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チューブ・トレーニング 器具なしでできるトレーニング

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月刊ボディビルディング1971年6月号
掲載日:2018.05.15
 エクスパンダーが、広く一般に用いられている大衆的な器具であることは、いまさらいうまでもないこと。
 このエクスパンダーの先輩格といえるのが自転車のチューブである。これは、使い古しの自転車のもの(1本約20円)でよく、エクスパンダーと似たような運動ができ、効果も十分得られる。欧米では、ボディビル創設期に盛んに用いられ、現在でも一部のビルダーに愛用されている。
 わが国では、日本のボディビルの創始者である若木竹丸先生が愛用していたということで、先生の著書に詳しく紹介されている。
 チューブを用いたトレーニングは、ボディビルのみならず、柔道、水泳、陸上競技等の基礎体力づくりの補助運動の一環としても取り入れられている。以下はJBBAの「初心者コース」に準じたチューブ・トレーニング法である。

1●スクワット

両足を肩幅くらいに開き、チューブを足裏で踏み、腰を下げて片方を肩にかけ、両手を後頭部で組む。そして、背中を伸ばしたまま立ち上がり、それをくり返す。運動強度を高めたい場合は、チューブの本数を増すとよい。
1●スクワット

1●スクワット

2●チェスト・エクステンション

両手首あるいは前腕部を交差させ、手の平を外方に向けてチューブを握る。そして、両腕を肩の高さに上げ、両ひじを張るようにして90度くらいに曲げる。右手は左外方に、左手は右外方に押しつけるようにして、もとに戻す。これをくり返す。
2●チェスト・エクステンション

2●チェスト・エクステンション

3●スタンディング・プレス

両足を肩幅くらいに開き、チューブの一方を足裏で踏み、もう一方を両手でつかんで、ひじを曲げて肩のあたりで支持する。それから、軽く胸を張って体を直立させ、上方に腕を真直ぐのばし、もとにもどす。そして、それをくり返す。運動がきつ過ぎる場合は、ベンチなどに腰かけて行うとよい。
3●スタンディング・プレス

3●スタンディング・プレス

4●ベント・ロー

両足を真直ぐのばして肩幅くらいに開き、チューブの一方を足裏で踏み、もう一方を両手でつかむ。上体を床面と平行になるぐらいに前傾させ、両ひじをできるだけ高く上げるようにして両手を胸の横あたりに引きつけ、もとにもどす。それをくり返す。
4●ベント・ロー

4●ベント・ロー

5●スタンディング・カール

両足を肩幅ぐらいに開き、チューブの一方を足裏で踏み、もう一方を手の平を上に向けるようにしてにぎる。軽く胸を張って体を直立させ、両腕を体側に下ろす。そして、両ひじを体側に固定させるようにしたまま、前腕部を上方に上げ、もとにもどす。それをくり返す。
5●スタンディング・カール

5●スタンディング・カール

 以上、おのおの10回ずつ3セットぐらい行えばよい。なお、運動強度を高めたいときは、チューブの本数を増すか、チューブを2重、3重にして短かくすればよい。
 運動中は、チューブを伸ばすときも縮めるときも力を抜かないようにすると効果的である。まったくボディビルの経験がない人は、最初からチューブの強度を極端に強くしないようにし、1日おきに週3~4回行えばよいだろう。
山野トレーニング・ルーム指導主任 福田 弘
モデル〈中野BBC 滝沢 新一〉
月刊ボディビルディング1971年6月号

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