●正しいトレーニング法●
バック・ハンド・カールとリスト・カール
月刊ボディビルディング1971年11月号
掲載日:2018.06.28
どんなことでも"考える"ということは必要なことです。しかし、考えるだけで実行しなければ、何も得ることはできません。
インテリ型というか、思考型というか、このようなタイプの人は、どちらかというと"考え過ぎる"傾向があるようです。
たとえば、自分は生活環境がよくないとか、栄養が不足している、トレーニング法が適切でない、などと考え、だから思うような成果が得られないのだと決めてしまう。もちろん、そう考えることの全部が間違っているというのではなく、ただ、それがあまりにも理性的すぎる時に問題があるのです。
というのは、トレーニングをしたからといって、その効果が、まったく計算どおりにいくというものではなく、ましてや、タマゴを食べ忘れたとか、1セット少なかったという程度のことで、トレーニングの効果が無に帰したり、半減したりするものではありません。
このような、考え過ぎるタイプの人にとって、必要なのは"野性"です。
といっても、日常生活をすべて野性にするというのではなく、トレーニングの時に、つとめて野性になるのです。それも、ただ荒々しいムチャクチャなものではなく、やはり、基本にのっとった上での野性でなければなりません。
少々、遠まわりのいい方をしましたが、要は"考える"という心掛けはたいせつだが、トレーニングは"野性"的に行なうべきだということです。
それでは、今月は、バック・ハンド・カールとリスト・カールの解説をしましょう。
インテリ型というか、思考型というか、このようなタイプの人は、どちらかというと"考え過ぎる"傾向があるようです。
たとえば、自分は生活環境がよくないとか、栄養が不足している、トレーニング法が適切でない、などと考え、だから思うような成果が得られないのだと決めてしまう。もちろん、そう考えることの全部が間違っているというのではなく、ただ、それがあまりにも理性的すぎる時に問題があるのです。
というのは、トレーニングをしたからといって、その効果が、まったく計算どおりにいくというものではなく、ましてや、タマゴを食べ忘れたとか、1セット少なかったという程度のことで、トレーニングの効果が無に帰したり、半減したりするものではありません。
このような、考え過ぎるタイプの人にとって、必要なのは"野性"です。
といっても、日常生活をすべて野性にするというのではなく、トレーニングの時に、つとめて野性になるのです。それも、ただ荒々しいムチャクチャなものではなく、やはり、基本にのっとった上での野性でなければなりません。
少々、遠まわりのいい方をしましたが、要は"考える"という心掛けはたいせつだが、トレーニングは"野性"的に行なうべきだということです。
それでは、今月は、バック・ハンド・カールとリスト・カールの解説をしましょう。
バック・ハンド・カール
《概説》 これは別名リバース・カールとも呼ばれています。
ふつうカールの握り方は、アンダー・グリップ(手の平を上方に向けて握る)ですが、バック・ハンド・カールの場合はその反対の握り方、すなわちオーバー・グリップ(手の平を下方に向けて握る)で行なうカールです。
《運動動作》 両足を肩幅ぐらいに開き、バーベルを肩幅以内に、狭めにオーバー・グリップで握り、真直ぐ立ち両脚を伸ばし、大腿部前に保持します。
ついで、両ひじを体側に固定し、上腕部を動かさないようにしながら、前腕部を上方に上げ、バーベルをノドの位置まで巻き上げたら、ゆっくり元に戻し、それをくり返します。
《呼吸》 上げながら
吸い、吐きながら下ろす。その逆でもよい。
《回数・セット・休息》 10回ずつ2分前後の休息を入れて3セットほど行なえばよいでしょう。
《劾果》 上腕二頭筋、前腕伸筋
《注意》 運動中、できるだけ上体を前後に動かさないようにすること。
両ひじは、運動中できるだけ体側に当てておくか、近づけて動かさないようにすること。両ひじを外側に上げるようにして行なうと、運動範囲が狭くなり、三角筋などに負担がかかり、上腕二頭筋や前腕伸筋に対する効果が半減します。
上腕二頭筋、あるいは上腕筋を発達させたいときは、運動中できるだけ手首を動かさないようにして行なうとよい。また、前腕伸筋をとくに発達させたいときは、少し軽い重量(15回ぐらいくり返せるもの)を用い、バーベルを巻き上げながら手首を起こし、下ろしながら手首を巻き込むとよい。丁度カマキリが前足を動かすような感じと思えばよい。
手首を痛めているときは、あまり行なわない方がよい。
ふつうカールの握り方は、アンダー・グリップ(手の平を上方に向けて握る)ですが、バック・ハンド・カールの場合はその反対の握り方、すなわちオーバー・グリップ(手の平を下方に向けて握る)で行なうカールです。
《運動動作》 両足を肩幅ぐらいに開き、バーベルを肩幅以内に、狭めにオーバー・グリップで握り、真直ぐ立ち両脚を伸ばし、大腿部前に保持します。
ついで、両ひじを体側に固定し、上腕部を動かさないようにしながら、前腕部を上方に上げ、バーベルをノドの位置まで巻き上げたら、ゆっくり元に戻し、それをくり返します。
《呼吸》 上げながら
吸い、吐きながら下ろす。その逆でもよい。
《回数・セット・休息》 10回ずつ2分前後の休息を入れて3セットほど行なえばよいでしょう。
《劾果》 上腕二頭筋、前腕伸筋
《注意》 運動中、できるだけ上体を前後に動かさないようにすること。
両ひじは、運動中できるだけ体側に当てておくか、近づけて動かさないようにすること。両ひじを外側に上げるようにして行なうと、運動範囲が狭くなり、三角筋などに負担がかかり、上腕二頭筋や前腕伸筋に対する効果が半減します。
上腕二頭筋、あるいは上腕筋を発達させたいときは、運動中できるだけ手首を動かさないようにして行なうとよい。また、前腕伸筋をとくに発達させたいときは、少し軽い重量(15回ぐらいくり返せるもの)を用い、バーベルを巻き上げながら手首を起こし、下ろしながら手首を巻き込むとよい。丁度カマキリが前足を動かすような感じと思えばよい。
手首を痛めているときは、あまり行なわない方がよい。
バック・ハンド・カール
リスト・カール
《概説》 前腕を鍛練する種目のうちでもっとも多くのビルダーに愛用されているのが、このリスト・カールです。
リスト・カールには、オーバー・グリップとアンダー・グリップの2とおりのやり方があります。
リスト・カールは、砲丸投げ、ボーリング、ゴルフなど、握力あるいは手首のスナップをよく使うスポーツの補助運動として広く行なわれています。
《運動動作》 ベンチに座り、バーベルを両手で肩幅以内に、狭めにアンダー・グリップ(あるいはオーバー・グリップ)で握り、両大腿部の上に、それぞれの前腕部を休め、手首から先はひざの前方に出し、バーベルを指先にひっかけるように下げます。
ついで、前腕部をピッタリ大腿部にのせたまま、指先から巻き込むようにして手首を起こし、できるだけバーベルを高く上げ、ゆっくり手首を下げ、同時に手の平を開くようにして元に戻し、それをくり返します。
《呼吸》 下げながら吐き、上げながら吸う。その逆でもよい。
《回数・セット・休息》 15回ずつ2分前後の休息を入れて3セットぐらい行なえばよい。
他の種目(ことにへビー・ウエイトを用いるもの)に比べ、休息は短めでよい。
《効果》 アンダー・グリップは前腕屈筋と指の筋肉の発達、オーバー・グリップは前腕伸筋。また、どちらも手首の強化に効果がある。
《注意》 正確に反復できるような重量を用い、回数を多め(15〜20回ぐらい)に行なうとよい。
運動中、かかとを上げたり、前腕部を大腿部から離すと効果が少なくなる。
動作は、どちらかというと、ゆっくり行なう方がよい。
バーベルをガッチリ握って、手首だけを動かす人がいるが、手の平を開き指先までバーベルを転がすようにした方が効果的です。それは、指と前腕諸筋は密接な関連があるからです。
手首を痛めている人は、この運動はやらない方がよい。また、手首を痛めやすい人もあまりやらない方がよい。もし行なうなら、ごく軽量を用い、慣れるまではリミットの重量および回数を行なわないこと。
リスト・カールには、オーバー・グリップとアンダー・グリップの2とおりのやり方があります。
リスト・カールは、砲丸投げ、ボーリング、ゴルフなど、握力あるいは手首のスナップをよく使うスポーツの補助運動として広く行なわれています。
《運動動作》 ベンチに座り、バーベルを両手で肩幅以内に、狭めにアンダー・グリップ(あるいはオーバー・グリップ)で握り、両大腿部の上に、それぞれの前腕部を休め、手首から先はひざの前方に出し、バーベルを指先にひっかけるように下げます。
ついで、前腕部をピッタリ大腿部にのせたまま、指先から巻き込むようにして手首を起こし、できるだけバーベルを高く上げ、ゆっくり手首を下げ、同時に手の平を開くようにして元に戻し、それをくり返します。
《呼吸》 下げながら吐き、上げながら吸う。その逆でもよい。
《回数・セット・休息》 15回ずつ2分前後の休息を入れて3セットぐらい行なえばよい。
他の種目(ことにへビー・ウエイトを用いるもの)に比べ、休息は短めでよい。
《効果》 アンダー・グリップは前腕屈筋と指の筋肉の発達、オーバー・グリップは前腕伸筋。また、どちらも手首の強化に効果がある。
《注意》 正確に反復できるような重量を用い、回数を多め(15〜20回ぐらい)に行なうとよい。
運動中、かかとを上げたり、前腕部を大腿部から離すと効果が少なくなる。
動作は、どちらかというと、ゆっくり行なう方がよい。
バーベルをガッチリ握って、手首だけを動かす人がいるが、手の平を開き指先までバーベルを転がすようにした方が効果的です。それは、指と前腕諸筋は密接な関連があるからです。
手首を痛めている人は、この運動はやらない方がよい。また、手首を痛めやすい人もあまりやらない方がよい。もし行なうなら、ごく軽量を用い、慣れるまではリミットの重量および回数を行なわないこと。
リスト・カール
月刊ボディビルディング1971年11月号
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