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なんでもQ&Aお答えします 1971年12月号

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月刊ボディビルディング1971年12月号
掲載日:2018.05.28

腕ずもう強化に役立つトレーニング法

Q 体力増強を主目的としてボディビルを始めましたが、腕ずもうも強くなりたいと思っています。腕ずもうが強くなるためにはどこの筋肉を、どんな種目でトレーニングすればよいか教えてください。(東京都練馬区栄町8 小宮山幸夫)
A 腕ずもうといっても、日本腕角力協会(会長・山本哲)のルールによる本格的のものと一般の人がやっている方法では、まったく違います。

 前者の本格的なものには、いわゆる腕角力48手というものがあり、腕ずもうというよりも、腕を主体とした全身運動であり、この場合の強化運動は、かなり範囲の広いものになってきます。

 それでは、一般に行なわれている腕ずもうの強化には、どんなトレーニングがよいかというと、握力強化と手首を含む前腕筋の強化、上腕二頭筋、三角筋などの鍛練を主として、それに、広背筋、僧帽筋、大胸筋などの鍛練を行なえばよいでしょう。

 では、どんなトレーニング種目がよいかといわれても、腕ずもうにピッタリ一致したトレーニング種目はありません。それがため、ボディビルのトレーニング種目は、腕ずもう強化の補助運動として考えた方が適切でしょう。したがって、腕ずもうの動作とよく似ている種目を工夫するのが効果的だといえます。

 ふつうボディビル・ジムにある器具で、もっとも腕ずもうの強化に役立つのは、チェスト・ウェイトでしょう。

 これも、器具によっては、ケーブルが上方からしか引けないものがあり、この場合は、あまり効果がありません。下方からも引ける場合は、マットなどを敷いて、その上にうつ伏せになり、腕ずもうの要領で、引く方向を変えながら行なえば、かなり効果があると思います。もちろん、筋力が向上するにつれて負荷を高めなければなりません。

 この他、上腕二頭筋のカール運動、たとえば、リスト・カール、ハンド・グリップなどを補助的に行なうのもよいでしょう。

 三角筋、僧帽筋、広背筋、大胸筋などの鍛練は、ふつうスタンディング・プレス、ベント・ロー、ベンチ・プレスなどのボディビルのトレーニング・スケジュールに入っていますので、特別にやらなくてもよいでしょう。

ペンを持っただけで手首が痛い

Q 22才の学生です。ボディビル経験は1年、身長170cm、体重61kg、胸囲95cmです。

 1週間ほど前に右手首の筋(親指の側)を痛めてしまいました。以前にも同じところを痛めたことがありますがその時は、2日ほど休養したら治ってしまいました。

 症状は、ふだんはなんともないのですが、歯ブラシやペンを持っただけで痛みます。今後の処置と手を使わないで出来るトレーニングを教えてください。(甲府市宝町 有野武彦)
A ビルダーがトレーニング中に起こすケガのほとんどは、関節と筋肉に関連があります。

 たとえば、肩、肘、手首、腰、ひざなどの関節や筋肉を痛めることが多いのです。

 ケガのうちでも、たんなる筋肉痛なら2~3日、筋肉に炎症を起こしている場合なら1~2週間、長くても1カ月ぐらいの休養をとれば、ほとんど回復するものです。

 しかし、1カ月以上休養しても回復しないときは、関節を痛めていることが多いようです。

 いずれにしても、ケガをしたり、痛みを感じた時は、ただちにトレーニングを中止して、しばらく休養をとることが大切です。あまり痛みが激しい時は専門医にみてもらうことです。

 あなたの場合は、前歴から判断すると、けんしょう炎ではないかと考えられます。けんしょう炎とは、ある筋肉がとくに酷使されると、その部分に災症を起こし痛むことをいいます。そして、この処置としては、手をなるべく使わないようにして、温湿布で痛みが軽くなったらマッサージをするのがよい方法です。

 次に、手を使わないトレーニングについては、下半身、腹部、背筋ならかなりトレーニングできますが、肩腕部胸部はなかなか困難です。

 可能なトレーニング種目を大ざっぱにあげれば、スクワット、カーフ・レイズ、レッグ・カール、レッグ・エクステンション、グッド・モーニング・エクササイズ、ハイパー・バック・エクステンション、シット・アップ、レッグ・レイズ等です。(H・F)
月刊ボディビルディング1971年12月号

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