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1968年度
全日本ボディビルダー
記録挑戦会

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月刊ボディビルディング1968年8月号
掲載日:2017.12.13
記事画像1
 日本ボディビル協会主催,日刊スポ一ツ新聞社後援による1968年度全日本ボディビルダー記録挑戦会は,6月15日束京都中央区,中央区立総合体育館で開催された。おりからの雨がわざわいしてか,参加選手は30数名と少なく観客の入りも低調であったが,それでも日本新3,日本タイ3,非公認日本新1,大会新5,大会タイ3の好記録が続出した。
 田鶴浜副会長のあいさつにつづき,大阪の伊集院明也選手の選手宣誓後,大会は午後2時過ぎに開始された。

●軽量級

 昨年べンチ・プレスと総合で優勝した大阪の伊集院選手が3種目制覇をねらっての出場。まず,ベンチ・プレスはこの種目に自信をもつ神奈川の富永選手が,昨年の雪辱をとげ,伊集院選手の3種目制覇をはばもうと闘志満々体重も62.38kgに減量して体重差の優勝をねらった。けっきょく,日本新記録150kgへの挑戦がこの2選手の勝敗の岐路となり,これに成功した伊集院選手が優勝,同重量をわずかなところで失敗した富永選手は2位に甘んじた
 第1関門を突破した伊集院選手は,つづくディープ・ニー・ベントでも日本新をマークせんものと,170kgから挑戦したが,どうしたわけか,3回の試技すべてが不成功に終わり,3種目制覇の夢はついえ去った。
 このディープ・ニー・ベントでは伏兵神奈川の広瀬武男選手が他を圧倒して,172.5kgの日本タイをマーク,余勢をかって175kgの日本新に挑戦したが,惜しくも成らず。総合では,べンチ・プレスとディープ・ニー・ベントに平均した実力を見せた東京の花井照雄選手が290kgをマークして,伊集院選手の不調によりラッキーな優勝をひろった。

●中量級

 各選手の実力伯仲で,予想どおりの混戦となった。
 ベンチ・プレスでは,小沢,小笠原出川,松本の東京勢がせり合い,けっきよく小沢選手が他の3選手をふりきって,152.5kgの日本タイで優勝。
 ディープ・ニー・ベントでは,昨年の覇者東京の後藤武雄選手2連覇の呼び声が高かったが,190kgにとどまり伏兵初出場の小平紀生選手(神奈川)が元重量あげ選手の気合いとテクニックにものをいわせ,みごと200kgをマークした。ただし,これは従来の日本記録192.5kgを7.5kgも上回る日本新であったが,体重オーパーのため非公認となった。
 また総合でも,小平選手は,松本勇選手(東京)がマークした332.5kgを2.5kg上回る335kgの日本新で逆転勝ちし,ディープ・ニー・ベントと総合の2種目に優勝をとげた。
 本大会では,このクラスが記録,勝負ともにもっとも充実していた。
◎日本新 ○日本タイ ⦿非公認日本新

◎日本新 ○日本タイ ⦿非公認日本新

●重量級

 昨年べンチ・プレスで157.5kgの日本新を出した高橋輝男選手(神奈川),高橋選手とせり合って155kgをマークした村川靖和選手(東京),およびディープ・ニー・ベントで220kgの日本新を記録した長田安弘選手(大阪)などの期待された重量級選手の不参加により,記録は低調であった。
 しかし,ベンチ・プレスでは,1,2位が145kgの同記録体重差,3,4位も142.5kgの同記録体重差という接戦で,勝負としては見ごたえがあった。けっきょく,べンチ・プレスでは,145kgをマークした鈴木正造選手(東京)が,同記録の磯部章選手(東京)より検量時の体重が7.5kg軽い85.03kgだったため,優勝をとげた。
 ディープ・ニー・ベントは,大阪の石本寅夫選手が健闘よく昨年の自己記録を5kg上回る205kgで優勝。磯部章選手もみごとなフル・スクワットで195kgに成功,ベンチとディープにそれぞれ2位を占め,総合で340kgの日本タイをマークして優勝した。

(福田 弘)

[総評]

 重量級をのぞき,多くの新記録が生まれたことは,選手の努力と向上を示すものである。また,30歳以上の選手が,最高39歳の田吹俊一選手を筆頭に全選手38名中8名もいたことは喜ばしい。ボディビルは,体力に応じたトレーニングをつづけさえすれば,若さと力を相当の年齢まで保持させる,という事実を示すよいサンプルであろう。
 記録挑戦会は,たんなる力くらべの域を脱して,すでに近代的なスポーツ競技の段階にはいってきている。したがって,ルールの徹底とともに,選手のスポーツマンシップの発揮ということが,こんごの重要な課題となるであろう。
 記録挑戦会でのスポーツマンシップの発揮とは,具体的にいえば,次の3点につきるのではなかろうか。
 ①フォームを正しくすること
 ②態度が正々堂々としていること
 ③気合いと闘志が満ちていること
 その点,上位入賞したほとんどの選手が,間然するところのない立派さであった。とくに東京YMCAのバーベル・クラブから初出場した小平,磯部の両選手は,重量あげ畑の出身という前歴もあって,スポーツマンらしい好感のもてる試合態度を見せてくれた。林氏の指導のきびしさが感じられる。
 ディープ・ニー・ベントの失敗から惜しくも三冠王を逸した軽量級の伊集院選手もりっぱな態度だった。敗れて悔いず,淡々として勝敗にこだわらぬ彼の姿がいまもなお目に浮かぶ。
 記録挑戦会は,ボディ・コンテストとならんで,トップをいくボディビルダーの行事であるだけに,多くのボディビル練習者の範とするに足るものでなければならない。
 審判も,今年はより厳正にすべきだとの申合せにより,あいまいなものや態度の悪いものにはビシビシときびしい判定を下していたのは,大いに好感がもてる。
 運営面も,新しく設備のよい中央区立総合体育館を会場に選んだだけあって,まずまずの出来であったといえるだろう。
 終わりに,後援の日刊スポーツ新聞をはじめ,公認器具を提供してくれた日秤バーベル,大会運営の陰の力となった実行委員諸兄に心より御礼申し上げる。
月刊ボディビルディング1968年8月号

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