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=海外ビルダー紹介= 不滅のビルダー スチーブリーブス

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[ 月刊ボディビルディング 1968年8月号 ]
掲載日:2017.11.27
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絶好調時のリーブス。ミスター・ユニバース出場直前の写真。
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18才のときのリーブス。かなり体はでき上がっている。
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21才のリーブス。
 スチーブ・リーブスーーおよそボディビルの愛好者でこの名を知らぬ者は1人もいないだろう。1950年のミスター・ユニバース優勝を最後に、ボディビル界から引退しながらも、先月号の“ビルダー人気投票べスト・テン”でご承知のように、ラリー・スコットに次いでいぜんとして第2位、それも非常な僅差である。現在人気絶頂のスコットが、はたして十数年後にこれほどの人気を保っていられるかどうか。少なくとも現在までのボディビル史上、スチーブ・リーブスこそ、もっとも人気の高い、もっとも憧憬されたビルダーといえるだろう。

 その魅力が、彼のきたえあげられた肉体の美しさにあるのはもちろんである。極限に近いまでに発達した肉体の中に美を感応させるのがボディビルダーであるという見地をとれば、リーブスこそは、その頂点に立つビルダーであろう。現在のビルダーの中には、たしかにリーブスより発達した筋肉をもった者が数多くいる。しかし、体の美しさ、均整美という点からすれば、いずれもリーブスに及ばない。とくに6フィート1インチの彼の立ち姿の美しさは抜群である。

 リーブスは、10代の前半から、生れ故郷のカリフォルニア州オークランドでトレーニングを始め、15才のときには早くももかなりの発達を見せた。1944年ハイスクールを卒業すると、徴兵されて2年間の軍隊生活を送り、その間占領下の日本にもきている。軍隊にいる間も彼はトレーニングを欠かさず、除隊後まもなく、1946年12月はじめてコンテストに出場し、ミスター・パシフィック・コーストに優勝。
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強敵レグ・パークを降してミスター・ユニバースのタイトルをにぎったリーブス。
 その後、1947年にはミスター・アメリカ、1948年ミスター・ユニバースではジョン・グリメックに惜しくも敗れたが、ミスター・ワールドのタイトルをとり、1950年には有名なレグ・パークを破って、みごとミスター・ユニバースの栄冠をかちえている。

 その後は映画界に身を投じ、1953年にMGM映画の「アテナ」に出演したのを皮切りに、ミュージカルの「キスメット」などでブロードウェイの舞台に立ったのち、「へラクレス」「蛮族の恐怖」「へラクレスの逆襲」「ポンペイ最後の日」など映画界で大活躍していることは、ご存知のとおりである。

 現在41才。スイスで余暇に乗馬を楽しむ日々を送っているそうである。

〔磯部俊行〕
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1958年映画で“へラクレス"を演じた。この役で彼は7,000ドルの収入を得た。
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左:15才のときのリーブス。 右:これも15才のときの写真。
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ミスター・カナダに優勝。ベン・ワイダーの祝福を受けるリーブス。
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映画ではこんな力わざも数々演じた。
[ 月刊ボディビルディング 1968年8月号 ]

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