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習慣性肥満 食事環境こそが遺伝的肥満をつくる

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掲載日:2017.10.30
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遺伝的肥満は“習慣性肥満"の結果である

私がこの原稿を書き、内容を確認するために妻に読んで聞かせたところ、彼女は私に次のようなことを思い出させました。
遺伝的肥満は、しばしば“習慣性肥満"の結果であると。

私がローラに、肥満している両親のもとに生まれた子供は、60%の確率で太る、と言うと、彼女は強い口調で意見しました。
「遺伝ですって! 彼らはそういうものを背負っているかもしれないけれど、その60%に付け加えることがあるわ。肥満している人の多くが食べ過ぎていたり、間違った食品を口にしていたり、運動しなかったりするのが現状よ。だから、肥満している両親のもとに生まれた子供は、90%の確率で太るということに、あなたはすぐに気づくでしょうね!」

そこで私はたずねます。
「“習慣性肥満"って何なんだい?」

こうローラは言いました。
「それは、あなたの脂肪の少ない祖父母がジャンクフードばかりを食べて運動せずに、1 Okgもオーバーウェイトになる場合のことよ。
あなたのおばあさんは息子を生んで、彼はあなたのお母さんと結婚する。彼らはその両親のライフスタイルをまねする。
つまり、運動をしない、脂肪や砂備の多い食事。これであなたの両親は、理想の体重より15 kgもオーバーウェイトになるわ。
あなたが生まれると、あなたはその食習慣に従い、やはり太っていく。たぶん、あなたは両親よりも太るわね。あなたの両親がその両親より太ったように」

私たちは、遺伝が肥満に果たす役割は大きいということを学びましたが、ローラのポイントは、食べ過ぎ、間違った食物選択、そして運動不足、これらがすべて肥満につながるということです。たとえ、痩せている人においても、です。
科学者の中には、これを“遺伝"と呼ぶ人もいますが、私に言わせれば、よくない食事と環境が肥満を増進させているのです。

レプティンとGLP-1

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遺伝があなたを理想のボディから遠ざけている問題だ、という考えを支持する新しい根拠があります。ネズミの研究者たちが、OBと呼ばれる遺伝子をつきとめたのです。この遺伝子こそが体重増、体重減にかかわっていると考えられています。

この遺伝子が実験用ネズミにおいて正常に機能している場合、それはレプティンと呼ばれるホルモンをつくります。レプティンは血液中をかけめぐり、体に十分脂肪が蓄積されると、それを脳に伝えます。しかし、OB遺伝子が正常に働かないと、ネズミは怠惰になります。彼らはそれほど動かず、食べ物をむさぼるようになるのです。

先天的にOB遺伝子に障害をもつネズミがレプティンを注射されると、それらは非常に活動的になり、食物摂取も劇的に減ります。遺伝的に太っているネズミでもスリムになり、正常に機能しているOB遺伝子をもつネズミすらも、レプティンを注射されると、体重が減りました。

次に、科学者たちは、この新しい知恵を肥満している人間にあてはめてみました。
しかし、肥満している人間たちは、OB遺伝子に欠陥はなかったのです。彼らはレプティンをつくっているのです。
興味深いことに、肥満している人は、痩せている人よりも多くのレプティンをつくっていることを科学者たちは発見しました。これは、期待していたのとは反対の結果です。

ですから、科学者たちは、肥満している人は過剰にレプティンをつくる、なぜなら、それが脳にあるレセプターでうまく感知されていないかもしれないからだ、と仮定しています。肥満の研究において、脳こそが次なる開拓分野になるかもしれません。

レプティンによって促進されている別のホルモン、それがGLP-1です。GLP-1もまた、肥満している人々に不足している、または欠けていると考えられています。

GLP-lは、脳、および消化器官で働きます。それは、脳にある、まだよく解明はされていないメカニズムによって、人に食べることを止めさせます。消化管において、それは消化を遅らせ、あなたに“おなか一杯"という感覚を与えます。
  • 理論と実践で100%成功するダイエット ダイエットは科学だ!
    2008年10月10日第2刷発行
    著者:クリス・アセー卜
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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