にともなう運動量の増加は、“大きな不足と知覚される”ことに繋がります。

覚えていますか?カロリーがあまりにも低くカットされたとき、体は脂肪の減少に抵抗し始めます。ですから、プラトーを克服するには、ほんの少しの変化でいいのです。
  • 理論と実践で100%成功するダイエット ダイエットは科学だ!
    2008年10月10日第2刷発行
    著者:クリス・アセー卜
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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