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海の向こうの話 1971年7月号

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月刊ボディビルディング1971年7月号
掲載日:2018.06.20
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”空手とボディビル”

 米国の著名ビルダーの一人ジル・ハンセンは、今から丁度15年前、彼がまだ学生時代の頃、ニューヨークで大山倍達氏を師とする極真会の空手道場に出かけたことがある。
 そこで彼が見たのは、当時六段のアグスト・ディメロが、レンガ3枚を一撃のもとにたたき割る空手の試技であった。
 彼はこの空手に魅せられ、その場で極真会に入門した。
 そして現在、彼は空手三段、全米空手協会理事、空手道場を10軒あずかって警官達を指導する立場となった。
 空手の補助運動として始めたボディビルで、彼はすばらしい体を造り上げたが、同時にウェイトリフティングでも何と43のタイトルを保持している。
 彼は今でも会う人ごとに、空手とボディビルの相乗効果を力説してやまないという。

”タバコとセックス”

 喫煙はセックスをおとろえさせる・・・・と南米の3人の医学博士が発表してタバコのみをガクゼンとさせている。
 この3博士は、100人の男女を対象に、喫煙とセックスの相互の度合を調べ、その結果、ニコチンが脳神経を冒して性欲の減退をきたしめることを発見したという。
 肺ガンの恐怖に加えてセックスのおとろえ・・・・ビルダー諸兄もすべからくタバコをやめるべし。

”ビルダーは貧血症?”

 米国では、男で47パーセント、女で54パーセントもの人々が貧血症にかかっていると報じている。
 貧血とは、ヘモグロビンの質、または量の低下による赤血球の減少としてとらえられているが、最近貧血症の蔓延は世界的な傾向だという。
 赤血球は1ミリ立方に何と500万個はなければならず、普通の男で5リットルの血が体内にあるので、その赤血球の数たるや天文学的数字である。
 蛋白質の摂取に忙しいビルダーなどは、鉄分の補給等最もないがしろにしやすいもので、この重要な赤血球が減ってきて貧血症にかかりやすいと思われ、警告が発せられている。
 また鉄分は活力の源といわれ、ビルダーには不可欠の要素である。

”ビルダーは大成す”

 20年前、アメリカでビルダーでならした人達が、今何になっているか、若干を紹介してみよう。
 かのレロイ・コルバートは健康食品店の経営者になり大成功を収めて店の拡張に努めている。
 アーティ・ゼラーはサンタ・モニカの郵便局長さん。ナル・ソコルスキーはニューヨークでファッション写真家となり結構もてはやされている。
 変ったところでは、アクロバット・スターとなったドム・ジュリアーノ、現在舞台でひっぱりだこの毎日だそうである。
 これらの人々の成功は、ボディビルで鍛えた体力と根性に負うところが多いのではあるまいか。

”美女はビルダーがお好き”

 アメリカのパワー・リフター、アート・ワースはミニチュア・レジ・パークと呼ばれるほど体つきがパークに似ている。
 身長5フィート4インチの小柄だがハード・トレーニングで得た筋力はすばらしく、ベンチ・プレスで全米のチャンピオンとなったほど。
 このほど、ミス中部アメリカと目される美女のハートをいとめ、婚約を発表したが、トレーニングの報いはすばらしいと友人達の羨望を一身に集めている。
-高山-
月刊ボディビルディング1971年7月号

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