亜鉛とその作用③
掲載日:2020.09.17
ハゲを予防する?
テストステロンは5αリダクターゼという酵素によって、DHTという活性型テストステロンに変換されます。DHTにはやる気を出したり性欲を高めたり、筋力を増やしたりといった作用があるのですが、これがハゲの原因になっているという説があります。
亜鉛は5αリダクターゼの活性を低下させる可能性があり(※52,※53)、DHTを減らすと言われます。アゼライン酸とビタミンB6を亜鉛と同時に摂取したところ、皮膚の5αリダクターゼを減らすことができたというinvitroでの報告があるため、このスタックの塗り薬がハゲの治療に使われています。(※54)
亜鉛は5αリダクターゼの活性を低下させる可能性があり(※52,※53)、DHTを減らすと言われます。アゼライン酸とビタミンB6を亜鉛と同時に摂取したところ、皮膚の5αリダクターゼを減らすことができたというinvitroでの報告があるため、このスタックの塗り薬がハゲの治療に使われています。(※54)
うつ傾向を改善する
うつ傾向のある患者に亜鉛元素として30mgを12週間に渡って投与したところ、うつが改善されて神経成長因子(BDNF)が増加しました。(※55)
またSSRIと同時に亜鉛元素を25mg、12週間に渡って投与したところ、SSRI単独投与に比べて鬱傾向を大きく改善しました。(※56)
またSSRIと同時に亜鉛元素を25mg、12週間に渡って投与したところ、SSRI単独投与に比べて鬱傾向を大きく改善しました。(※56)
子供の成長を促進?
亜鉛が不足していない8~9歳の子供に一日10mgの亜鉛を摂取させたところ、IGF-1やIGFBP3、オステオカルシンが上昇しています。
これは子供の成長を促進する可能性があります。(※57)また6~9歳の子供に一日5mgの亜鉛を摂取させたところ、認知機能が上昇する可能性が示唆されています。(※58)
これは子供の成長を促進する可能性があります。(※57)また6~9歳の子供に一日5mgの亜鉛を摂取させたところ、認知機能が上昇する可能性が示唆されています。(※58)
摂取量は?
一日50mgの亜鉛を摂取するとかえってSOD活性が低下したり、コレステロールが高くなったりするという報告(※59)や、一日100mg以上の亜鉛をサプリメントで長期摂取すると前立腺がんのリスクが高くなったという報告(※60)もあるため、長期に渡る大量摂取は考えものです。
ただしここで〇〇mg、と書いてあるのは全て亜鉛元素としての摂取量でのことです。クエン酸亜鉛は34%が亜鉛元素、硫化亜鉛は22%が亜鉛元素、グルコン酸亜鉛は13%が亜鉛元素、モノメチオニン亜鉛は21%が亜鉛元素です。
ですので「体重1kgあたり3mgの硫化亜鉛」という場合、体重が80kgだったら240mgの硫化亜鉛で、かなり大量のように思われますが、亜鉛元素としては53mg程度ということになります。一時的にテストステロンを増やしたいときに、数週間だけこれくらいの量を摂取するのであれば、そう問題はないはずです。
また亜鉛を大量摂取する場合、銅とのバランスが重要になります。一般的には「亜鉛:銅=10:1」で摂取すべしとされており、サプリメントもこのバランスで含まれているものが多くあります。
毎日摂取する場合、亜鉛元素として一日に20~30mg程度になるようにし、銅を2~3mgという感じでいいでしょう。吸収率としてはモノメチオニン亜鉛(OptiZinc)が高く、この場合はOptiZincとして150mg摂取すると亜鉛元素として31.5mgになります。
ただしここで〇〇mg、と書いてあるのは全て亜鉛元素としての摂取量でのことです。クエン酸亜鉛は34%が亜鉛元素、硫化亜鉛は22%が亜鉛元素、グルコン酸亜鉛は13%が亜鉛元素、モノメチオニン亜鉛は21%が亜鉛元素です。
ですので「体重1kgあたり3mgの硫化亜鉛」という場合、体重が80kgだったら240mgの硫化亜鉛で、かなり大量のように思われますが、亜鉛元素としては53mg程度ということになります。一時的にテストステロンを増やしたいときに、数週間だけこれくらいの量を摂取するのであれば、そう問題はないはずです。
また亜鉛を大量摂取する場合、銅とのバランスが重要になります。一般的には「亜鉛:銅=10:1」で摂取すべしとされており、サプリメントもこのバランスで含まれているものが多くあります。
毎日摂取する場合、亜鉛元素として一日に20~30mg程度になるようにし、銅を2~3mgという感じでいいでしょう。吸収率としてはモノメチオニン亜鉛(OptiZinc)が高く、この場合はOptiZincとして150mg摂取すると亜鉛元素として31.5mgになります。
※55: Zinc monotherapy increases serum brain-derived neurotrophic factor (BDNF) levels and decreases depressive symptoms in overweight or obese subjects: a double-blind, randomized, placebo-controlled trial.
Nutr Neurosci. 2015 May; 18( 4): 162-8. doi: 10. 1179/ 1476830513 Y. 0000000105. Epub 2014 Jan 7.
※56: Effects of zinc supplementation on efficacy of antidepressant therapy, inflammatory cytokines, and brain-derived brain-derived neurotrophic factor in patients with major depression. Nutr Neurosci. 2014 Feb; 17( 2): 65-71.doi: 10. 1179/ 1476830513 Y. 0000000066. Epub 2013 Nov 26.
※57: Effect of Zinc Supplementation on GH, IGF 1, IGFBP 3, OCN, and ALP in Non-Zinc-Deficient Children.
J Am Coll Nutr. 2015; 34( 4): 290-9. doi: 10. 1080/ 07315724. 2014. 929511. Epub 2015 Mar 11.
※58: Oral zinc supplementation may improve cognitive function in schoolchildren. Biol Trace Elem Res. 2013 Oct; 155( 1): 23-8. doi:10. 1007/ s 12011-013-9766-9. Epub 2013 Jul 28.
※59 [Effects of high level Zn intake on metabolism in man]. Wei Sheng Yan Jiu. 2004 Nov; 33( 6): 727-31.
※60: Zinc supplement use and risk of prostate cancer. J Natl Cancer Inst. 2003 Jul 2; 95( 13): 1004-7.
Nutr Neurosci. 2015 May; 18( 4): 162-8. doi: 10. 1179/ 1476830513 Y. 0000000105. Epub 2014 Jan 7.
※56: Effects of zinc supplementation on efficacy of antidepressant therapy, inflammatory cytokines, and brain-derived brain-derived neurotrophic factor in patients with major depression. Nutr Neurosci. 2014 Feb; 17( 2): 65-71.doi: 10. 1179/ 1476830513 Y. 0000000066. Epub 2013 Nov 26.
※57: Effect of Zinc Supplementation on GH, IGF 1, IGFBP 3, OCN, and ALP in Non-Zinc-Deficient Children.
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※58: Oral zinc supplementation may improve cognitive function in schoolchildren. Biol Trace Elem Res. 2013 Oct; 155( 1): 23-8. doi:10. 1007/ s 12011-013-9766-9. Epub 2013 Jul 28.
※59 [Effects of high level Zn intake on metabolism in man]. Wei Sheng Yan Jiu. 2004 Nov; 33( 6): 727-31.
※60: Zinc supplement use and risk of prostate cancer. J Natl Cancer Inst. 2003 Jul 2; 95( 13): 1004-7.
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