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46kg級 東京クラス別優勝者の横顔 Tokyo Weight Category 深作靖子

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[ 月刊ボディビルディング 2009年10月号 ]
掲載日:2017.04.20

この歳になっても目標をもってやるのが楽しいんです。それで頑張った成果が出せればいい。

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有酸素運動が大好きだったんです。

───普段も今日のように仕事が終わられてからのトレーニングになるんですか?

深作 そうですね。でも会社の方にはすごく協力していただいているんです。ボディビルを始めた当初はお話をしていなかったので、いろいろやりくりは大変だったんですけど、このタイミングで気づきますよね。それで社長にお話をして理解いただいているんです。なので私は凄く恵まれているんだと思います。

───理解を得るには大変な競技ですよね。それではコンテストについてですが、大会パンフレットに“トレーニング歴1年”と書いてあったのでコンテストデビューが昨年ということになるのでしょうか。

深作 そうですね。もともとは家の近くにできたフィットネスクラブに通っていて、そこではエアロビクスとかヨガなどの有酸素運動ばかりやっていました。そういうのが好きだったんです。ただ有酸素をやり過ぎて、もともとなかった体脂肪がどんどん落ちてしまって、ついに1ケタ代になってしまったんです。それでフィットネスクラブのトレーナーさんが「ちょっとこれを見て!」って一昨年の全日本選手権が載った月ボを差し出して「これを見習って有酸素は止めてください」と言われたんです。そこには今まで見たことのない凄い体をした方々がいて、とても驚きました!
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───初めて見るビルダーの体に偏見などはありましたか?

深作 ありました。本当に初めて見るものだったので「凄いでしょ?」と言われても“ちょっと・・・”って思ったんですよ(笑)。それで、そのトレーナーさんが「来年の東京オープンに出ようと思ってるんだけど、遊びで出てみない」と誘われて、そのときの私はボディビルなんて全くわからなかったので、怖いもの知らずの性格もあってエントリーすることに決めたんです。

───それで現在所属のゴールドジムに入会したんですね!

深作 そうですね。入会したのが一昨年の年末です。入会するときにゴールドジムのスタッフさんに「5月の東京オープンに出たいんですけど・・・」と言ったら少し驚かれたんですけど(笑)、すぐにトレーニングメニューを組んでいただきました。それでトレーニングを本格的に始めたのが昨年の1月なので、東京オープンはトレーニングを始めて4ヶ月くらいで出ることになってしまったんです。ただトレーニングを始める頃の私の体脂肪率が3%だったので、とにかく食べ続けることも重要でしたね。

───減量しないで3%は凄いですね!食事で気をつけていたことはありますか?

深作 もともとは菜食主義者のようにお野菜ばかり食べていたんです。ビルダー食のようなお肉とかも好きではなかったし、ご飯もあまり好きではありませんでした。でもビルダーになってからご飯をたくさん食べるようになりました。大会前は1日に1kg以上の白米を食べていましたし、逆に玄米とかは食べたことがないですね。
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───皆さんは減量に苦しみますが、深作選手は逆なんですね(笑)。代謝が良いのでしょうか?

深作 代謝は凄く良いと思います!背中から燃えているのが分かるし、この前調べたら20代の男性と同じ代謝だったんです。

───凄いですね!それでデビュー戦となった東京オープンはどうでしたか?

深作 楽しかったですね。その後にも東京クラス別や関東クラス別、チャレンジカップ、東日本、全日本マスターズに出させていただいて、たくさんの人に出会うことができました。

───昨年は大会取材に行って、深作選手を見ない大会がないんじゃないかと思うくらい出場していましたが、大変だったんじゃないでしょうか?

深作 そうですね。ただ私の場合、減量というのはないので皆さんと比べたら全然楽だと思います。昨年は6大会、7エントリーしました。トレーニングはキツイんですけど、だんだん体が変わっていくのが分かりますし、この歳になって目標を持ってやるのが楽しいんです。それで自分なりに頑張った成果がコンテストで出せれば良いなと思っていたんですよ。

凄い選手を見ると、その後のモチベーションが上がります

───たくさんコンテストに出られて感じたことはありますか?

深作 チャレンジカップでは“凄いな”と思う選手を間近で見ることができました。それに昨年の東京選手権も自分でチケットを買って観に行ったんです。自分が選手になって初めてボディビルの大会を観に行ったんですけど、やっぱりオーバーオールの選手は凄いなって思いましたね。凄い選手を見るとその後のモチベーションも上がりますし、私も次の年はオーバーオールにチャレンジしたいって思いましたね。今の自分のバルクではオーバーオールで通用するには難しいって分かるんですけど、やり始めたら頑張ってやり遂げたいっていうのがありました。その上でも今年の東京クラス別の優勝は本当に嬉しかったです。

───今年は昨年よりもバキバキに仕上がっていましたね。特に東京クラス別よりも先に行われた江戸川選手権のときの方が厳しい仕上がりでした。

深作 江戸川のときは大会1週間前に凄く体重が減ってしまって42kg切ってしまったんです。本当は44kgくらいで仕上げたかったんですけど予想以上に減ってしまって・・・、食べても落ちてしまうんですよね。正直自分でもショックでした。その後は東京クラス別に向けてさらに食べ続けました!トレーニングでも去年よりも自分なりに追い込むことができました。私のシーズン中の目標はたくさん食べて、たくさんトレーニングすることなんです。大会前になっても使用重量を落としたくないというのもあるし、時間を空けずに食べないと筋量も一緒に落ちてしまうんです。それでクラス別をとれたので、次はオーバーオールに向けてバルクアップしていきたいですね。そのためにはオフのときにどれだけ体重を増やせるかが重要だと思っています。
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───食べることの大変さが身にしみて伝わりました!他に改善したい部分はありますか?

深作 私の中では背中の広がりがあるアウトラインがボディビルの象徴だと思うんです。なので背中はこだわってトレーニングしていきたいと思っています。
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───確かに今までの仕上がりにアウトラインが出ればオーバーオールでも期待できますね!それでは最後に雑誌で言いたいことがあれば。

深作 あるのが私はまだまだボディビルの初心者なので、周りの方々がいつもサポートしてくれるんです。なので凄く恵まれていて、ジムの先輩方、スタッフ、会社の社長はじめて社員の皆様に感謝しています。
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  • 深作靖子(ふかさく・やすこ)
    1960年3月16日生
    東京都出身
    職業:不動産業
    トレーニング歴:1年
    身長:158cm
    体重:44kg(検量時)、48kg(オフシーズン)
    所属:ゴールドジム・イースト東京

[ 月刊ボディビルディング 2009年10月号 ]

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