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奇問・難問・珍問、何でも来い!Q&A ジュラシック木澤に聞け!!JURASSIC ANSWER

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[ 月刊ボディビルディング 2014年6月号 ]
掲載日:2017.09.12
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1.腹部のトレーニング

Q 木澤さんの腹筋のトレーニングは、どのように行っていますか?種目、頻度、セット数やレップ数など詳しく教えて下さい。また、オフとオンの腹筋のトレーニングは変えますか? 私は、オフはシットアップとレッグレイズを、腹筋のバルクアップのためにウェイトを持って、15レップス前後を3セット、1日おきに行います。オンに入るとウェイトを持つのをやめて、20レップス前後で効かすようにし、トレーニングをする日は毎回行います。さらに、前記の2種目に加えて、サイドベンド、ツイスティングシットアップ、ケーブルクランチ、ハンギングレッグレイズなど、1回のトレーニングで3種目行うようにしています。このやり方に関して何かアドバイスをお願いします。

A 腹筋のトレーニングについての質問は以前にも書いた事があるので重複する部分もあります。現在の腹筋のトレーニングは週2日行っています。1日あたりの内容は腹筋のマシンを1種目のみ行いセット数は3セットです。1週間でトータル6セット行うだけです。なぜこんなに少ないボリュームなのか腹筋のトレーニングの僕の考えを挙げてみます。

① どのトレーニング種目でも腹筋を使っている。
②腹筋が疲労していては高重量トレーニングで体幹が安定しない。

 この2つの考えから腹筋のトレーニングは必要最低限しか行いません。

 まず①の考えから、毎日のように腹筋には刺激がいくはずです。逆にしっかり腹筋を使い身体を安定させるフォームができていないという事はその他のトレーニング部位もしっかり追い込めているのか? という疑問さえ湧いてきます。②からは毎日のように腹筋をトレーニングしていては高重量トレーニングで体幹が安定しません。スクワットやデッドリフトなどの種目では腹筋を相当使います。逆に毎日のように腹筋のトレーニングをしているのに影響無く支えられるような重量でトレーニングしていては他の部位のトレーニング強度はいかがなものか? という疑問が湧いてきます。

 それくらい腹筋は他の部位のトレーニングでも刺激がいくはずですので必要最低限のボリュームとタイミングで行っています。タイミングというのは脚や背中など特に体幹を必要とする部位のトレーニング前日は絶対に行わないという事です。とはいえ腹筋を毎日行いたくなる気持ちは十分理解できます。ダイエット時期の絞り具合の基準になりますし、刺激を与えればパンプして皮膚が薄くなり血管が浮き出るので満足感も出ますからね。でもそれは一時的な事です。

 ただ質問に書かれているように腹筋も「バルクアップ」を目的とされているのであればどうして腹筋だけ毎日?となります。バルクアップを目的とするのであればなおさら他の部位のように毎日ではなく強度を上げて頻度を減らし集中して行うべきだと思います。そして最終的には腹筋を毎日行っていてはとても他の部位のトレーニングができないと思えるようなトレーニングを目指して下さい。最後に僕の経験として腰も腹筋も体幹を支える大きな筋肉がありますが、腹筋は腰に比べて疲労を感じにくい部位です。腹筋が疲労していると身体全体がダルく感じたり姿勢が悪くなったりします。疲労を感じにくい部位ですので弱った腹筋で日頃のトレーニングをするのが当たり前になっている事も考えられますので気をつけましょう。
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2.筋トレすると体が硬くなる?

Q 非常に素人的な質問ですが、ウェイトトレーニングを行うと体が硬くなると聞きますが、本当でしょうか? 柔軟性を失わずにウェイトト レーニングをする事は出来ないのでしょうか? ウェイトトレーニングと柔軟性に関して、木澤さんの意見をお聞かせ下さい

A トレーニングで身体が硬くなるというのは個人差があるように思います。僕の場合は10代半ばからウェイトトレーニングを始めましたが、ストレッチなど一切行わずに筋肉の量が急速に増える時代を過ごしたので、急に硬くなりました。この硬くというのは筋肉そのものを触って硬いというのではなく、関節の可動域という意味です。だんだん前屈が出来なくなってきたり、あぐらをかいて座るのが困難になってきたりといった感じです。筋量が増えるとストレッチでも伸ばすのに力がいるので工夫が必要ですので、できればトレーニング初期の頃から関節の可動域を確保する程度のストレッチは習慣にするべきです。もしこの先ボディビルダーとして競技をしていくのであればなおさらです。トレーニングを積めば積むほど筋肉の付き方に影響が出てきます。何を隠そう僕がボディビル人生で唯一後悔しているのが、トレーニング初期の頃からストレッチを行っていなかった事ですから。もちろん生まれ持った身体の特徴からくる筋肉の付き方も大きく影響すると思いますが、トレーニングを始めてからの要素も大きく関わると感じます。

 硬いという表現でもう1つ知っておいて頂きたいのが、筋肉自体が硬いという表現です。凝っているなどと表現する場合の硬いです。こちらの方はケアの方法としてストレッチだけでなく、マッサージや圧をかける事などがあります。筋肉が硬くなると血流が悪くなるので疲れやすくなったり、疲労の回復が遅くなったりします。筋肉の成長という面で考えると血流が悪い事で栄養が隅々まで行き届かず、筋発達の妨げになる事も考えられます。また回復が遅くなるという事は筋肉痛が酷く出たり長引いたりしますので、良いコンディションで次回のトレーニングを行えない事にもなります。頻度を詰めてトレーニングを行えないという事にも繋がり、筋発達に影響が出てきます。他にも血流が悪いと代謝が悪くなり、ダイエット時に硬い筋肉の部位の脂肪が落ちづらかったり、オフに脂肪がつきやすくなったりという事もあります。

 何のケアもしていなくても、いつも柔かい部位もあれば常に硬い部位もあるので個人差が相当あると思いますので、自分がどこの筋肉が硬くなりやすいのか理解した上でケアしていく必要があると思います。是非筋肉の成長のためにも、柔かい上質な筋肉を目指してケアをして下さい!
[ 月刊ボディビルディング 2014年6月号 ]

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