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落語の登場人物で一番の力持ちは誰か?

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[ 月刊ボディビルディング 2014年2月号 ]
掲載日:2017.04.24
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フィクションである落語の世界には、まるで実社会を活写したかのようにいろんな登場人物が出て来ます。八っつあんに熊さんに横丁のご隠居さん、人のいいのが甚兵衛さんで、バカで与太郎、女中のお鍋と。ま、数多い落語の中でも「相撲噺」は別として「これは怪力だなあ」と思われるのが、「らくだの馬さん」でしょう。

いろんな落語家が演出し口演しているこの「らくだ」という落語、これは主人公の「らくだの馬さん」が死んでいるのを出入りの商人である屑屋の久さんが発見するところから始まります。以後、死んだ当人であるらくだに、大家さんなど他の登場人物たちが、いかにひどい目に遭わされたかのエピソードをつないでストーリーが進んでいくこの噺は、いろんな落語家が演出していますが概ね馬さんは大柄で怪力という設定です。6尺ぐらいあると言ったところでしょうか。

昔の6尺というと180センチ超という相当な大柄、体重も100キロ、27貫ぐらいでしょうか。この図体で町内きってのならず者ですからタチは悪かったのでしょう。ベンチプレスはさしずめ150キロぐらいは挙げたのではないでしょうか。「馬さん」は架空の人物ですが、それがもしあなたと同じジムでベンチプレスをやっていたら? そして補助してるのが「丁の目の半次」だったりとかなんて落語好きのみならず妄想も楽しいはず。
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落語の中では無頼漢という馬さんですが黙々と追い込む姿は案外いい人だったりして。いや、落語だけではありません。人気漫画「こち亀」の両さんが隣でスクワットをやっていたら?あと「北斗の拳」のケンシロウが鏡の前でポージングをやっていたら笑えますよね。「このバルクとキレで優勝できなかったとは。悲しい時代だ」とかつぶやいたりして。

いや、辛いだけのトレーニングもこうすれば一服の清涼剤になったりしますよ、きっと(笑)。
  • 立川談慶(たてかわ・だんけい)
    昭和40 年生まれ/長野県上田市(旧丸子町)出身

    慶應義塾大学経済学部を卒業後、(株)ワコールに入社。平成3年4月、立川談志門下に入門。前座名「立川ワコール」。平成12年12月、二つ目に昇進し「談慶」。平成17年4月、真打ちに昇進。現在ベンチプレス115kg。趣味は、絵手紙。

[ 月刊ボディビルディング 2014年2月号 ]

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