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スタミナメニュー 1971年7月号

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月刊ボディビルディング1971年7月号
掲載日:2018.06.30
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野菜と野菜サラダ

 新宿にあるサラダ専門店。若い女性がワンサカ押しかけて連日の盛況。
 -なぜサラダを食べにくるの?
 -だってミコちゃんのカロリー・ブックにあるもん。チイとはスンナリなりたいわ。
 -美容にすごくいいんですって。ハダがきれいになるのよ。
 -カロリーがなくて、おナカいっぱいになっちゃうんだもんね。
 ・・・・〝食べて美しくなる〟と聞けばとびつきたくなるのはヤングレディとして当然の心理。切実な問題だ。これほど彼女たちのハートをとらえたサラダの魅力とは何か、ひとつ分析してみよう。

<野菜サラダの歴史>

 人類が誕生して100万年。そのあいだに、いろいろの知恵を受けついできた。食べられる草と食べられない草を区別して、おいしい草をもっとおいしくする努力をしてきた。品種改良・人工栽培。そして現代は季節のない促成栽培。おかげで冬でもキュウリやトマトが食べられる。イチゴもあるでよー。
 ヨーロッパから来た人たちは、日本のサラダのおいしいことにビックリする。あちらでは同じ野菜でも葉が固い。トマトも小さい。だからたいていゆでてしまう。サラダを発明したのはアメリカ人。だから18世紀以後のことになる。無造作にちぎって、ムシャムシャバリバリ。気どらないところがいい。キャベツ・レタス・キュウリ・ニンジン・パセリ・セロリ・アスパラガス・玉ねぎ・レモン・トマト・・・・なんでもいける。

<その効果>

 昨年秋、ボイヤー・コーが来日したときに、「野菜は食べない。でんぷんが多くて太る原因となる」と語ったという。これをきいて不思議に感じた人が多いと思う。野菜は90~95パーセントが水分だ。残りが植物せんいで炭水化物ということになる。そして大切なことはビタミンとミネラルの多いことだ。ビタミンA、B2、C、Eそしてカリウム、鉄・・・・。体内の化学反応を調節する重要な成分ばかりだ。「肉を食べたら必らずそれと同じだけの野菜を食べなさい」と昔からよくいわれている。肉を消化し、吸収するために、野菜はどうしても欠かせない。血液をきれいにする作用もする。ボイヤー・コーはじめアメリカの一流選手は、野菜のかわりに、ビタミン剤・ミネラル剤・消化酵素剤などを服用している。だから野菜は必らずしも必要としないのだろう。

<やせたい人にはもってこい>

 野菜のほとんどは水だ。カロリーも少ない(一皿で約70カロリー)。やせたい人は食事のはじめに2皿ばかり食べるといい。はやく満腹になる。反対にもっと太りたい人は食事の後半かデザートに食べるといいわけだ。
 サラダオイルを使うとカロリーがグーンとふえる。太りたい人はドレッシングにするといい。

<おいしい料理法>

 なにしろ相手は水だ。なにかアクセントをつけないとあきてくる。たくさん食えない。そこで塩・コショウ・マヨネーズ・トマトケチャップ・サラダオイル・フレンチドレッシング・・・・いろいろのわき役が登場する。
 ドレッシングとはサラダ油と酢をまぜたもので、野菜の表面にうすい脂肪の膜をつくる。そうすると内部の水が出てグシャグシャにならないで、おいしく食べることができる。また包丁を使って切ると、断面から出る水が多くなる。またビタミンやミネラルは金属に弱い。だから手でちぎるほうがいい。なお出てきた水は捨てないで飲むのがいい。栄養がいっぱいとけこんでいるからだ。
 サラダ専門店のメニューをみると、あるある、ハムサラダ・チーズサラダ・えびサラダ・タマゴサラダ・・・・、組み合わせるといっぱいできる。見た目もきれいだ。料理の生け花といわれるくらいだ。アイデアのあるサラダをつくって女どもをくやしがらせてみようぜ。
(野沢)

今月のカバー・ビルダー
’60、’63ミスター日本 金沢 利翼

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 今月の表紙は、60年、63年と2回ミスター日本となり、ミスター・ユニバースにも数回出場の経歴をもつ往年の大ビルダー金沢利翼氏である。
 この写真は、1969年度のミスターユニバース・コンテスト終了後、ホノルルの海岸で撮影したものであるが、ミスター日本優勝当時と比較して、氏の体は少しも衰えをみせていない。 
月刊ボディビルディング1971年7月号

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