グリセミック指数(GI値)について―――筋発達を促す食事の仕方
掲載日:2016.08.30
グリセミック指数(GI値)
一日に5000キロカロリー食べても脂肪が増えないボディビルダーがいれば、その半分で十分という人もいます。なぜなのでしょうか?こういった個人における代謝の違いは、除脂肪体重や活動量、ホルモンのレベルに遺伝的体質といった要因によって説明できますが、インスリンのレベルもまた、脂肪の蓄積に大きく関わっていることはすでに学びました。
プロテインホルモンであるインスリンは、近年ボディビル界で大きな注目を集めてきました。それは、炭水化物を食べたとき、上昇する血糖値に反応して、すい臓のβ細胞から分泌されます。たんぱく質を食べたとき、血中を流れるアミノ酸もインスリンの分泌を促しますが、それほど程度は大きくありません。インスリンが重要だと言われるのは、それが、筋肉内へ炭水化物やアミノ酸を運び込む作用を助け、結果としてグリコーゲンやたんぱく質の合成が促進されるからです。つまり、より多くのエネルギー、サイズ、そしてストレングスが得られるというわけです。
ただし、炭水化物/カロリーを取り過ぎた場合は問題が生じます。確かに、インスリンは筋発達を促しますが、それはまた、脂肪の蓄積をも促進するのです。インスリンが分泌されると、脂肪の合成において中心的役割を果たす、リポプロテインリパーゼという酵素が活性化されます。その一方で、インスリンは脂肪の分解を促し、代謝を上げる作用のある酵素の動きを阻害するのです。また、インスリンは脳にある食欲中枢を刺激します。これにより、体がより多くの炭水化物を欲するようになるのです。実際、インスリンを大量に注射されたネズミは胃袋が破裂するまで食べ続けますし、逆にすい臓を取り除かれたネズミは食欲を失い、餓死してしまうでしょう。
プロテインホルモンであるインスリンは、近年ボディビル界で大きな注目を集めてきました。それは、炭水化物を食べたとき、上昇する血糖値に反応して、すい臓のβ細胞から分泌されます。たんぱく質を食べたとき、血中を流れるアミノ酸もインスリンの分泌を促しますが、それほど程度は大きくありません。インスリンが重要だと言われるのは、それが、筋肉内へ炭水化物やアミノ酸を運び込む作用を助け、結果としてグリコーゲンやたんぱく質の合成が促進されるからです。つまり、より多くのエネルギー、サイズ、そしてストレングスが得られるというわけです。
ただし、炭水化物/カロリーを取り過ぎた場合は問題が生じます。確かに、インスリンは筋発達を促しますが、それはまた、脂肪の蓄積をも促進するのです。インスリンが分泌されると、脂肪の合成において中心的役割を果たす、リポプロテインリパーゼという酵素が活性化されます。その一方で、インスリンは脂肪の分解を促し、代謝を上げる作用のある酵素の動きを阻害するのです。また、インスリンは脳にある食欲中枢を刺激します。これにより、体がより多くの炭水化物を欲するようになるのです。実際、インスリンを大量に注射されたネズミは胃袋が破裂するまで食べ続けますし、逆にすい臓を取り除かれたネズミは食欲を失い、餓死してしまうでしょう。
筋発達のために食べる―――最初のステップ
では、脂肪の蓄積を最小限に抑えながら筋肉を発達させるのに十分なカロリーを取るには、どうしたらよいのでしょうか?まず最初にしっかり食べなければなりませんが、炭水化物を過剰に取らないことです。次に、これが最も重要なのですが、食事の回数を一日5回に分けることです。もちろん、6回に分けられれば、もっといいのですが……。3、4回、いや5回よりも、6回に分けて食べた方が、筋肉を発達させるのには有利なのです。というのは、6回に分けると、一回の食事の量はそれほど多くなくなりますから(スモールミール)、栄養素の吸収が最大になります。
それに、体は一日中継続的な栄養とカロリーの供給を必要としていますから、こういった意味でも6回の食事は理想的なのです。また、スモールミールはインスリンの分泌をほどよく促進します。適度なレベルでコンスタントに分泌されるインスリンは、筋発達を促すのです。反対に、一回にたくさん食べたり、食事を取ったり取らなかったりすると、高いレベルで散発的にインスリンが分泌され、脂肪の蓄積を招くことになるのです。
食事の構成も、筋肉を発達させ、脂肪の蓄積を防ぐためには重要です。炭水化物を一日の早い時間に食べた場合は、遅い時間や夜に食べた場合と比べて、インスリンの分泌が少ないことがわかっています。ですから、1回目、2回目、3回目の食事で炭水化物を多めに取り、4回目、5回目、6回目の食事では控えめにした方がいいということが言えるでしょう。特に、夜遅く炭水化物を食べると、脂肪として簡単に蓄積されてしまいます。
脂肪を減らしたいと思っているボディビルダーに僕がおすすめする最初のステップは、今まで取っていたのとまったく同じカロリーを毎日取ることです。ただ、4、5回に分けていた食事を6回にし、炭水化物の取り方を変えてみてください。つまり、一日の早い時間に、より多くの炭水化物を取るようにするのです。そうすれば、体が本来備えているインスリン反応を有利な方向に働かせることができるので、血糖値を安定させ、インスリンのレベルを一定に保つことができるのです。これで、カロリーを減らさずに体脂肪を減らすことができるでしょう。
それに、体は一日中継続的な栄養とカロリーの供給を必要としていますから、こういった意味でも6回の食事は理想的なのです。また、スモールミールはインスリンの分泌をほどよく促進します。適度なレベルでコンスタントに分泌されるインスリンは、筋発達を促すのです。反対に、一回にたくさん食べたり、食事を取ったり取らなかったりすると、高いレベルで散発的にインスリンが分泌され、脂肪の蓄積を招くことになるのです。
食事の構成も、筋肉を発達させ、脂肪の蓄積を防ぐためには重要です。炭水化物を一日の早い時間に食べた場合は、遅い時間や夜に食べた場合と比べて、インスリンの分泌が少ないことがわかっています。ですから、1回目、2回目、3回目の食事で炭水化物を多めに取り、4回目、5回目、6回目の食事では控えめにした方がいいということが言えるでしょう。特に、夜遅く炭水化物を食べると、脂肪として簡単に蓄積されてしまいます。
脂肪を減らしたいと思っているボディビルダーに僕がおすすめする最初のステップは、今まで取っていたのとまったく同じカロリーを毎日取ることです。ただ、4、5回に分けていた食事を6回にし、炭水化物の取り方を変えてみてください。つまり、一日の早い時間に、より多くの炭水化物を取るようにするのです。そうすれば、体が本来備えているインスリン反応を有利な方向に働かせることができるので、血糖値を安定させ、インスリンのレベルを一定に保つことができるのです。これで、カロリーを減らさずに体脂肪を減らすことができるでしょう。
筋発達のために食べる―――次のステップ
“グリセミック指数(glycemic index、GI値)”というものを知っている人も多いと思います。このグリセミック指数というのは、いかに早く炭水化物が取り込まれ、消化されるかを測るものです。つまり、炭水化物がインスリン分泌に与える影響を測定するものなのです。ですから、グリセミック指数は、糖尿病や血液中のグルコース異常減少症の成人にとっては役に立つ考え方でしょう。彼らはインスリンのレベルが高い傾向にあり、食事療法によりインスリンのレベルを低くコントロールするように言われています。
同じ炭水化物でもグリセミック指数の違いによりインスリンの分泌量が変わります
また、オーバーウェイトの人々も炭水化物を取ったときに高いインスリンレベルを経験することがあります。炭水化物が速く分解されればされるほど、より多くのインスリンが分泌され、脂肪が簡単に蓄積されます。インスリンのレベルが高いと脂肪の蓄積が促され分解は妨げられますから、肥満状態の人々が体重管理の一環としてグリセミック指数を使い、インスリンのレベルをコントロールしようとすることもあるでしょう。
ここで僕がお勧めする、脂肪の量を低く抑えながら筋肉を発達させるための次なる栄養学的ステップは、食べる炭水化物の質を変え、余分なインスリンの分泌、そして脂肪の蓄積を防ぐことです。以下の指数表を見てください。食品についている値が大きいほど、インスリンの分泌量も多くなります。値が小さければ、インスリンの分泌量も少なくなります。
筋発達のために必要なだけカロリーは取りたいが、脂肪はそれほどつけたくないというボディビルダーは、グリセミック指数が50以下の炭水化物を食べるようにするとよいでしょう。指数表を見れば、同じ500キロカロリー食べるなら、ポテトよりもフローズンヨーグルト(ノンファット)の方がインスリン分泌を低く抑えられることがわかるでしょう。
ここで僕がお勧めする、脂肪の量を低く抑えながら筋肉を発達させるための次なる栄養学的ステップは、食べる炭水化物の質を変え、余分なインスリンの分泌、そして脂肪の蓄積を防ぐことです。以下の指数表を見てください。食品についている値が大きいほど、インスリンの分泌量も多くなります。値が小さければ、インスリンの分泌量も少なくなります。
筋発達のために必要なだけカロリーは取りたいが、脂肪はそれほどつけたくないというボディビルダーは、グリセミック指数が50以下の炭水化物を食べるようにするとよいでしょう。指数表を見れば、同じ500キロカロリー食べるなら、ポテトよりもフローズンヨーグルト(ノンファット)の方がインスリン分泌を低く抑えられることがわかるでしょう。
一般的な食品のグリセミック指数
インスリンを早く分泌させるグループ
◆100%
・パフライス
・ライスケーキ
・パフウィート
・麦芽糖
・朝食シリアル
・ブドウ糖
・ホワイトブレッド
・ウィートブレッド
◆90~100%
・ニンジン
・ポテト
・サトウニンジン(セリ科の植物)
◆80~90%
・ロールオーツ(インスタント)
・ライスクリーム
・インスタントグリッツ
・オートブラン
・マッシュポテト(インスタント)
・ポテト
・コーン
・はちみつ
・白米
・玄米
・バナナ
◆70~79%
・オールブランシリアル
・インゲンマメ
インスリンを適度に分泌させるグループ
◆60~69%
・レーズン
・マーズバー
・スパゲティー(ホワイト&ウィート)
・ピントビーンズ
・マカロニ
・ガルバンゾビーンズ
・ビート
◆50~59%
・エンドウマメ
・ショ糖
・ポテトチップ
・リンゴ
・オレンジ
・ヤム
◆40~49%
・白インゲンマメ
・ブドウ
・ライ麦パン
・スポンジケーキ
・オートミール
・スイートポテト
・オレンジジュース
インスリンの分泌を低く抑えるグループ
◆30~39%
・ササゲマメ
・ヒヨコマメ
・ナシ
・アイスクリーム
・ミルク(無脂肪乳および普通乳)
・ヨーグルト
・ソラマメ
・フローズンヨーグルト
・トマトスープ
◆10~29%
・ヒラマメ
・果糖
・プラム
・モモ
・グレープフルーツ
・チェリー
◆10~19%
・ダイズ
・ピーナッツ
インスリンを早く分泌させるグループ
◆100%
・パフライス
・ライスケーキ
・パフウィート
・麦芽糖
・朝食シリアル
・ブドウ糖
・ホワイトブレッド
・ウィートブレッド
◆90~100%
・ニンジン
・ポテト
・サトウニンジン(セリ科の植物)
◆80~90%
・ロールオーツ(インスタント)
・ライスクリーム
・インスタントグリッツ
・オートブラン
・マッシュポテト(インスタント)
・ポテト
・コーン
・はちみつ
・白米
・玄米
・バナナ
◆70~79%
・オールブランシリアル
・インゲンマメ
インスリンを適度に分泌させるグループ
◆60~69%
・レーズン
・マーズバー
・スパゲティー(ホワイト&ウィート)
・ピントビーンズ
・マカロニ
・ガルバンゾビーンズ
・ビート
◆50~59%
・エンドウマメ
・ショ糖
・ポテトチップ
・リンゴ
・オレンジ
・ヤム
◆40~49%
・白インゲンマメ
・ブドウ
・ライ麦パン
・スポンジケーキ
・オートミール
・スイートポテト
・オレンジジュース
インスリンの分泌を低く抑えるグループ
◆30~39%
・ササゲマメ
・ヒヨコマメ
・ナシ
・アイスクリーム
・ミルク(無脂肪乳および普通乳)
・ヨーグルト
・ソラマメ
・フローズンヨーグルト
・トマトスープ
◆10~29%
・ヒラマメ
・果糖
・プラム
・モモ
・グレープフルーツ
・チェリー
◆10~19%
・ダイズ
・ピーナッツ
炭水化物の分解に影響を与える要素
炭水化物が分解される速度に影響を与える要素がいくつかあります。まずは、遺伝的要因です。いかに早く炭水化物が分解されようが、その影響を受けない人もいます。
彼らの体は、一日中同じようにインスリンが分泌されるようにできています。豆を食べようが、プラムを食べようが、キャンディーであろうがクッキーであろうが同じことです。これらの人々は、生まれながらにして痩せている場合が多いのです。
それ以外の人は、グリセミック指数の高いものを食べれば脂肪が蓄積するでしょうし、急激な血糖値上昇に続いて起こる血糖値の急降下によって気分が悪くなったり、だるさを感じたりすることがあるでしょう。そんな人にとって、グリセミック指数の低い食品を食べることは効果的です。逆に、脂肪が少なく、痩せ気味の人は、グリセミック指数の低いものから高いものを取るように切り替えることができます。
痩せている人は、体脂肪が少ないために、いくら炭水化物を取っても常に分泌されるインスリンの量は少ないものです。反対に、脂肪の量が多いと、大量のインスリンを分泌するよう、すい臓が刺激されるのです。今述べたこと以外に、炭水化物が分解されるスピードに影響を与える要素について説明しておきましょう。
①食べる速さ
急いで食べた場合は普通、食物は早く分解されます。ですから、食べるのが遅い人はインスリンの分泌量が少ないはずです。
②食物繊維
食物繊維は、炭水化物の分解を遅らせます。血中へのグルコースの侵入を遅らせるからです。またそれは、筋肉におけるインスリン受容器官の感度を高めるので、グルコースが筋肉細胞に取り込まれやすくなります。
もし筋肉の受容器官の感度が低ければ、同じだけのグルコースを筋肉内へ取り込むために、すい臓から分泌されるインスリンの量が増えるでしょう。ですから、一般的に言われている炭水化物のグリセミック指数が変わってくるのです。
③脂肪とタンパク質
脂肪とタンパク質は、胃の中での消化を遅らせます。ですから、炭水化物が血中に入るのを遅らせることができるのです。
④食品の分子構造
炭水化物を選ぶという事は、単に“単純炭水化物”“複合炭水化物”というふたつのグループに分けるよりも複雑なことです。食品自体の構造、組成よって、スターチ(デンプン/グルコースがつながった長いチェーン)が分解される早さが異なるからです。たとえば、デンプン質の炭水化物であるポテトの指数を見てください。
インスリンの分泌をコントロールすること、つまり高低のある散発的な分泌ではなく、平均的にコンスタントに分泌させることは、脂肪を増やさずに筋肉を増やすことに繋がります。適度でコンスタントなインスリンの分泌はまた、成長ホルモンの分泌を促進します。逆に、高レベルのインスリンは成長ホルモンの分泌を抑えてしまうのです。
これらのことをよく踏まえて、炭水化物の取り方を考えてみましょう。
果汁の指数
◆高いもの
・バナナ
◆中ぐらいのもの
・レーズン
・ナシ
・オレンジ
・リンゴ
・ぶどう
◆低いもの
・モモ
・プラム
・チェリー
・グレープフルーツ
彼らの体は、一日中同じようにインスリンが分泌されるようにできています。豆を食べようが、プラムを食べようが、キャンディーであろうがクッキーであろうが同じことです。これらの人々は、生まれながらにして痩せている場合が多いのです。
それ以外の人は、グリセミック指数の高いものを食べれば脂肪が蓄積するでしょうし、急激な血糖値上昇に続いて起こる血糖値の急降下によって気分が悪くなったり、だるさを感じたりすることがあるでしょう。そんな人にとって、グリセミック指数の低い食品を食べることは効果的です。逆に、脂肪が少なく、痩せ気味の人は、グリセミック指数の低いものから高いものを取るように切り替えることができます。
痩せている人は、体脂肪が少ないために、いくら炭水化物を取っても常に分泌されるインスリンの量は少ないものです。反対に、脂肪の量が多いと、大量のインスリンを分泌するよう、すい臓が刺激されるのです。今述べたこと以外に、炭水化物が分解されるスピードに影響を与える要素について説明しておきましょう。
①食べる速さ
急いで食べた場合は普通、食物は早く分解されます。ですから、食べるのが遅い人はインスリンの分泌量が少ないはずです。
②食物繊維
食物繊維は、炭水化物の分解を遅らせます。血中へのグルコースの侵入を遅らせるからです。またそれは、筋肉におけるインスリン受容器官の感度を高めるので、グルコースが筋肉細胞に取り込まれやすくなります。
もし筋肉の受容器官の感度が低ければ、同じだけのグルコースを筋肉内へ取り込むために、すい臓から分泌されるインスリンの量が増えるでしょう。ですから、一般的に言われている炭水化物のグリセミック指数が変わってくるのです。
③脂肪とタンパク質
脂肪とタンパク質は、胃の中での消化を遅らせます。ですから、炭水化物が血中に入るのを遅らせることができるのです。
④食品の分子構造
炭水化物を選ぶという事は、単に“単純炭水化物”“複合炭水化物”というふたつのグループに分けるよりも複雑なことです。食品自体の構造、組成よって、スターチ(デンプン/グルコースがつながった長いチェーン)が分解される早さが異なるからです。たとえば、デンプン質の炭水化物であるポテトの指数を見てください。
インスリンの分泌をコントロールすること、つまり高低のある散発的な分泌ではなく、平均的にコンスタントに分泌させることは、脂肪を増やさずに筋肉を増やすことに繋がります。適度でコンスタントなインスリンの分泌はまた、成長ホルモンの分泌を促進します。逆に、高レベルのインスリンは成長ホルモンの分泌を抑えてしまうのです。
これらのことをよく踏まえて、炭水化物の取り方を考えてみましょう。
果汁の指数
◆高いもの
・バナナ
◆中ぐらいのもの
・レーズン
・ナシ
・オレンジ
・リンゴ
・ぶどう
◆低いもの
・モモ
・プラム
・チェリー
・グレープフルーツ