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凝固因子としてのカルシウムイオン

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掲載日:2020.07.02
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怪我をして出血すると、血が止まります。このときは最初に血小板が集まってきます。血管壁の傷を修復するために、血小板が応急処置をするのです。

次に「フィブリン」という物質が血小板と絡み合って、血液が凝固します。この反応を「凝固系」と呼びます。凝固系には「凝固因子」が必要となります。カルシウムイオンも凝固因子の一つで、これがないとフィブリンをつくることができず、血液が凝固できません。

カルシウム濃度とホルモンの関係

カルシウムは小腸で吸収されます。小腸上部では活性型ビタミンDの作用により吸収され、小腸下部では濃度差によって受動的に吸収されます。つまりビタミンDの摂取が多いと吸収率は高まります。

血液中のカルシウムは2.5mMに厳密に保たれています。カルシウム濃度が低下するとパラソルモン(副甲状腺ホルモン)が分泌され、骨からカルシウムを溶出させてカルシウム濃度を高めようとします。
またパラソルモンは腎臓における活性型ビタミンDの合成を高め、小腸におけるカルシウム吸収を促進します。逆にカルシウム濃度が高くなると、甲状腺からカルシトニンが分泌されます。これは破骨細胞にあるカルシトニン受容体に結合して骨からのカルシウム放出を抑制し、骨へのカルシウムとリン酸の沈着を促進します。

なお女性ホルモン(エストロゲン)には、パラソルモンを抑制する作用があります。
女性が閉経を迎えると女性ホルモンのレベルが低下するため、パラソルモンを抑制できなくなります。すると骨からのカルシウム溶出が増え、骨粗しょう症になりやすくなるのです。女性のマラソンランナーなどで極端なトレーニングや減量で無月経になるような人がいますが、このような場合は骨が極端に弱くなっていると思われます。
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]