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山岸秀匡 トレーニングセミナー in ミッドブレス初台 レポート

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掲載日:2016.12.02
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2016年11月19日に開催された「NPCJ WORLD LEGENDS CLASSIC」に伴い来日したIFBBプロ・ボディビルダーの山岸秀匡氏とアイリス・カイル氏。山岸氏は同大会にてヘッドジャッジを務め、アイリス氏もまたジャッジに参加。大会の最後には両氏がゲストポーザーとしてポージングを披露した後に客席に降り立ち、熱い声援を浴びた。

翌日からは国内3箇所並びに台湾をツアーし、各地でセミナーを開催。今回は初日である11月20日にミッドブレス初台にて開催されたセミナーの模様をお伝えする。

まずは、山岸氏とアイリス氏のプロフィールをおさらいしておこう。
山岸秀匡氏 (撮影: 浅井由弦)

山岸秀匡氏 (撮影: 浅井由弦)

山岸秀匡 プロフィール
山岸 秀匡(やまぎし ひでただ、 1973年6月30日 - )は、北海道帯広市出身のボディビルダー。2016年現在、現役男子日本人選手では唯一のIFBBプロ・ボディービルダーである。
2016年 IFBBアーノルドクラシック 優勝

Wikipediaより引用

アイリス・カイル氏 (撮影: 浅井由弦)

アイリス・カイル氏 (撮影: 浅井由弦)

アイリス・カイル プロフィール
Iris Floyd Kyle (1974年8月22日生まれ)はアメリカの女性・プロボディビルのチャンピオンである。現在彼女はテキサス州ケイティ―市に暮らしている。
現在、彼女は男女問わず最も成功したプロ・ボディビルダーであり、ミスオリンピアのオーバーオールで10回の優勝、ヘビー級で2回の優勝、ミス・インターナショナルで7回の優勝、ヘビー級で1回の優勝をしている。IFBB プロ・女性ボディビルのランキングにて最も優れた女性ボディビルダーとして君臨している。

Wikipediaより引用、拙訳

ミッドブレス初台代表・堺部元行氏

ミッドブレス初台代表・堺部元行氏

前日のWORLD LEGENDS CLASSICに引き続き、本セミナーではミッドブレス初台の代表である堺部元行氏が司会を務めた。

山岸氏は前日のWORLD LEGENDS CLASSICを振り返り、「ハイレベルなショーだった」「日本のボディビル、フィジークのレベルは高い」と絶賛。アイリス氏もまた「実力が拮抗していた」「観客、選手の熱気・パッション(情熱)に感銘を受けた」と大会への賛辞を送り、さらに初めてとなる日本での「温かいホスピタリティに感謝している」と謝意を述べた。

当日の昼にも甘味を堪能していたというアイリス氏へ地域の銘菓を差し入れるよう呼びかける堺部氏の声に会場は笑いに包まれ、セミナーは和やかな雰囲気でスタートした。

選手としてのモチベーション

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まずは堺部氏からの山岸氏への問いかけでセミナーはスタート。昨年の同じ場で宣言した「アーノルドクラシックで必ず優勝して戻ってくる」という言葉を有言実行に移した勝利の秘訣、また来年へ向けてのモチベーションとコンディションの調整についての質問であった。

第一線で活躍する山岸氏の調整の内容、オリンピアの結果で味わった失望感からどのように立ち直ったかという心情も交えて語られたその回答に参加者はじっと聞き入っていた。

続けて、アイリス氏がどのようにボディビルの世界へ踏み込んだかという話、自身のモチベーションを語った。話はさらに内面へ踏み込んで、いかにしてネガティブな意見に左右されずポジティブな結果を出すためのプロセスを踏むかという事柄についても言及された。尚、アイリス氏の言葉はときに自身の言葉による解説を交えながら山岸氏が参加者へ伝える形で進行した。

このとき山岸氏は「日本の皆さんのために勝たなくちゃいけない」と思ったことを語り、またアイリス氏も「モチベーションはみなさんの存在」であると語った。選手にとって観客の応援がいかに大きなものであるかということが印象に残った。

山岸氏、アイリス氏のトレーニングについて

次のトピックは、トレーニングの内容について。「初心者であれば日々同じトレーニングを続行していても筋肉はついてくる。」「ベテランだからこそ、進歩するために何が必要か」という話は、世界で活躍する山岸氏ならではの重みを伴って参加者に響いたのではなかろうか。
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続けてアイリス氏は、フォームがいかに重要であるかという話をトレーニングパートナーである山岸氏と共に身振りを交えてトレーニング動作を説明。参加者にしてみれば、両氏がトレーニングでどのように協力しているかを垣間見ることのできる貴重な姿であっただろう。さらに一週間のルーチンに触れながら、具体的なセット数まで解説。

このときアイリス氏がトレーニングについて「ベンチプレスを何キロ挙げられるかという質問はナンセンスです」と、扱う重量ではなく如何に筋肉に利かせるかということ、そして怪我をしないことの重要性を強調していたのが印象的だった。

そこから話題は、山岸氏がジムへ行くたびに20分かけて行うという「準備運動」の具体的な内容について。そのハードな内容に会場は驚きに包まれたが、最初の頃は「死ぬんじゃないかと思った」という山岸氏の言葉に会場からは笑いが漏れる。

競技と仕事を両立している両氏の、1日のルーチン

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次に食事とサプリメントの種類、摂取するタイミングを含めた1日のルーチンについての解説がされた。プロテインバー&サプリメントショップ「BODICAFE」のオーナーでもある両氏がどのような一日を送っているかという踏み込んだ話は、仕事とトレーニングを日々両立している参加者にとって大いに参考になったのではなかろうか。ここではチキンのおすすめの調理法から、なんとBODICAFEで実際に提供しているというドリンク「Ms.Olympia」のレシピまで公開。

自身の身体を作り上げる材料でもある食事。その重要性が、山岸氏の「食べ物は楽しんで食べないとダメですね」という言葉に集約されているようにも思えた。

質疑応答・怪我について

その後、参加者からの質問に回答する時間が設けられた。両氏はひとつひとつの質問に対し丁寧に答えていたが、筆者にとってとりわけ印象的だったのは「怪我をしたときのトレーニング」についての話題であった。ハードなトレーニングをしているアスリートにとって、怪我をしてしまう可能性は避けられない問題である。

山岸氏は自身が悩まされた肘の痛みを引き合いに出しながら「怪我の前には必ず体に違和感がある。2~3週間休んでも筋肉は小さくなるわけではない。仮に小さくなったとしても、トレーニングを再開すればマッスルメモリーによって元に戻る。休むことを恐れてはいけない。」と話した。アイリス氏もまた「自分の身体に耳を傾ける」ようにアドバイスしていた。

トレーニングを継続していくためにこそ休む勇気も必要なのだと強く感じた。

山岸氏、アイリス氏の今後の目標

セミナーの最後には両氏の今後についての目標、意気込みが語られた。
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「BODICAFEをもう一店舗オープンしたい」というアイリス氏。自身が試行錯誤し、過程を踏んで積み上げてきた知識と経験を、時間の無駄を省いた形で選手へ伝えられる場所としてBODICAFEは存在しているという。
「これからトレーニングをする人々や現在競技に出ている選手をサポートしたい」
と後進の育成を進めていく考えを示しながらも、選手としての自分自身についても「引退したわけではない」と語り、今後コンテストに出場する可能性があることを示唆した。
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そして「常にこれが最後という気持ちで」コンテストに挑んでいるという山岸氏は、「アーノルド2連覇」そして「やっぱりオリンピアを獲りたい」と強調した上で
「自分が満足できる体で臨むことが一番で、それで優勝できれば最高ですね」
と、思いを力強く口にした。
日本人唯一のIFBBプロ・ボディビルダーとして世界を舞台に戦う山岸氏、山岸氏のトレーニングパートナーであると同時に世界で最も成功しているボディビルダーであるアイリス・カイル氏。この日、両者が包み隠さず語った貴重な内容は参加者にとって大きな収穫であったことだろう。また、終始和やかな雰囲気で進行したことも非常に印象的だった。

来年再び山岸氏が栄冠を手に凱旋することを心から願っている。そして今回参加できなかった読者の方々には、またこのような機会が開催された折には、ぜひとも参加されることをおすすめしたい。
  • 山岸 秀匡 (やまぎし ひでただ)
    IFBB Professional Bodybuilder
    誕生日:1973年6月30日

    <主な戦績>
    2016年 IFBBアーノルドクラシック 優勝
    2015年 IFBBミスター・オリンピア212 3位
    2014年 IFBBミスター・オリンピア212 4位
    2014年 IFBBタンパプロ212 1位
    2013年 IFBBアーノルドクラシック 5位
    2012年 IFBBミスター・オリンピア 15位
    2011年 IFBBミスター・オリンピア 10位
    2010年 IFBBミスター・オリンピア 10位
    2010年 EUROPA SHOW OF CHAMPIONS - ORLAND 優勝
    2009年 IFBBミスター・オリンピア 9位
    2009年 Atlantic City Pro 2位
    2008年 Atlantic City Pro 8位
    2007年 IFBBミスター・オリンピア 13位
    2007年 IFBBオーストラリア・プロ 5位
    2007年 アーノルドクラシック大会 招待選手として出場
    2007年 IFBBサンフランシスコ・サクラメント・プロ 3位
    2007年 Atlantic City Pro 9位
    2007年 IFBBアイアンマン・プロ 7位
    2006年 IFBBオランダ・グランプリ 4位
    2006年 IFBBルーマニア・グランプリ 6位
    2006年 IFBBオーストリアメンズプロ・グランプリ 12位
    2006年 IFBBスペイン・サンタスザンナ・プロ 出場
    2006年 IFBBサンフランシスコ・プロ・インヴィテイショナル 11位(プロ転向後初の入賞)
    2002年 IFBBミスター・ユニバース(ウェルター級)10位
    2002年 男子日本ボディビル選手権 3位
    2001年 男子日本ボディビル選手権 2位
    2001年 IFBBミスター・アジア80kg以下級(ライト・ミドル級)優勝
    2000年 IFBBミスター・ユニバース(ウェルター級)6位
    2000年 男子日本ボディビル選手権(ミスター日本)3位
    1999年 IFBBミスター・アジア(ライト・ミドル級)4位
    1998年 ジャパン・オープン選手権(ミドル級)優勝

  • Iris Kyle (アイリス カイル)
    IFBB Professional Bodybuilder
    誕生日:1974年8月22日

    <主な戦績>
    2014 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2013 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2013 IFBB Ms. International – 1st
    2012 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2011 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2011 IFBB Ms. International – 1st
    2010 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2010 IFBB Ms. International – 1st
    2009 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2009 IFBB Ms. International – 1st
    2008 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2008 IFBB Ms. International – 7th
    2007 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2007 IFBB Ms. International – 1st
    2006 IFBB Ms. Olympia – 1st
    2006 IFBB Ms. International – 1st
    2005 IFBB Ms. Olympia – 2nd
    2004 IFBB Ms. Olympia – 1st (HW and Overall)
    2004 IFBB Ms. International – 1st (HW and Overall)
    2003 IFBB Ms. Olympia – 2nd (HW)
    2002 IFBB GNC Show of Strength – 2nd (HW)
    2002 IFBB Ms. Olympia – 2nd (HW)
    2002 IFBB Ms. International – 2nd (HW)
    2001 IFBB Ms. Olympia – 1st (HW)
    2001 IFBB Ms. International – 2nd (HW)
    2000 IFBB Ms. Olympia – 5th (HW)
    2000 IFBB Ms. International – 3rd (HW) (Later disqualified)
    1999 IFBB Ms. Olympia – 4th
    1999 IFBB Pro World Championship – 2nd
    1999 IFBB Ms. International – 15th
    1998 NPC USA Championships – 1st (HW and Overall)
    1997 NPC Nationals – 4th (HW)
    1997 NPC USA Championships – 3rd (HW)
    1996 NPC USA Championships – 2nd
    1996 NPC California – 1st (HW and Overall)
    1996 NPC Orange County Muscle Classic – 1st (HW and Overall)
    1994 NPC Ironmaiden Championships – 2nd (MW)
    1994 NPC Long Beach Muscle Classic – 1st