ミスター・ユニバースの新星 A.シュワルツェネガー
[ 月刊ボディビルディング 1968年6月号 ]
掲載日:2017.11.30
'67年度ミスター・ユニバース アマチュア第1クラス優勝
世界のボディビル界最大の年中行事,ミスター・ユニバース・コンテストがまたひとつ,幕をとじた。NABBAが主催する全世界ビルダーの夢の饗宴は,これで18回目である。
このコンテストに出場した現代のへラクレスたちは,アマチュアの部38名プロの部11名である。アマの部の盛況さにくらべて,プロの部がいささかさびしいのは,ビル・パールのせいであった。ビルの出場が何か月も前に予告されるや,これに恐れをなして,出場の決意をにぶらせた選手があらわれたからだが,さすがにプロである。ビルと堂々雌雄を決しようという強豪にはこと欠かなかった。
出場選手は,28カ国から選びぬかれた精鋭中の精鋭,そして,国際審判団を構成するジャッジは,アメリカ,イタリア,フランス,ベルギー,英領西インド諸島連邦,イギリスをそれぞれ代表するべテランである。
慣例にしたがって,コンテストの前日に前審査が行なわれた。これは,各審査員に選手を見る時間を十分にあたえて,審査の完ぺきを期そうというのが目的である。
さて,本番の審査は午前10時に開始された。まず最初が,アマの部の第3クラス(ショート・クラス)である。
このコンテストに出場した現代のへラクレスたちは,アマチュアの部38名プロの部11名である。アマの部の盛況さにくらべて,プロの部がいささかさびしいのは,ビル・パールのせいであった。ビルの出場が何か月も前に予告されるや,これに恐れをなして,出場の決意をにぶらせた選手があらわれたからだが,さすがにプロである。ビルと堂々雌雄を決しようという強豪にはこと欠かなかった。
出場選手は,28カ国から選びぬかれた精鋭中の精鋭,そして,国際審判団を構成するジャッジは,アメリカ,イタリア,フランス,ベルギー,英領西インド諸島連邦,イギリスをそれぞれ代表するべテランである。
慣例にしたがって,コンテストの前日に前審査が行なわれた。これは,各審査員に選手を見る時間を十分にあたえて,審査の完ぺきを期そうというのが目的である。
さて,本番の審査は午前10時に開始された。まず最初が,アマの部の第3クラス(ショート・クラス)である。
●第3クラス――身長5フィート6インチ以下
このクラスは,毎年,多数の強豪が出場して,激戦となるのがつねだ。
1位 ジョン・シトロン(英国)
2位 ウィルフレッド・シルベスタ(セント・ルシア島)
3位 テリー・パーキンソン(英国)
優勝のシトロンは前年度にひきつづいて2連覇,2位のシルベスタは,同時にモースト・マスキュラー・マンのタイトルも獲得した。
1位 ジョン・シトロン(英国)
2位 ウィルフレッド・シルベスタ(セント・ルシア島)
3位 テリー・パーキンソン(英国)
優勝のシトロンは前年度にひきつづいて2連覇,2位のシルベスタは,同時にモースト・マスキュラー・マンのタイトルも獲得した。
●第2クラス――身長5フィート6インチ~5フィート9インチ
このクラスは出場者が最も多く,審査員は順位決定に頭をかかえた。
1位 アルバート・ベッケルス(バルバドス島)
2位 ロイ・キャレンダー(バルバドス島)
3位 アーサー・フェアハースト(英国)
ベッケルスのデフィニションはまさに尖鋭そのもので,プロポーションもすばらしい。前年度5位からいちやく1位におどり出ただけのことはある。3位フェアハーストの進境ぶりにも目をみはらせるものがあった。彼は前年度は入賞圏内にすらはいれなかったのである。
1位 アルバート・ベッケルス(バルバドス島)
2位 ロイ・キャレンダー(バルバドス島)
3位 アーサー・フェアハースト(英国)
ベッケルスのデフィニションはまさに尖鋭そのもので,プロポーションもすばらしい。前年度5位からいちやく1位におどり出ただけのことはある。3位フェアハーストの進境ぶりにも目をみはらせるものがあった。彼は前年度は入賞圏内にすらはいれなかったのである。
●第1クラス――身長5フィート9インチ以上
巨人どうしのすさまじい接戦となった。入賞の見込みなしと見て,棄権した選手もいたのではなかろうか。そういえば,カナダのヴィク・ダウンズもとうとう姿を見せなかった。
このクラスでは,ミスター・アメリカの新チャンピオン,デニス・ティネリーノと,一昨年名乗りをあげてセンセーションをまきおこしたオーストリアの新星,アルノルト・シュワルツェネガーとの対決が呼びものとなった。これにヴィク・ダウンズが一枚加わっていたら,さらにおもしろい勝負が見られたことであろう。
シュワルツェネガーの進境ぶりは抜群である。とくに脚がすごい。体重248ポンド(112kg),腕囲211/2インチ(54.6cm),胸囲57インチ(144.8cm),身長は6フィート21/2インチ(189cm)。その重量感あふれるひきしまった肉体は圧巻である。
デニス・ティネリーノは,なぜか前審査のときにバック・ポーズをやらなかった。これはまずかった。彼はバックが弱いのだ,という印象を審査員にあたえてしまった。ミスター・アメリカの貫禄十分だったが,若きオーストリアの巨人には圧倒されがちだった。2人のアメリカ人審査員も,オーストリア人に票を入れ,かくてシュワルツェネガーの満票優勝は決定した。
1位 アルノルト・シュワルツェネガー(オーストリア)
2位 デニス・ティネリーノ(米国)
3位 へンリー・グリーブス(トリニダッド島)
このクラスでは,ミスター・アメリカの新チャンピオン,デニス・ティネリーノと,一昨年名乗りをあげてセンセーションをまきおこしたオーストリアの新星,アルノルト・シュワルツェネガーとの対決が呼びものとなった。これにヴィク・ダウンズが一枚加わっていたら,さらにおもしろい勝負が見られたことであろう。
シュワルツェネガーの進境ぶりは抜群である。とくに脚がすごい。体重248ポンド(112kg),腕囲211/2インチ(54.6cm),胸囲57インチ(144.8cm),身長は6フィート21/2インチ(189cm)。その重量感あふれるひきしまった肉体は圧巻である。
デニス・ティネリーノは,なぜか前審査のときにバック・ポーズをやらなかった。これはまずかった。彼はバックが弱いのだ,という印象を審査員にあたえてしまった。ミスター・アメリカの貫禄十分だったが,若きオーストリアの巨人には圧倒されがちだった。2人のアメリカ人審査員も,オーストリア人に票を入れ,かくてシュワルツェネガーの満票優勝は決定した。
1位 アルノルト・シュワルツェネガー(オーストリア)
2位 デニス・ティネリーノ(米国)
3位 へンリー・グリーブス(トリニダッド島)
[ 月刊ボディビルディング 1968年6月号 ]
Recommend
-
-
- ベストボディ・ジャパンオフィシャルマガジン第二弾。2016年度の大会の様子を予選から日本大会まで全て掲載!
- BESTBODY JAPAN
- BESTBODY JAPAN Vol.2
- 金額: 1,527 円(税込)
-