フィジーク・オンライン

奇問・難問・珍問、何でも来い!Q&A ジュラシック木澤に聞け!!
JURASSIC ANSWER

この記事をシェアする

0
[ 月刊ボディビルディング 2013年5月号 ]
掲載日:2017.09.04
記事画像1

1.減量時の有酸素運動

Q 有酸素運動に関して質問します。私はコンテスト歴8年の中堅ビルダーです。これまでほとんど有酸素運動は行わずに減量してきましたが、40歳を過ぎた一昨年あたりから、思うようなハードさが出なくなりました。40を過ぎて代謝も鈍り、これまでのようなトレーニングと 食事のみでは今まで以上のハードさは無理なのかもしれないと思い、今年から有酸素運動を取り入れようかと思います。そこで質問ですが、どのようにトレーニングと平行して有酸素運動を取り入れたら良いのでしょうか? あまり長時間やると筋肉が落ちるような気もしますが、あまり少ないと意味がないようにも思います。有酸素運動を行うタイミン グ、時間、頻度、強度、そして種類などアドバイスをお願いします。また、木澤さんの有酸素運動に対するご意見もお聞かせ下さい。
A トレーニングの中でも唯一直接筋量を増やすという目的から完全に外れたものが有酸素トレーニングです。直接と書いたのは最近は高強度の有酸素トレーニングを行う事で心肺機能を向上させてより強度の高いウェイトトレーニングに繋げる効果も期待できると感じていますのでそう表現しました。その場合の有酸素トレーニングは筋量を増やす事へのアプローチになります。今回質問を頂いたダイエット目的の有酸素トレーニングですが僕の場合の取り入れ方としてはダイエットの最終段階で行います。食事の制限で落とせる範囲を超えるためにという感じです。更に食事制限を行う方法もあるかもしれませんが、これ以上カロリーを落とすとウェイトトレーニングがしっかり行えなくなる可能性があり筋量を維持できなくなるかもと不安を感じながらのダイエットは危険です。そうなるとウェイトトレーニングに悪影響ですので摂取カロリーは変えず+αのカロリー消費のために有酸素トレーニングを取り入れます。内容はトレーニング直後の30分のウォーキングです。できるだけ外で歩くようにしますがジムでマシンを使って歩く場合は5%程度の傾斜をつけて歩くようにしています。種類は色々ありますがやや傾斜をつけた状態で歩く方がハムストリングスや臀部の筋肉の稼働率が増す感覚が好きなのでそうしています。ステップや階段などは更に稼働率が増しますが、僕の場合は乳酸がたまり疲労が増し、ウェイトトレーニングに影響が出るので行いません。時間に関しては様子をみながら増やしていきます。余裕があるようなら1時間くらいまで増やします。またスピードは時速5~6キロで行っています。普段から歩くのは遅いほうですし、心拍数もすぐに上がるのでその程度で十分です。トレーニング直後に行う有酸素トレーニングで一番多い質問は栄養摂取についてです。プロテインを飲んでから? とよく聞かれます。僕はトレーニング直後のプロテインは糖質も一緒に摂ります。しかし有酸素トレーニング前は糖質補給はしたくありませんので、有酸素トレーニングをする場合はウェイトトレーニング直後にBCAAを摂取します。そのまま有酸素トレーニング中もBCAAをこまめに摂り、終わってから糖質とプロテインを摂取しています。

 有酸素トレーニングの取り入れ方は選手によって様々です。僕は仕事で身体を使うのでできるだけ有酸素トレーニングは避けたいのが本心です。デスクワークなどで身体を使わない方はもっと積極的に有酸素を取り入れてもいいかもしれません。しかし食事制限を甘くして有酸素トレーニングで落とそうという考えはおススメしません。ダイエット中に運動量を増やすのは疲労が増してウェイトトレーニングにも悪影響です。ウェイトトレーニングをしっかり行える最低限の摂取カロリーまで段階を踏んで落として、最終段階で有酸素トレーニングを取り入れる方法が僕のやり方です。

2.減量中に脂肪は摂るべきか?

Q 減量に入ると皆さん脂肪分を極力カットすると思います。私もボディビル歴5年になりますが、これまで減量に入ると脂肪分は摂らないようにしました。しかし、脂肪分を取らないと何か肌がかさかさになり、 冬でもないのに風邪を引きやすくなりました。タンパク質やビタミン、 ミネラルなどはきちんと摂っているつもりですが、これはやはり体脂肪が少なくなってきたせいで仕方のない事なのでしょうか?

 海外のビルダーは減量中でもピーナッツやアボカドなどから脂肪分を取るという記事を目にします。また、CLAやMCTなど脂肪を摂る為のサプリメントもあるようですが、減量中でも脂肪分は取って良いものなのでしょうか? もし摂った方が良いのならば、どのようなものからどれくらい摂れば良いのでしょうか? 木澤さんも減量中に意識して脂肪分を取りますか?
A ダイエット中の脂肪の摂取量は現在も色々と試しています。数年前まではほとんど脂肪を摂らないダイエットをしてきましたが、最近はやはりダイエット中の食事でカギを握るのは炭水化物の摂取量だと体感してきましたので毎年ダイエット中の脂肪摂取量を増やしています。ちなみに魚嫌いですので僕の場合はオリーブオイルかナッツから摂取しています。何から摂取するかという点に関してはあまり興味がなくこだわりもありません。カロリー摂取量を脂質で上げて身体をいかに楽にするか。代謝を落とさないようにするか。この2点がテーマになってきます。質問にある肌がかさかさになるのは脂肪の摂取が少なくなったからだと思いますが、コンテストシーズンの日焼けも関係しているかもしれませんね。僕もダイエット中は乾燥肌ですのでこまめにワセリンやベビーオイルなどを塗って乾燥しないようにしています。また風邪をひきやすくなるのもダイエットで体脂肪が少なくなり免疫が弱くなると当然です。グルタミンを多めに摂取して免疫力を上げるのをおススメします。それからあまり知られていないようですが男性ホルモンはコレステロールが原料になるので、卵の黄身のような動物性脂肪もダイエット中には嫌われがちですが摂取する必要があります。男性ホルモンの低下は筋肉量に影響大ですのでボディビルダーは絶対避けたいですね。

 ダイエットに失敗した食事内容で脂肪を摂りすぎていたというのが原因だったという話を聞いた事がありますか?ほとんどの場合が炭水化物の量の制限のしすぎや摂りすぎでしょう。炭水化物よりも許容範囲の広い脂質の摂取量を調整する事で、少ない炭水化物量下でもダイエットを乗り切れる体調作りが可能になってくるのではないでしょうか。
~ 質問募集 ~

 このコーナーでは読者からの質問を大募集しております。ジュラシック木澤選手があなたの悩みをズバリ回答してくれます。奇問・難問・珍問、何でもゴザレ!

 ジュラシックを唸らせるような質問まってま〜す!

注:質問内容はなるべく詳しくお書きください。食事に関してならば今の自分の食事内容を、トレーニングに関する質問でしたら今行なっている種目、頻度、セット数、レップスなどを書いて編集部までメール・手紙、FAX にてお送りください。

木澤大祐オフィシャルページ/ http://kizawa.jugem.jp/
[ 月刊ボディビルディング 2013年5月号 ]

Recommend