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“1回挙上方式にふみきった” 第2回東京パワーリフティング選手権大会

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月刊ボディビルディング1971年7月号
掲載日:2018.03.09
総  評
 東京ボディビル協会主催、第2回東京パワーリフティング選手権大会は、さる5月16日、東京・新宿のスポーツ会館において開催された。山田久就会長の挨拶につづいて、ファイティング・ボディビル・センターの温井国昭選手の力強い選手宣誓があり、大会の幕は切っておとされた。

◇ベンチ・プレス

 137.5kgを挙げたフェザー級・長谷川選手の素晴らしい気力、今大会最年長者・照井選手の安定したフォーム、ライト級・小笠原選手が165kgをマークし、全米記録を破るなど好記録が続出し、おしみない拍手がおくられた。

◇スクワット

 フェザー級とは思えない重量の190kgを成功させた因幡選手、230kgに挑戦したミドル級・岩岡選手とへビー級・宮本選手の熱戦は、「1回挙上方」の真価を遺憾なく発揮し、実に見ごたえがあった。

◇総合

 フェザー級はスクワットで190kgを成功させた因幡選手が優勝。ライト級は安定した力を発揮した広瀬選手が優勝。ミドル級は、ベンチ・プレスとスクワットともに抜群の力をもつ岩岡選手が予想どおり制覇。ライト・へビー級は、加古川選手、磯村選手、峰選手の三つ巴となったが、スクワットに220kgをマークした加古川選手が優勝。へビー級はトータル400kgをだした宮本選手が他をよせつけず予想どおり優勝。

◇デッド・リフト

 フェザー級の因幡選手が205kgをマークして注目を浴びた。また、へビー級総合2位になった井上選手はかるく230kgを成功させ、来年度から実施が予定されている3種目では、優勝の期待もでてきた。

◇総評

 どの大会でも必ず人気者がいる。ライト級6位に入賞した住田選手が驚くほどの奇声を張りあげて挑戦する姿は満場の喝采を浴びた。また、大会初出場の温井選手はベンチ・プレスで170kgを成功させ、総合3位に入ったのは立派で、マナーも非常によく、模範的な試技を見せてくれた。
(東京ボディビル協会理事長・栗山昌三)

好評の「1回挙上方式」 東京選手権大会リポート

 本大会は、従来の「2種目3回挙上方式」とことなり「3種目1回挙上方式」(デッド・リフトは自由参加)で競技が行なわれた。日本ボディビル協会でも、来年度からこの国際ルールで行なわれる予定になっているが、公式競技としては、今大会が初の試みであっただけに、技術的な面でも、いろいろ懸念されたが、役員の努力と、選手諸君の協力によって、無事大会を終了させることができた。

 「1回挙上方式」の感想を参加選手に聞いたところ、「迫力がでてきた」「気合がはいりやすくなった」、「従来の方式より競技性が増した」などという選手が多く、「1回挙上方式」についての異論はほとんど聞かれなかった。

 また、本大会では、関係者の予想していなかった好記録が続出し、欧米各国との記録の比較という点からも非常に興味のある結果がでた。

 そのひとつは、ライト級の小笠原選手がベンチ・プレスで165kgをあげ、全米記録を0.7kg上まわる国際的な好記録をマークした。また、フェザー級優勝の因幡選手は、デッド・リフトにもオープン参加し、わずか54.2kgの体重で205kgの好記録をマークし、3種目トータルで全米バンタム級歴代2位に相当する500kgをだした。

 その他、フェザー級の長谷川選手、ライト級の広瀬選手、ミドル級の岩岡選手、へビー級の宮本選手等の活躍が目立っていた。
(日本ボディビル協会技術委員・福田 弘)
東京協会の役員。前列左端が温井副理事長、1人おいて山田会長、その右どなりが栗山理事長

東京協会の役員。前列左端が温井副理事長、1人おいて山田会長、その右どなりが栗山理事長

◇成績表
記事画像2
各クラスの優勝者。左からフェザー級因幡選手、ライト級広瀬選手、ミドル級岩岡選手、ライト・ヘビー級加古川選手、ヘビー級宮本選手

各クラスの優勝者。左からフェザー級因幡選手、ライト級広瀬選手、ミドル級岩岡選手、ライト・ヘビー級加古川選手、ヘビー級宮本選手

月刊ボディビルディング1971年7月号

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