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今月の主張
国際政治とスポーツ界のリーダー

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月刊ボディビルディング1971年6月号
掲載日:2018.03.08
JBBA理事長 玉利 斉
 アメリカ卓球選手団の招聘に端を発した米中友好ムードの促進と展開は、まことに鮮やかなもので、両国の息があまりにピッタリ合い、まるで芝居の演出を見ているような気がしてくる。
 さて、ここで改めて考えさせられるのは、スポーツは政治とは無関係で、政治に影響されてはならない、ということがスポーツ界では原則的な条件になっていることだ。
 もちろん、スポーツそのものが政治に左右されたり、選手や審判が、極端に政治色をむき出したのでは、スポーツの明朗性は失われてしまうだろう。しかし、スポーツそれ自体が、まったく政治の影響力外に存在しているのではないという事実を直視する必要があるだろう。
 したがって、スポーツ団体のリーダーは、単にそのスポーツのベテランであるというだけでなく、広く社会の動向や、時代の流れを洞察し、把握する能力が要求されるのである。
 ともするとスポーツ界の指導者たちは、かつてそのスポーツの名選手であったり、創成期の功労者であったというだけで、組織の上にあぐらをかき、しかも、そのスポーツ界以外においては、発言や行動する力を持っていない人が意外に多い。これでは、かつてスポーツが貴族や富豪の専有物であった時代ならいざしらず、今や現代社会に大きな効用と、存在意義を認識されているスポーツ界のリーダーとしては、もはや失格といわなければならない。
 スポーツそのものは、明らかに政治とは別であり、混同してはならないがしかし、スポーツといえども、その時代の流れと、社会の拡がりの中から孤立して存在することはできない。むしろ、スポーツが、その時代の発展や調和の原動力として貢献することが望ましい。
 今回の米国チームの訪中は、米中の政治指導者が、両国の歩みよりへのひとつのチャンスとしてとらえ、それを充分に活用しているといえるであろう。また、招聘を受けた米国チームの役員および選手は、スポーツマンらしく率直かつ積極的な行動に終始しているのも喜ばしい。
 要は、スポーツ界のリーダーにせよスポーツ・マンであるにせよ、まずそれらである前に、社会人であり、それにともなう常識と良識からくる自覚と誇りをもつことが大切である。そしてその自覚が、スポーツを正しく方向づけていくことにつながるのである。
 さて、わが国のボディビル界も、世界のボディビル界がいくつかにわかれている現実から、ようやくIFBBが国際組織を確立し、国際連盟らしい規約を明確化した現在、JBBAとしても、そろそろ正式に加盟するよう国内態勢を調整する時期にきたのではないだろうか。
 ということは、IFBBの新規約によると、各国の代表の資格は、その国のボディビル協会の会員であって、その協会の会長の承認を得ることが前提となっているからである。
 世界のボディビル界に、JBBAが活躍する日もいよいよ近づいてきた。
月刊ボディビルディング1971年6月号

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