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Q&A~ なんでもお答えします ~1969年10月号

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月刊ボディビルディング1969年10月号
掲載日:2018.01.16
<問> ボディビル経験約2年になりますが、このところ手首と上腕二頭筋を発達させたいと思いリスト・カール(アンダー・グリップ)とツーハンズ・スロー・カールを行なっていて効果もあがっていますが、一般的に同じ運動をずっと続けていると次第に発達しなくなるといいますが、僕の場合前記種目のかわりにどんな種目をやったら良いでしょうか。また前腕には屈筋と伸筋がありますが、それぞれどんな働きをしているのでしょうか。具体的に教えてください。以上2つのことをよろしくお願いします。
(東京都杉並区 大橋泰男)
< 答 > 確かに同じ運動種目を同じ重量回数、セットで行なっていては発達しなくなります。しかし同じ運動種目でも重量、セットを増やし、回数に変化を与えていれば発達は促進されま
す。ですから現在行なっている運動種目を中止して異なった運動種目を行なわなければならないというものではありません。むしろ現在行なっている運動種目を更に熱心に行なうと共に、異なった角度から刺激を与えるために他の運動種目をとり入れた方が効果があがります。

 あなたの願う効果のためには、手首はリスト・カール(アンダー、オーバー両グリップ)、上腕二頭筋はツー・ハンズ・スロー・カール、コンセントレーション・カール(自分の好みの運動姿勢で行なって良い)、および両方の効果をねらってバック・ハンド・カールなどを行なうと良いでしょう。

 セット数は各種目3~5セット、回数は10回前後を基準にして運動種目等によって変化させるのも良いでしょう。上記のようなトレーニングをしていると手首よりむしろ前腕筋の発達が目立つものです。

 前腕の屈筋は主に手を内側(アンダー・グリップ・リスト・カールの際手首を巻き上げる方)に運動させる役割を持っており、伸筋は砲丸なげのスナップをきかすような運動、つまり手を伸ばすような運動の際に働く筋肉です。しかし屈筋、伸筋の役割は必ずしも説明通りのような運動だけに関与するものではありません。
< 問 > 経験1年半の17才の学生です。筋肉がいっこうに大きくなりません。バルクをつけるにはどんなトレーニング法が良いでしょうか。現在の体位は胸囲92cm、腕囲32cm、大腿囲53cm、体重60kgです。それとスーパー・セット・システムの1スーパー・セット終って次のスーパー・セットに移る時の休憩はどの位とれば良いでしょうか。トレーニングは週に4日行なっています。
(山口県柳井市 檜垣史郎)
< 答 > 筋肉の発達は最良のトレーニング法と共に充分な睡眠と栄養価の高い食事が不可欠です。まず充分な睡眠をとっているか、食事の内容はどうか考えてみてください。トレーニング法といってもご存知のようにいろいろありますが、それらは結局異なった刺激法であり、いずれも重要なのです。

 よく思うような効果が上がらないがどんなトレーニング法が良いか教えてくれという質問がありますが、この種の質問をする人の多くはトレーニング法を変えさえすれば筋肉は発達すると思っていますが、それ以上に大切なことは健康状態と熱心にトレーニングを行なっているかということです。

 バルクを増すトレーニング法の基礎的な考え方としては低回数(6回前後)でセット数5セット程度。種目は6~8種目程度で週3~4日のトレーニングが良いとされていますが、必ずしもこうしなければバルクは増さないわけではありません。スーパー・セット間の休憩は基本的にはセット法と同じようなものですが、運動時間が長くなるのでそれだけ呼吸調整が長くなり休憩も長くなります。だいたい3~4分休憩をとれば良いでしょうが、次のスーパー・セットが完遂できるような体調になるまで休憩をとれば良いのです。
< 問 > 小生現在31歳、身長160cm、体重65kg、胸囲110cm、腕囲38cm、大腿囲60cm、ボディビルを始めてから1年9ヵ月になります。バランスのとれた体格を念頭にしておりますが、一つのネックが私を悩ませています。それは上腹部、鳩尾からへそまでの部分が張り出して、ちょうど大胸筋と同じ位置ほど前面に出ています。

 ここ半年間、この上腹部をヘコませるため、シット・アップ、レッグ・レ
イズ、ストレッチ・シット・アップのいずれかを毎日10回ずつ3セット励行してきましたが効果はぜんぜんありません。下腹部はしまっているのですが、上腹部は運動の効果があまり及ばず、脂肪がたまるものと思われます。上腹部をヘコませる効果的なトレーニング方法を御指示ください。

 減食とハード・トレーニングによる方法は、体重や胸囲の減少をみますので、上半身に影響の少ない上部腹筋運動がないものか知りたく思っています。
(越谷市 S,T)
< 答 > 1年9カ月の経験、そして年令を考慮した場合、かなり優秀な発達を示しています。さて上腹部をヘコませるにはどうしたらよいかということですが、この問題に関してはあなたは何もかも心得ていながら質問していますね。

 あなたもご承知のように上部、下部の腹筋(この場合腹直筋のことですが)を鍛練するトレーニング種目の基本はシット・アップとレッグ・レイズであり、その両種目の変化したものばかりしかありません。ですから、トレーニング種目に関しては絶対この種目がよいというものはご紹介するほどのこともありません。そうなると、あなたの好まない減食とハード・トレーニングによらなくてはならないことになります。

 しかしこの方法をとりたくないからこそ質問したわけでしょうが、結局減食をしないまでも、ハード・トレーニングは必要になってきます。1日10回3セットでは、あなたのネックを解消するには少な過ぎると思われ、この点回数を増すことをすすめざるを得ません。なお、人によって上腹部がでている人と、でていない人がいるわけですが、これは肥肪が多いとか少ないとかばかりではなく、胃腸の型、位置、および骨格などの影響によることが大きいことも付け加えておきます。
< 問 > ボディビル経験6カ月の学生です。トレーニングについて疑問点がありますのでお答えください。本誌12月号で窪田登著のカールのバリエーションのうちで、ゾットマン・エクササイズがありましたが雑誌を見ただけでは要領がよくわからないので、くわしくやり方をおしえてください。
(三重県 浅井博和)
< 答 > ゾットマン・エクササイズは一般にあまり行なわれているトレーニングではありませんが、このやり方は12月号、カールのバリエーションの通りに行なえばよいのです。

 しかし説明がよく理解できたいのなら、先ず船の円い舵を連想してみてください。そして、その舵は直径があなたの肩から腰のあたり位まであると仮定し、あなたのすぐ前にあると思ってください。そこで舵の把手を握り右からでも左からでもよいですから回してみてください。そうするとちょうどソットマン・エクササイズと似たような運動をしていることになります。そのような運動をダンベルを両手に持って行なえばよいのです。ただしダンベルで行なう時に注意しなければならないのは、肘を体側に固定して運動することです。
月刊ボディビルディング1969年10月号

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