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器具なしでできるトレーニング 通勤時に鍛えよう!

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月刊ボディビルディング1971年5月号
掲載日:2018.08.02
近ごろ「8時間労働」なんて、お題目みたいなもんで、10時間以上働いても、まともな給料はもらえず、ヒマもなくて運動なんぞできゃあしないよ。おカゲで体は弱るばかりだと、なげくサラリーマン諸氏が多い。

 こんな話を聞くたびに、サラリーマンの苦労がよくわかる。そして「労働基準法」がまるで守られていないことに気づく。ある新聞によると、サラリーマンの50%以上が、ヒマがないという理由でスポーツを楽しめないそうだ。複雑な人間関係、苦しい労働条件、そして運動不足、これらがストレスを発生させ心臓病、胃腸病、ノイローゼ、精神病などの重大な原因となっていることは、もはや一部の識者のみが知ることではなく、サラリーマン諸氏みずからもご存知のことと思う。
 
というわけで、運動の必要性は理解しているがヒマがない、というサラリーマン諸氏の健康管理のためにエ夫したのがここに紹介するトレーニング法である。ごく手軽に日常行なえるもの、健康を維持するのに十分効果のあるもの、という点を考慮し、人前で行なっても他人に気づかれないという利点もそなえたトレーニング法である。

●急ぎ足

 家から駅、駅から職場など、歩くところは通常の歩行より早いテンポで歩く。もちろん走るに越したことはないが、いずれにせよ、呼吸が激しくなるぐらいがよく、心臓、肺などを丈夫にし、持久力の養成になる。5~15分でよい。
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2●階段上り

 駅、会社などの階段を2段ずつかけ上がる 心臓、肺などを丈夫にし脚力を強くする。3~4階ぐらいまで一気にかけ上がるとよい。
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3●階段下り

 階段を1段ずつすばやくかけ下りる。運動神経の退化を防止する。
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4●つり皮運動

<A>電車やバスに乗ったとき、手の平を顔の方に向けてつり皮を握り、肘を90°前後に曲げ、その角度をほぼ一定にしたまま、からだを引き上げるような気持で力コブに力をいれ腕や肩が張ってくるような感じがするまで続ける。左右交互に行なっても、同時に行なってもよい。上腕二頭筋、三角筋などが強化される。各々の腕につき1~2回行なえば十分

<B>腕を真直ぐ伸ばし、手の平を下に向けてつり皮をにぎり、手を下方に押しつけるような気持で腕に力を入れ、腕や肩、および広背筋などが張ってくるような感じがするまで続ける。上腕三頭筋、三角筋、広背筋、大胸筋などが強化される。各々の腕につき1~2回行なえば十分。
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 以上のようなトレーニング法とともに、腹筋運動、腕立伏せなどを自宅で適当に行なうとさらによい。また、ここに紹介したトレーニング法は、日により、あるいは気分によって、週に2~3回程度実行すれば、健康管理の目的がほぼかなえられるだろう。(山野トレーニング・ルーム指導主任 福田 弘)

1●急ぎ足 2●階段上り
3●階段下り 4●つり皮運動
5●つり皮運動
月刊ボディビルディング1971年5月号

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