ビルダー教養講座 やさしいボディビル英語⑲
[ 月刊ボディビルディング 1973年8月号 ]
掲載日:2017.10.31
高山 勝一郎
~~ 三つの頭 ~~
今月もまた先月に引き続いてことわざの勉強をしてみよう。
ボディビル特有のことわざもある。みな body-parts(ボディ・パーツ)に関係しているのも面白い。
たとえば
Three heads are better than one
(スリーへッヅ アー ベター ザン ワン)というのがある。
「3つの頭は、1つの頭よりもよい」ということは、日本流のことわざで「3人よれば文珠の知恵」を思い出させる。
ところが、これがボディビルの本に出てくると、そんな意味ではなくなってしまうのだ。
しかも、これが肩のトレーニングのことわざなのである。
three heads が、三角筋の3つの頭をあらわすといえば、「なるほど」とうなずく人もあるだろう。
すなわち、前部、後部、側部の3つの部分を鍛えないかぎり、肩の発達は充分ではない、ということなのだ。
同じく triceps(トライセプス、上腕三頭筋)にもこのことわざが使われる。
上腕二頭筋……biceps(バイセプス)なら、さしずめ Two beads are better than one(ツーヘッヅ アー べター ザン ワン)ということになろう。
~~ 使えば使うほど ~~
Waist training is not waste(ウェイスト トレイニング イズ ノット ウェイスト)というのを聞いた方もいるだろう。
waist も waste も発音は同じウェイストであるが、一方は body-part のウェイストのことであり、もう一方は無駄という意味のウェイストである。
すなわち、「腰腹のトレーニングは無駄にならない」ということだ。
腹筋運動を大いに推奨している欧米のボディビル界では、この言葉をいつも耳にするほどである。
ほかにも似たようなのがある。
Use legs or lose them(ユーズ レッグズ オア ルーズ ゼム)なども有名。
「脚を使え。さもないと、脚がダメになってしまうよ」という教訓だ。
「人間は脚を使わなくなってきた」とよくいわれる。
ダーウィンの進化論ではないが、使わない body-part は退化する。
”歩け歩け運動”がさかんになってきているのも、さこそとうなづける。
Use head or lose it(ユーズ ヘッド オア ルーズ ィト)というのは、頭の方のこと。「頭を使っていなければ、ボケてしまうぞ」という教訓である。
Use cock or lose it(ユーズ コック オア ルーズ ィト)はチョット説明を遠慮するが、cock が男性の penis のことだといえば、賢明な諸君には何のことか、想像もつこうというものである。
ボディビル特有のことわざもある。みな body-parts(ボディ・パーツ)に関係しているのも面白い。
たとえば
Three heads are better than one
(スリーへッヅ アー ベター ザン ワン)というのがある。
「3つの頭は、1つの頭よりもよい」ということは、日本流のことわざで「3人よれば文珠の知恵」を思い出させる。
ところが、これがボディビルの本に出てくると、そんな意味ではなくなってしまうのだ。
しかも、これが肩のトレーニングのことわざなのである。
three heads が、三角筋の3つの頭をあらわすといえば、「なるほど」とうなずく人もあるだろう。
すなわち、前部、後部、側部の3つの部分を鍛えないかぎり、肩の発達は充分ではない、ということなのだ。
同じく triceps(トライセプス、上腕三頭筋)にもこのことわざが使われる。
上腕二頭筋……biceps(バイセプス)なら、さしずめ Two beads are better than one(ツーヘッヅ アー べター ザン ワン)ということになろう。
~~ 使えば使うほど ~~
Waist training is not waste(ウェイスト トレイニング イズ ノット ウェイスト)というのを聞いた方もいるだろう。
waist も waste も発音は同じウェイストであるが、一方は body-part のウェイストのことであり、もう一方は無駄という意味のウェイストである。
すなわち、「腰腹のトレーニングは無駄にならない」ということだ。
腹筋運動を大いに推奨している欧米のボディビル界では、この言葉をいつも耳にするほどである。
ほかにも似たようなのがある。
Use legs or lose them(ユーズ レッグズ オア ルーズ ゼム)なども有名。
「脚を使え。さもないと、脚がダメになってしまうよ」という教訓だ。
「人間は脚を使わなくなってきた」とよくいわれる。
ダーウィンの進化論ではないが、使わない body-part は退化する。
”歩け歩け運動”がさかんになってきているのも、さこそとうなづける。
Use head or lose it(ユーズ ヘッド オア ルーズ ィト)というのは、頭の方のこと。「頭を使っていなければ、ボケてしまうぞ」という教訓である。
Use cock or lose it(ユーズ コック オア ルーズ ィト)はチョット説明を遠慮するが、cock が男性の penis のことだといえば、賢明な諸君には何のことか、想像もつこうというものである。
~~ 苦しみこそ正しい ~~
Chest work is must work(チェスト ワーク イズ マスト ワーク)という言葉は、初心者がコーチからウルさいくらいいわれるので、すぐ覚えてベンチ・プレスなどを愛好する原因になるようだ。
chest とは胸のことだから、大胸筋の運動は絶対に必要な運動だ……ということになる。
大筋群の運動で、はやく体重増加を……と願っている初心者向きのことわざである。
ただし、Light come,light go(ライト カム ライト ゴー)ということわざも覚えておく必要がある。
「簡単についたものは簡単にはなれてゆく」……日本では「悪銭身につかず」などと訳されてしまうが、筋肉だとて、そうやすやすと身についてくるものではなかろう。
The harder it is to get,the greater is the value
(ザ ハーダー イティズ ツーゲット、ザグレイター イズ ザ バリュー)なのである。
意味は「手に入れるのに一生懸命努力したものほど、その価値は大きい」。意味深いことわざではないか。
hard(ハード)という言葉は、難しい、苦しいということだが、全く同じ意味のことで
Hard way is the right way(ハード ウェイ イズ ザ ライトウェイ)ということわざもある。
「苦しいやり方こそ正しいやり方」なのである。
大いに苦しんで、りっぱなものをつかんでいこう。
chest とは胸のことだから、大胸筋の運動は絶対に必要な運動だ……ということになる。
大筋群の運動で、はやく体重増加を……と願っている初心者向きのことわざである。
ただし、Light come,light go(ライト カム ライト ゴー)ということわざも覚えておく必要がある。
「簡単についたものは簡単にはなれてゆく」……日本では「悪銭身につかず」などと訳されてしまうが、筋肉だとて、そうやすやすと身についてくるものではなかろう。
The harder it is to get,the greater is the value
(ザ ハーダー イティズ ツーゲット、ザグレイター イズ ザ バリュー)なのである。
意味は「手に入れるのに一生懸命努力したものほど、その価値は大きい」。意味深いことわざではないか。
hard(ハード)という言葉は、難しい、苦しいということだが、全く同じ意味のことで
Hard way is the right way(ハード ウェイ イズ ザ ライトウェイ)ということわざもある。
「苦しいやり方こそ正しいやり方」なのである。
大いに苦しんで、りっぱなものをつかんでいこう。
(筆者は政府公認通訳、科学技術翻訳士、株式会社国際交流サービス社長)
[ 月刊ボディビルディング 1973年8月号 ]
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