【スポットライト】~今年は日本選手権1本に集中し、いつか決勝に残るのが目標です~加賀義和
加賀義和(かが・よしかず)
1972年10月13日生まれ 42歳 千葉出身
身長164cm、体重オフ79kg・オン70.5kg
血液型:O型/職業:スポーツインストラクター/趣味:ショッピング
トレーニング歴:11年/コンテスト歴:4年目
ゴールドジムイースト東京所属
初タイトル:12年東京オープン70kg級優勝text & photo:Mayuko Satoh撮影協力:ゴールドジム幕張アネックス衣装提供:LA ニュートリション(1 protein.com)[ 月刊ボディビルディング 2015年6月号 ]
掲載日:2017.06.02
2012年がコンテスト・デビューとなった加賀義和選手の3年目のシーズンは、今後の躍進を期待されるものだった。2014東京ボディビル選手権優勝。さらに、大阪で開催された日本ボディビル選手権ではファイナリストにこそ届かなかったが、そうそうたるメンバーに伍して正々堂々、戦う経験をした。「日本選手権は、僕にとって夢見る場でした。舞台に立っていることが不思議でしたね」と話す。
そのシーズンから半年が過ぎた頃、「目立つことは好きではない」という、堅実で沈着冷静とも見える加賀選手に今年の展望などを聞いた。
そのシーズンから半年が過ぎた頃、「目立つことは好きではない」という、堅実で沈着冷静とも見える加賀選手に今年の展望などを聞いた。
――キャリアが浅いにもかかわらず大活躍ですね。
加賀 (笑)いや、2014年の昨シーズン、じつは当初、ミスター関東大会に出場するために調整をしていたんですよ。ですので、減量もそれを目標にしていました。具体的には、関東大会の20週間前から減量を始めていました。結局、ミスター東京1本に照準を絞ったわけですが、結果的に早めに減量に入れていたのが功を奏した感じでしたね。無理なくストレスなくいい状態にもっていけたのです。僕はだいたいコンテストの1か月前には8~9割仕上がるようにダイエットをしています。
――コンテスト当日、緊張はしましたか?
加賀 それが、僕はわりとステージに上がると緊張しない方なんですよ。たとえばデビューの年となった2012年も、東京クラス別に合わせていましたが、その前に腕試しに、ということで東京オープンにも出場したんです。トレーニングが充実してきていて、僕が弱点としている脚の強化も普通にできていたので、「出るなら今がチャンスかもしれない」と思いました。初参戦でしたが、わりと冷静にいられました。減量中には不安になったり、ネガティブになったりもあるのですが……。
――本番になったら変わっちゃう?
加賀 バックステージでパンプをはじめると、言い方は適切でないかもしれませんが、〝戦闘モード〟になって自分を盛り上がることができます。ステージにあがったら強い気持ちで臨むことができます。試合のときは応援にきてくれる人がメールをくれたりしますので、ほっとできるときがあります。また、トレーナーさんがいつもポジティブに「大丈夫だ」と言ってくれますので安心できます。ナーバスになったり不安になったりしたときに「大丈夫」と背中を押して下さいますね。隣で励ましてくれると、気持ちは集中しているものの、心が豊かというか楽しい気持ちになるのでありがたいです。2012年に東京オープンに出場するときからお願いしているトレーナーさんです。しっかり僕を見て道筋をつくっていただいていますね。
──加賀さんのトレーニングとの出会いはどのようなものでした?
加賀 トレーニング歴は11年と長いです。もともと水泳選手で、就職したときも、水泳の楽しさを教えたいと思ってスポーツインストラクターの道を選びました。最初は水泳コーチだけをしていましたが、異動になった部署に、トレーニング室もあり、そこも教えなければならなくなりました。当初55㎏しかなかったのですが、トレーニングを始めたことでぐんぐん体重が増え、思わぬところからトレーニングにはまってしまいました。
──それでもボディビルコンテストに出場するのはずっと後になりましたね。
加賀 そうですね。昔からスキーが好きだったんですが、30歳のときにモーグルスキーに出会って、冬場はいつも仕事が休みの日には山に籠る生活をしていました。シーズンが終わるのが5月なので、ボディビルコンテストに出場するための減量の時期に重なります。モーグルスキーに打ち込んでいた6年間はコンテスト出場は考えられなかったんです。それほどトレーニングが充実してできているわけでもなかったので、まだ一歩を踏み出す時期ではなかったんですね。
──モーグルスキーも激しいスポーツですよね。
加賀 はい。モーグルはこぶを滑ってくるので無酸素運動が多いんですよ。普通のスキーとは違って細かく身体を動かすことが特長です。息もあがるし、かなり強度の高い運動になります。36歳までやっていました。
──そうですか。モーグルスキーをやめた後に、ボディビルコンテストへの出場が始まったわけですね。
加賀 今はボディビル一筋ですね。もともと、ボディビルダーの身体への憧れはずっとありました。後輩が出場しているコンテストなどに応援にも行っていましたしね。トップレベルの方たちの身体はすごいと思って、ミスター東京は見に行っていましたよ。機会があったら自分も出てみたいとは思っていたんですよね。身体を絞ってステージに出てみたら、どんなふうになるのか。自分の身体を客観的に見てみたいと思ったんです。実際見る身体とステージ上の身体は違うと思いますので、見てみたかったということがあります。
──ここ1年間で、ぐっとレベルアップした秘訣というか、工夫した点はありますか?
加賀 トレーニングパートナーの存在が大きいかもしれませんね。2014年2月頃、「トレーニングがマンネリ化してきているので一緒にやりませんか」と言ってきてくれた人がいました。コンテストビルダーではなく、僕より6つ年上の方なのですが、トレーニングする時間帯が同じでした。僕は朝7時からトレーニングをしていましたが、同じ時間帯にいらっしゃっていた店舗経営者の方です。ものは試しで「1週間だけやってみましょうか」となって、やってみたのですがこれが良かった。トレーニング後のぐったり感がすごくて、1週間やってみて感じが良かったので続けてやっていくようになったんです。以後、1年間パートナーがついたことで充実して自分を追い込めるようになっていきました。そういった意味でも充実感があって結果につながっていった気がします。
──パートナーとは、どのようなやり方をするのですが?
加賀 種目によってですが、交代でセットごとに補助しあったり、僕はドロップセットを多用するのですが、ウェイトの付け外しをパートナーの方にお願いするなど、サポートしあっています。自分でも人とやるのがこんなに良いのか、と驚きましたね。相手は、体重が100キロ近くあって大きいんです。力もありますし、とくに似たような力の差なので競り合い感があり、互いに相手より1レップ多くといった感じです。コンテストには出たことがないそうですが、遠藤ジムとかで昔の外人のビルダーのことなどもよく知っていて、ボディビル系の情報は通な方ですよ。トレーニングパートナーがいてくれると、朝、身体がだるいと思っても、一緒にトレーニングをしているうちに調子が上がってきて、うまくできることがよくあります。
加賀 (笑)いや、2014年の昨シーズン、じつは当初、ミスター関東大会に出場するために調整をしていたんですよ。ですので、減量もそれを目標にしていました。具体的には、関東大会の20週間前から減量を始めていました。結局、ミスター東京1本に照準を絞ったわけですが、結果的に早めに減量に入れていたのが功を奏した感じでしたね。無理なくストレスなくいい状態にもっていけたのです。僕はだいたいコンテストの1か月前には8~9割仕上がるようにダイエットをしています。
――コンテスト当日、緊張はしましたか?
加賀 それが、僕はわりとステージに上がると緊張しない方なんですよ。たとえばデビューの年となった2012年も、東京クラス別に合わせていましたが、その前に腕試しに、ということで東京オープンにも出場したんです。トレーニングが充実してきていて、僕が弱点としている脚の強化も普通にできていたので、「出るなら今がチャンスかもしれない」と思いました。初参戦でしたが、わりと冷静にいられました。減量中には不安になったり、ネガティブになったりもあるのですが……。
――本番になったら変わっちゃう?
加賀 バックステージでパンプをはじめると、言い方は適切でないかもしれませんが、〝戦闘モード〟になって自分を盛り上がることができます。ステージにあがったら強い気持ちで臨むことができます。試合のときは応援にきてくれる人がメールをくれたりしますので、ほっとできるときがあります。また、トレーナーさんがいつもポジティブに「大丈夫だ」と言ってくれますので安心できます。ナーバスになったり不安になったりしたときに「大丈夫」と背中を押して下さいますね。隣で励ましてくれると、気持ちは集中しているものの、心が豊かというか楽しい気持ちになるのでありがたいです。2012年に東京オープンに出場するときからお願いしているトレーナーさんです。しっかり僕を見て道筋をつくっていただいていますね。
──加賀さんのトレーニングとの出会いはどのようなものでした?
加賀 トレーニング歴は11年と長いです。もともと水泳選手で、就職したときも、水泳の楽しさを教えたいと思ってスポーツインストラクターの道を選びました。最初は水泳コーチだけをしていましたが、異動になった部署に、トレーニング室もあり、そこも教えなければならなくなりました。当初55㎏しかなかったのですが、トレーニングを始めたことでぐんぐん体重が増え、思わぬところからトレーニングにはまってしまいました。
──それでもボディビルコンテストに出場するのはずっと後になりましたね。
加賀 そうですね。昔からスキーが好きだったんですが、30歳のときにモーグルスキーに出会って、冬場はいつも仕事が休みの日には山に籠る生活をしていました。シーズンが終わるのが5月なので、ボディビルコンテストに出場するための減量の時期に重なります。モーグルスキーに打ち込んでいた6年間はコンテスト出場は考えられなかったんです。それほどトレーニングが充実してできているわけでもなかったので、まだ一歩を踏み出す時期ではなかったんですね。
──モーグルスキーも激しいスポーツですよね。
加賀 はい。モーグルはこぶを滑ってくるので無酸素運動が多いんですよ。普通のスキーとは違って細かく身体を動かすことが特長です。息もあがるし、かなり強度の高い運動になります。36歳までやっていました。
──そうですか。モーグルスキーをやめた後に、ボディビルコンテストへの出場が始まったわけですね。
加賀 今はボディビル一筋ですね。もともと、ボディビルダーの身体への憧れはずっとありました。後輩が出場しているコンテストなどに応援にも行っていましたしね。トップレベルの方たちの身体はすごいと思って、ミスター東京は見に行っていましたよ。機会があったら自分も出てみたいとは思っていたんですよね。身体を絞ってステージに出てみたら、どんなふうになるのか。自分の身体を客観的に見てみたいと思ったんです。実際見る身体とステージ上の身体は違うと思いますので、見てみたかったということがあります。
──ここ1年間で、ぐっとレベルアップした秘訣というか、工夫した点はありますか?
加賀 トレーニングパートナーの存在が大きいかもしれませんね。2014年2月頃、「トレーニングがマンネリ化してきているので一緒にやりませんか」と言ってきてくれた人がいました。コンテストビルダーではなく、僕より6つ年上の方なのですが、トレーニングする時間帯が同じでした。僕は朝7時からトレーニングをしていましたが、同じ時間帯にいらっしゃっていた店舗経営者の方です。ものは試しで「1週間だけやってみましょうか」となって、やってみたのですがこれが良かった。トレーニング後のぐったり感がすごくて、1週間やってみて感じが良かったので続けてやっていくようになったんです。以後、1年間パートナーがついたことで充実して自分を追い込めるようになっていきました。そういった意味でも充実感があって結果につながっていった気がします。
──パートナーとは、どのようなやり方をするのですが?
加賀 種目によってですが、交代でセットごとに補助しあったり、僕はドロップセットを多用するのですが、ウェイトの付け外しをパートナーの方にお願いするなど、サポートしあっています。自分でも人とやるのがこんなに良いのか、と驚きましたね。相手は、体重が100キロ近くあって大きいんです。力もありますし、とくに似たような力の差なので競り合い感があり、互いに相手より1レップ多くといった感じです。コンテストには出たことがないそうですが、遠藤ジムとかで昔の外人のビルダーのことなどもよく知っていて、ボディビル系の情報は通な方ですよ。トレーニングパートナーがいてくれると、朝、身体がだるいと思っても、一緒にトレーニングをしているうちに調子が上がってきて、うまくできることがよくあります。
大会デビューの12年東京オープン
昨年の関東学生大会でゲストを務める
──トレーニング頻度を教えてください。
加賀 週に7回です。朝、2時間~2時間半取り組みます。それから出勤です。仕事ではプールに入っていることが多いです。僕の場合、トレーニングは、休んだから疲労が抜けるということもなく、朝のトレーニングを毎日したほうが一日の調子がいいのです。朝から夜まで仕事が入っているとき以外は休みません。
トレーニング部位は7つにわけています。1回、5~6種目行います。回数は部位によって違いますね。背中は弱点という意識があるので、とくに2014年10月の全日本が終わってから20~30回が1セットになるようにしています。その他は10回くらいでドロップをかけています。脚も比較的高回数で取り組んでいますね。
――加賀選手はバランスがいいという評価がありますね。
加賀 自分でも驚く評価です。昔から脚の筋肉に自信がなかったんです。コンテストに出る前は、脚のトレーニングは抜いていたくらいです。脚が細くて上体ばかりが目立って、コンテストに出るのをためらっていたのもあるんでしょうね。初出場した1年前から脚のトレーニングもするようになって、出たらそういう評価を頂きました。
──脚のトレーニングですか?
加賀 脚は重要視しています。僕の場合、脚のトレーニングが充実すると他のトレーニングも充実するのです。もちろん、しんどいんですけど、やったという感じがある。下半身は自分の中で重要ポイントです。
――コンテストに出てみて今どう感じていますか?
加賀 出るからには上に行きたい気持ちがあります。心の中では自分が一番だという気持ちでいます。さまざまな人が自分にかかわってくれて背中を押してくれるので、強い気持ちでステージに上がれるんだとわかりました。競技に出るようになって、人に対する感謝が大きくなっています。ボディビルは、一人ではできない競技だと思っています。トレーナーや応援してくれる人が励ましたり支えてくれているので、気持ちが弱くなったときでも頑張れるんですよ。いろんな人に支えられていることがわかります。職場の上司も応援してくれていてありがたいですよ。いろんな人への感謝の思いをステージ上で証明、表現したいと思ってますね。自分が有名になりたいという思いはないんですが、応援してくれる人たちをがっかりさせたくないという思いが強いんです。ステージ上からそういう思いが伝わったらいいなと思っています。
――かなりなプロ意識とお見受けします。
加賀 一人だったらすぐ挫折しちゃいますよ(笑)。
――減量と食事のことを少し教えてください。
加賀 今年の東京オープンのゲストなので、減量に入っていますが、今、74.2キロになっているんですよ。完全に脂質と砂糖を抜いていくやり方です。炭水化物はある程度とるようにしていって、様子をみて減らすべきときには減らします。1日3~4食。プロテインを含めて、1日に7回くらいタンパク質をとれるようにと思ってやっています。3~4回は食事でとります。年間を通して食事の仕方は変わりません。毎日、基本的には弁当を持参します。内容ですか? ブロッコリー、ゆで卵、鶏の胸肉か牛肉、あと玄米です。白米のやわらかい感じが好きではないので、玄米のかみ心地のあるのが好きです。硬めのご飯が好きなのです。かなりな甘党なので、オフに入ると甘いものが増えてきます。和洋にこだわらず、甘いものがデザートにつきます。
ダイエットですが、先ほども言いましたが、僕はダイエット期間20週設けているのが自分にあっています。極端に食事制限をしないので、イライラがでないんです。極端に食事をカットしたりもしません。ギャップが少なくて同じテンションでいけるんです。長い期間を設け減らしていくのが自分に合った方法です。
──直近の目標は?
加賀 2015年は10月の日本選手権1本に絞っていこうと思っています。仕事がら夏が忙しくなるので、それほど頻繁にコンテストには出場できません。シーズンに4回となると僕は多すぎる感じになってしまいます。全日本でファイナリストにいつかはなりたいですね。せっかくやっているのですから。主戦場が全日本メインになってくると、格段にレベルが上がってきますし、2014年初めて全日本に出てみてトップ選手を身近でみると、みなさんすごいという印象を受けました。2次までで打ちのめされて帰ってきましたが、「あの場所で戦えるようになりたい」という思い、モチベーションが上がりましたね。夢見る場所から目指す場所へ。まさかあの場所に立つなんてと身近な人にも言われます。想像もしていなかったので不思議だね、と話しています。
──トレーニングやコンテストの楽しさや、やりがいは?
加賀 終わった後のぐったり感が、今日もやったなという充実感に直接つながりますね。トレーニングが好きだというのが一番です。
結果にはこだわるほうです。それには1年前の自分をこえていかなければいけないと思っています。1年前の自分を上回ったからといって結果がついてくるとは限らないけれども、常に念頭に置いています。トレーニング日誌を見直して自分を研究しているのです。
──仕事の楽しさについてもお話ください。
加賀 幼稚園から成人の方まで幅広く水泳を教えています。子どもと同じレベルになって笑顔を見ていると、すごく癒されます。大人の方ですと、僕が説明をして、それを理解して喜んでくださったときには喜びがあります。
僕はまだ独身なんで自分の子どもはいないんですけど、子どもといると自分も童心に戻れるので楽しいですね。お客さんもボディビルコンテストの結果を楽しみにしてくれていて、伝えると喜んでくれました。職場の仲間や部下が駆け付けてもくれます。恵まれた環境ですよね。
加賀 週に7回です。朝、2時間~2時間半取り組みます。それから出勤です。仕事ではプールに入っていることが多いです。僕の場合、トレーニングは、休んだから疲労が抜けるということもなく、朝のトレーニングを毎日したほうが一日の調子がいいのです。朝から夜まで仕事が入っているとき以外は休みません。
トレーニング部位は7つにわけています。1回、5~6種目行います。回数は部位によって違いますね。背中は弱点という意識があるので、とくに2014年10月の全日本が終わってから20~30回が1セットになるようにしています。その他は10回くらいでドロップをかけています。脚も比較的高回数で取り組んでいますね。
――加賀選手はバランスがいいという評価がありますね。
加賀 自分でも驚く評価です。昔から脚の筋肉に自信がなかったんです。コンテストに出る前は、脚のトレーニングは抜いていたくらいです。脚が細くて上体ばかりが目立って、コンテストに出るのをためらっていたのもあるんでしょうね。初出場した1年前から脚のトレーニングもするようになって、出たらそういう評価を頂きました。
──脚のトレーニングですか?
加賀 脚は重要視しています。僕の場合、脚のトレーニングが充実すると他のトレーニングも充実するのです。もちろん、しんどいんですけど、やったという感じがある。下半身は自分の中で重要ポイントです。
――コンテストに出てみて今どう感じていますか?
加賀 出るからには上に行きたい気持ちがあります。心の中では自分が一番だという気持ちでいます。さまざまな人が自分にかかわってくれて背中を押してくれるので、強い気持ちでステージに上がれるんだとわかりました。競技に出るようになって、人に対する感謝が大きくなっています。ボディビルは、一人ではできない競技だと思っています。トレーナーや応援してくれる人が励ましたり支えてくれているので、気持ちが弱くなったときでも頑張れるんですよ。いろんな人に支えられていることがわかります。職場の上司も応援してくれていてありがたいですよ。いろんな人への感謝の思いをステージ上で証明、表現したいと思ってますね。自分が有名になりたいという思いはないんですが、応援してくれる人たちをがっかりさせたくないという思いが強いんです。ステージ上からそういう思いが伝わったらいいなと思っています。
――かなりなプロ意識とお見受けします。
加賀 一人だったらすぐ挫折しちゃいますよ(笑)。
――減量と食事のことを少し教えてください。
加賀 今年の東京オープンのゲストなので、減量に入っていますが、今、74.2キロになっているんですよ。完全に脂質と砂糖を抜いていくやり方です。炭水化物はある程度とるようにしていって、様子をみて減らすべきときには減らします。1日3~4食。プロテインを含めて、1日に7回くらいタンパク質をとれるようにと思ってやっています。3~4回は食事でとります。年間を通して食事の仕方は変わりません。毎日、基本的には弁当を持参します。内容ですか? ブロッコリー、ゆで卵、鶏の胸肉か牛肉、あと玄米です。白米のやわらかい感じが好きではないので、玄米のかみ心地のあるのが好きです。硬めのご飯が好きなのです。かなりな甘党なので、オフに入ると甘いものが増えてきます。和洋にこだわらず、甘いものがデザートにつきます。
ダイエットですが、先ほども言いましたが、僕はダイエット期間20週設けているのが自分にあっています。極端に食事制限をしないので、イライラがでないんです。極端に食事をカットしたりもしません。ギャップが少なくて同じテンションでいけるんです。長い期間を設け減らしていくのが自分に合った方法です。
──直近の目標は?
加賀 2015年は10月の日本選手権1本に絞っていこうと思っています。仕事がら夏が忙しくなるので、それほど頻繁にコンテストには出場できません。シーズンに4回となると僕は多すぎる感じになってしまいます。全日本でファイナリストにいつかはなりたいですね。せっかくやっているのですから。主戦場が全日本メインになってくると、格段にレベルが上がってきますし、2014年初めて全日本に出てみてトップ選手を身近でみると、みなさんすごいという印象を受けました。2次までで打ちのめされて帰ってきましたが、「あの場所で戦えるようになりたい」という思い、モチベーションが上がりましたね。夢見る場所から目指す場所へ。まさかあの場所に立つなんてと身近な人にも言われます。想像もしていなかったので不思議だね、と話しています。
──トレーニングやコンテストの楽しさや、やりがいは?
加賀 終わった後のぐったり感が、今日もやったなという充実感に直接つながりますね。トレーニングが好きだというのが一番です。
結果にはこだわるほうです。それには1年前の自分をこえていかなければいけないと思っています。1年前の自分を上回ったからといって結果がついてくるとは限らないけれども、常に念頭に置いています。トレーニング日誌を見直して自分を研究しているのです。
──仕事の楽しさについてもお話ください。
加賀 幼稚園から成人の方まで幅広く水泳を教えています。子どもと同じレベルになって笑顔を見ていると、すごく癒されます。大人の方ですと、僕が説明をして、それを理解して喜んでくださったときには喜びがあります。
僕はまだ独身なんで自分の子どもはいないんですけど、子どもといると自分も童心に戻れるので楽しいですね。お客さんもボディビルコンテストの結果を楽しみにしてくれていて、伝えると喜んでくれました。職場の仲間や部下が駆け付けてもくれます。恵まれた環境ですよね。
昨年の東京選手権、優勝者発表の瞬間。両手を上げて喜びを表す(左は2位の寺地選手)
- 加賀義和(かが・よしかず)
1972年10月13日生まれ 42歳 千葉出身
身長164cm、体重オフ79kg・オン70.5kg
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