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ボディビルの基本「その3」

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月刊ボディビルディング1971年12月号
掲載日:2018.05.25

トレーニング・コースの作り方
スプリット・ルーティーン法(分割法)

竹内威(NE協全指導部長'59ミスター日本)
記事画像1
からだの発達を期待して行なうトレーニングの場合、からだが発達するにつれて、トレーニング量が増大していくのは至極当然のことである。このようなトレーニングの傾向により、かなりの発達をみたひとのトレーニングにおいては、体力的に、また時間的にいって、1日で全種目を行なうことは少なからず困難をともなうようになる。

スプリット・ルーティーン法は、そのような体力的に、また時間的に考えて無理と思われるトレーニング量を消化するために用いられる方法である。そればかりでなく、この方法によれば必要に応じて採用種目とセット数を増やすこともできるので、トレーニング内容を一層充実したものにすることも可能である。

一般的なトレーニング法では、全身の運動種目を1日で行なうのであるがスプリット・ルーティーン法では、全種目を2日あるいは3日に分割して行なうのである。

このように分割して行なうことにより、各部分の運動量も増加できるので一般的な方法では行なうことのできない、部分的な集中トレーニングも可能になり、一層の効果が期待できるというわけである。

分割の方法

分割の方法は、採用する全種目を適当に2分、あるいは3分すればよいというものではなく、分割するにも一応のルールがある。

分割する際に、もっとも重視しなければならないことは、各部分の強化種目を、他の日に行なうコースに重複して組み入れないようにすることである。つまり、第1日目のコースに胸部の強化種目を組み入れたならば、2日目、あるいは3日目のコースには、胸部に休養を与えるため、胸部の強化種目を組み入れないようにすることである。

では、実際的な分割の方法について述べるが、分割する際の各コースを便宜上Aコース、Bコース、Cコースと呼ぶことにする。

○上半身と下半身とに2分する方法

もっとも簡単な方法として、上半身の運動種目と下半身の運動種目とに分割する方法がある。
胸・肩・背・腕等の運動をAコースとして第1日目に行ない、大腿・下腿等の運動をBコースとして2日目に行なう方法である。この場合、腹・首の運動はA・B各コースのトレーニング量を考慮して、都合のよい方のコースに組み入れればよい。

デッド・リフトやハイ・クリーンなど、腰部の強化種目を行なう場合は、スクワットに関連してBコースに組み入れるのがよい(スクワットでは、かなり強度な負担が腰部にかかる)。

これに対して、腰部の強化種目をAコースに入れて行なうと、A・B双方のコースにおいて腰部を強度に使用する結果となり、休養が不充分になるおそれがある。(第1図参照)

◇腕を基準にして2分する方法

この方法は、先に述べた上半身と下半身とのコースに分割する方法と、結果的にはほぼ一致する。

つまり、胸・肩・背等の運動のように、比較的に腕を多く使う運動種目、および腕のための運動種目をAコースとして行ない、腹・脚・首等の、ほとんど腕に負担のかからない運動種目をBコースとして行なう方法である。
したがって、この方法においては、背の運動を種目の選択いかんによってはBコースに組み入れることもできる。それは、背の運動を上手に行なうときは、上腕はほとんど疲労しないからである。ただし、プルオーバーを背の運動として行なうときは、上腕三頭筋を強度に使うので、Bコースに入れることは避けなければならない。(第2図参照)

◇腕の使用筋を基準にして分割する方法

前項で腕を基準にして分割する方法について説明したが、この方法は、腕の使用筋、すなわち上腕二頭筋を使って行なう運動か、上腕三頭筋を使って行なう運動かによって分割する方法である。

この方法は、運動種目の選び方によって、スケジュールにいろいろと変化をもたらすこともでき、とくに、3つのコースに分割するときに適用するのに都合がよい。

つまり、上腕三頭筋を使って行なう運動種目をAコース、上腕二頭筋を使って行なう運動種目をBコース、下半身の運動種目をCコースというように組むのである。ただし、この方法においては、胸なら胸の運動種目を、腕における特定の筋肉を使用して行なうように組まなければならないので、ベンチ・プレス等の上腕三頭筋を使用する種目か、ラタラル・レイズ・ライイング等の上腕二頭筋を使用する運動種目かの、いずれかしか使用できない欠点がある。しかし、このことは回復力が強く、腕に疲労が蓄積されるようなことがなければ、あえて問題にしなくてもよい。(第3図参照)


以上、スプリット・ルーティーン法について述べたが、これからもわかるようにこの方法は、からだの部分部分を集中的にトレーニングするために、いくつかのコースに分割して行なう方法である。

したがって、ある部分に休養を与え充分な回復が得られるように合理的にスケジュールを組めばよいのである。そして、このような理にかなうならばどのように分割してもよく、また、自分の回復力にマッチしたものならば、使用筋が各コースに多少重複してもよい。第4図の武本選手のトレーニング法のように行なっても、いっこうにさしつかえない。(第4図参照)
<第1図>
Aコース(月・木)
Bコース(火・金)
記事画像2
(注)ベント・アーム・プルオーバーは、胸だけでなく、背にも効果があるので両方に関連づけて行なうのもよい。
<第2図>
Aコース(月・木)
Bコース(火・金)
記事画像3
(注)べント・アーム・プルオーバーは、筋使用が胸・背・上腕三頭筋において強度になされるので除外してある。ただし、回復力が強ければ除外する必要はない。
<第3図>
Aコース(月・木)
Bコース(火・金)
Cコース(水・土)
記事画像4
<第4図>武本選手のトレーニング・スケジュール
Aコース(月・木)
Bコース(火・金)
Cコース(水・土)
記事画像5
(注)Cコースのスティッフ・レッグド・デッド・リフトは、背の運動に関連して行なっている。

また、腹部の調整と下腿部の強化のために、シット・アップとカーフ・レイズを毎日行なっている(下腿部は筋の性質が多少ちがうので、ひんばんに行なう方がよい)。

このスケジュールは、肩の発達にとくに重点をおいていると考えられる

トレーニングの日取り

記事画像6
(注)AはAコース、BはBコース、
CはCコース、休は休養日
①各自の回復力を考慮して、疲労がたまらないように日取りをきめる。

②第2例は、Aコースのなかに、とくに強化したい部分がある場合

③下半身の運動種目をAコース、上半身の種目をBコースとして行なってもさしつかえない。

④第2例、第3例は回復力の弱いひとには不向きである。
記事画像7
月刊ボディビルディング1971年12月号

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