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スタミナメニュー ~~~にぎりずし~~~

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月刊ボディビルディング1972年2月号
掲載日:2018.05.07
野沢秀雄

<いせいがいいからうまい>

 もし、すし屋の主人や店員が、ボソボソした声を出していたら、なんだか古いすしを食わされているようで、あまり気分が出ない。はいるなり「へーイ、いらっしゃい!!」と、茶わんを突き出されるくらい元気のいい店なら、魚までピンピン生きているようにみえるから不思議だ。演出でおいしさが決まるといってもいい。

<すしの歴史>

 すしの先祖が日本に入ってきたのは今から千年も前の奈良時代。中国にわたったお坊さんが持ちかえったもの。魚に塩をふりかけ、重い石をのせて蒸らすと、醗酵してすっばい味になり、これがたいへんおいしい。当時大評判になり、殿様への貴重な贈り物として各地の貴族たちがきそってつくった。

 ごはんに酢をまぜ、その上にさしみをのせる今の方法は、江戸時代になって生まれたもの。「江戸前」という名前はここから出たのかもしれない。

<スタミナの秘密>

 酢はスタミナの酢、体液をアルカリ性にし、体調を整える。カビや微生物の繁殖をおさえる働きもある。

 すし種に使われるイカ・タコ・マグロ・アカガイ・コハダ・エビ・タマゴヤキ・アナゴ………いずれもタンパク質が20パーセントもあるスタミナ源だ。なかでも、イカにはリジン・アルギニン・ヒスチジンといったアミノ酸が多く、これらのアミノ酸は精液の成分とよく一致している点に注目したい。

<わさびは毒消し しょうがは味消し>

 にぎりずしにわさびは欠かせない。ピリリと味をひきたてていることはもちろんであるが、その成分の精油は、大きな殺菌作用を持っていて、中毒をおこすような微生物があっても、殺してしまう作用がある。さしみにわさびをつけるのも同様の意味がある。

 しょうがは、前に食べたすしの味を消して、次の新しい味をおいしくむかえるためについている。
 
 すしと一緒にムシャムシャ食べる人がいるが、本当はあいだのときにしょうがだけ食べるのがよい。
 すしにはまた、熱い茶がなんともいえない。茶にはビタミンCがかなり含まれているからガブガブおかわりするのも1つの栄養強化法だ。

<すしのうまい食べ方>

 1個十円の大衆ずしから、1個何百円もする高級ずしまで、右を向いても左を向いても、すし屋ののれんはいたるところにある。

 タンパク質をとりたいならまぐろにかぎる。セックスのスタミナをつけるにはイカがいかが?。イカは厚くて透明な感じのものが新しい。

 その道の通は、レモンをしぼって魚にかけ、塩をつまんだ指ですしをとりゆっくり味わって食べるという。しょうゆより塩のほうが本物の味を出すからだ。

 家庭ですしをつくるには、ごはんを固めに炊き、熱いうちに、酢・砂糖・塩の混合液をまぜ合わせる。パタパタあおぎながらやらないと、ベタついてうまくない。扇風機を使うのもひとつのアイデアだ。本職でも、すし用のごはんができるようになるには3年はかかるという。

 夕食にすしを使った場合のメニューと、カロリーを計算してみよう。
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私の食事法

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'71ミスター日本5位 須藤 孝三
 タンパク質は一度に多量にとっても無駄になってしまうので、食事は1日6~7回に分けてするようにしています。その方が、胃腸にあまり負担がかからず好都合です。

 私の食事の時間とだいたいの内容は次のようなものです。

 <午前6時30分>玉子焼き(4個)カッテージ・チーズ200g、みかん5~6個、ごはん少々、みそ汁少々

 <午前9時>チーズ4個、トマトジュース1缶

 <正午>社員食堂の定食、玉子4個、サバの缶詰
 
 <午後5時~8時>牛乳3本(練習中)、ヨーグルト2本と牛乳1本(練習後)

 <午後9時>カッテージ・チーズ、とり肉入り野菜の煮物、ごはん少々、みかん5~6個

 <午後11時>就寝前に牛乳、チーズなどを軽くとることもある。
月刊ボディビルディング1972年2月号

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