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なんでもお答えします Q&A 1969年11月号

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月刊ボディビルディング1969年11月号
掲載日:2018.01.27
Q
ボディビル経験6カ月の学生ですが次のことについてお答えください。ボディビルダーたちの間ではよく過剰発達をさけた方がよいといわれていますが、過剰発達とはどういうことをいうのですか、またそれをさけるためにはどうしたらよいでしょう。
A
過剰発達とは、ある特定の筋肉が他の筋肉に比べ特別に発達してアンバランスになってしまうことをいいます。ふつう大胸筋または大腿筋が特別に発達している人に対していわれていますが、これは、大胸筋や大腿筋が大きい筋肉であり、発達しやすく目立ちやすい部分なので、ベンチ・プレスやスクワットばかり行なっていると過剰発達の原因になります。大胸筋や大腿筋ばかりでなく、他の筋肉でも特定の筋肉ばかりトレーニングしているとやはり過剰発達してきます。これをさけるためには、いろいろな種目を平均に行なうように心がけることです
Q
ボディビル経験1年で昼間は会社、夜は学校に行っています。学校が終ってから1時間ぐらいトレーニングをしていますが、なかなか効果が表われません。そこで、どうしたら効果が表われるかできるだけ詳しくトレーニングの方法をお教えください。器具はダンベルとニュー・バーベル(アイソメトリックス)を持っています現在の体位は胸囲87cm、腕囲30cm、大腿囲50cm、身長169cmですが、胸囲を5cmと腕囲を7cmくらい増し、腰囲を10cmくらいへらしたいと思っています。
(大阪市Y・T生)
A
非常に忙しい毎日のなかでトレーニングを行なっている点に関しては敬服いたします。トレーニングの方法をできるだけ詳しく知りたいとのことですが、ここでは紙面が限られておりますので、あまり詳しく説明することはできません。こまかいトレーニング法についてはボディビルに関する本をお読みになってください。

 さて胸囲を5cm、腕囲を7cm増やし腰囲を10cmへらしたいということですが、それは少々無理なようです。確かにボディビルでは部分的に太くしたり細くしたりすることは可能ですが、それも程度問題であり、一般に胸囲が5cm増した時に腕囲がそれ以上発達することは考えられず、せいぜい2~3cm止まりです。

 また腰囲を86cmから76cmにへらしたいといっても、そう簡単にはいきません。実際76cmの腰囲の男性はめったにいないはずであり、あなたが希望するように胸囲5cm、腕囲7cm増え、腰囲が10cm減ったらそれはかなりアンバランスなからだになります。しかしそのような発達をすることはなかなかありませんのでたいした問題ではありません。それよりは、極端に太くしたり、細くしたりすることを目的とせずに、全身の筋肉をバランスよく発達させるようにトレーニングすべきです。
Q
私は長年ボディビルに親しみ、自分としては一応満足できるような格好になり、ボディビルがこの世にあることを感謝している一愛好家ですが、1つだけ納得のいかない疑問があり、それについてお答え願いたいと思います。このことについては私自身の思い過ごしかとも思うのですが、どう考えても判然としませんのであえて質問する次第です。

 ボディビルダーの体位が年々向上しているのは私も認めており、それを喜んでいる1人ですが、コンテストの際プログラムに記載されている各選手の体位が正確でないのではないかと思うのですがいかがでしょうか。私はかなり多くのビルダーが実際の数値より誇大に発表しているのではないかと思うのです。

 私自身あるトップ・ビルダーのコールド状態の腕囲を測定したことがありますが、公表の数値がパンプ・アップ状態としても、その差が大きすぎ、5~9cmも腕がパンプ・アップするとは考えられません。このようなことからさらに疑問が深まったのですが、誇大な体位をプログラムや雑誌に公表するのは正確な数値を発表しているビルダーをコンテストにおいて不利に追いやり、はなはだ失礼であると思います。

 コンテストも他のスポーツ同様競い合う場であり、やはり正々堂々と正確な数値を公表してもらいたいと思います。もちろん審査員の方々は誇大な数値に惑わされることはないと思いますが、ビルダー自身精神面に誇張(うそ)による悪影響があってはいけないし、ボディビル・ファンを惑わせることは必定ではないかと思うのですがいかがでしょうか。
A
たしかにあなたのおっしゃるように、自分の体をより以上良く見せたいと思うあまりに、不正確な測定を行ない、それを公表するビルダーもいるようです。少しでも腕や脚を太く見せたいという気持はわからないではありませんが、誇張が誇張を生むようになっては、黙認するわけにはいきません。

 コンテストにおいては、体位を記載してファンの楽しみのひとつになればと思っているのですが、ファンを幻惑させるものでは逆効果にもなりかねなので、コンテスト直前にボディビルダーの体位測定会を行ない、正確なデータを作成して公表しようではないかという意見が多く、近く具体化されるかもしれません。しかし、現在のところでは、ビルダー自身の良心に訴えるしかありません。最後に、ボディ・コンテストの審査においては、体位は問題にしていないことをつけ加えておきます。
Q
ボディビル経験9カ月、20歳の青年です。私のボディビル仲間の1人が、アルコールはからだに良いが、タバコは絶対にいけないといっていますが、私はアルコールに弱くタバコが好きなので、タバコをやめたくありません。しかし、彼はタバコをやめてアルコールを飲めと勧めます。もちろん彼はお酒が好きで、いわゆる酒豪の部類に入るのではないかと思います。私は逆に、1日20~30本は吸っているヘビー・スモーカーの1人なのです。

 そこでお願いですが、私はアルコールの方がからだによくなく、むしろタバコの方がましなのではないかと思うのですが。私と彼とは無二の親友で、タバコをやめろといわれるたびに気分が悪くなり、こんなことで2人の仲が悪くなってはと心配しています。どうしたらよいか教えてください。(大阪府 T・S生)
A
この問題は、相手の子供はできが悪いが、俺の子供はできがいいと思いながら仲がいい2人、というような感じで、本当はどちらの子供にも欠点が多く注意しなければならないが、そのために2人の仲が悪くなる必要もないということです。

 アルコールもタバコも量が過ぎれば明らかに悪く、ごく少ない場合には特に害を気にする必要もないでしょう。しかし、できることならばどちらもやめるにこしたことはありませんが、アルコールもタバコも好きな人にとっては楽しみのひとつになっていますのでなかなかやめることはできず、また目くじらを立ててやめさせようとするのは行き過ぎです。

 しかし、あなたがた2人は量が過ぎているようですので、量を減らすように心がけてください。そして、お互に好きなものを認め合うことです。結局どちらも悪いといえば悪く、適量ならばどちらもいいということになるでしょう。(解答者・日本ボディビル協会技術委員 福田弘)
月刊ボディビルディング1969年11月号

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