ボディビルの基本〔その8〕
背の運動
月刊ボディビルディング1972年5月号
掲載日:2018.03.11
竹内 威(NE協会指導部長’59ミスター日本)
背の運動は、得てして鏡に映して見ることのできる広背筋の運動にかたよるきらいがある。広背筋が発達することによって、いわゆる逆三角形の体形が形づくられることは衆知のとおりである。また、この筋肉の発達状態がビルダーの体形を評価するうえで重要なポイントになることも確かなことである。
しかし、広背筋の発達に応じて、アッパー・バック(背の上部)の諸筋肉を強化することを怠ってはならない。
広背筋の発達に比べて、アッパー・バックの諸筋肉の発達が弱いと、うしろから見たときに、上体の背面が偏平でまのびした感を呈することになる。
このような偏平な感じは広背筋が大きくなればなるほどおちいりやすい。したがって、広背筋にマッチさせて、アッパー・バックを強化しなければならない。
しかし、広背筋の発達に応じて、アッパー・バック(背の上部)の諸筋肉を強化することを怠ってはならない。
広背筋の発達に比べて、アッパー・バックの諸筋肉の発達が弱いと、うしろから見たときに、上体の背面が偏平でまのびした感を呈することになる。
このような偏平な感じは広背筋が大きくなればなるほどおちいりやすい。したがって、広背筋にマッチさせて、アッパー・バックを強化しなければならない。
広背筋の運動
広背筋は下位の胸椎、腰椎、腸骨稜から、上腕骨上部の前面に付着する大きな筋肉で、その発達は、上腕を内転(体幹に近づける)することによって促すことができる。
では、それらの運動を系統別に分けて解説することにしよう。
♢ローイング系統の運動
①ベント・オーバー・ローイング
広背筋の運動の中でも最も一般的な種目であり、効果の面でもかなり有効な種目といえる。広背筋に対する刺激に変化を与えるために、バーベルの握り幅に変化をもたせて行なうとよい。
②ワン・ハンド・ローイング
ダンベルを使用して片手で行なうベント・オーバー・ローイングである。この場合、空いている手をべンチについて上体を支えるようにするとよい。バーベルを使用して行なうローイングと比べて腰を痛めるおそれが少ないという利点がある。
③バー・ローイング
運動の方法は、バー・ローイング用の器具にまたがり、シャフトの端を両手で握り、上体を床面と平行になるぐらいに前傾させた姿勢を維持して両手首が胸の下部か腹部のあたりにくるように重量を引きあげる。
バー・ローイング用の器具が無い場合は、バーベル・シャフトの一方にだけプレートをつけ、いま一方の端を固定し、プレートのついている方の端を握って行なえばよい。ただし、プレートがからだにつかえて動作が損われないように配慮しなければいけない。
④バーベル・ローイング
これは前述のローイング運動の変形といえよう。運動の方法は、正常にプレートをセットしたバーベルをまたぎ、シャフトの中央部を両手の指を組み合わせるようにして縦に握り、上体が床面と平行になるような姿勢を維持して、バーベル全体を床から引き上げる。
この運動は、バランスを保ちながらバーベルを引き上げるので、正確な動作が要求されるが、それだけ的確に広背筋に刺激を与えることができる。なお、ダンベルを使用して同様に行なってもよい。(写真参照)
では、それらの運動を系統別に分けて解説することにしよう。
♢ローイング系統の運動
①ベント・オーバー・ローイング
広背筋の運動の中でも最も一般的な種目であり、効果の面でもかなり有効な種目といえる。広背筋に対する刺激に変化を与えるために、バーベルの握り幅に変化をもたせて行なうとよい。
②ワン・ハンド・ローイング
ダンベルを使用して片手で行なうベント・オーバー・ローイングである。この場合、空いている手をべンチについて上体を支えるようにするとよい。バーベルを使用して行なうローイングと比べて腰を痛めるおそれが少ないという利点がある。
③バー・ローイング
運動の方法は、バー・ローイング用の器具にまたがり、シャフトの端を両手で握り、上体を床面と平行になるぐらいに前傾させた姿勢を維持して両手首が胸の下部か腹部のあたりにくるように重量を引きあげる。
バー・ローイング用の器具が無い場合は、バーベル・シャフトの一方にだけプレートをつけ、いま一方の端を固定し、プレートのついている方の端を握って行なえばよい。ただし、プレートがからだにつかえて動作が損われないように配慮しなければいけない。
④バーベル・ローイング
これは前述のローイング運動の変形といえよう。運動の方法は、正常にプレートをセットしたバーベルをまたぎ、シャフトの中央部を両手の指を組み合わせるようにして縦に握り、上体が床面と平行になるような姿勢を維持して、バーベル全体を床から引き上げる。
この運動は、バランスを保ちながらバーベルを引き上げるので、正確な動作が要求されるが、それだけ的確に広背筋に刺激を与えることができる。なお、ダンベルを使用して同様に行なってもよい。(写真参照)
ローイング運動の変形として考えられたバーベル・ローイング
♢チンニング系統の運動
①チンニング
チンニングとは、鉄棒(あるいはそれに代わるもの)を使用して行なう懸垂屈腕運動の総称であるが、一般的には、からだを引き上げたとき鉄棒が顔または首の前にくるようにする運動をいう。
チンニング・バーの握り方はオーバー・グリップがよく、両手の間隔は任意の幅でよいが、肩幅よりも狭い間隔では上腕二頭筋と上腕筋に体重がかかり過ぎて、広背筋への効果がうすれる。
②チン・ビハインド・ネック
普通のチンニングと異なり、懸垂屈腕をしたときに、バーが首のうしろにくるようにからだを引き上げる。
バーの握り方と幅はチンニングと同じである。
♢ラット・マシンによる運動
①ラット・マシン・プルダウン
ラット・マシンのバーを両腕を伸ばしてオーバー・グリップで握り、頭の真上もしくは斜め上方の位置から腕を屈して引きおろす。引きおろしたときの位置は、真上からの場合はノドから胸のあたり、斜め上方からの場合は胸から腹部のあたりがよい。
両手の間隔は任意でよいが、チンニングと違い重量が調節できるので運動が容易になり、肩幅よりも狭いナロー・グリップでも広背筋に的確な刺激を与えることができる。
②ラット・マシン・プルダウン・ビハインド・ネック
バーを首のうしろに引きおろすラット・マシン・プルダウンである。バーの握り幅は肩幅よりも広い方がよい。
以上が広背筋のための運動種目であるが、その他にプル・オーバーもかなり有効である。この場合は、スティッフ・アームで行なうよりも、ベント・アームで行なう方がよい。
一般的な傾向として、広背筋の発達は上部よりも下部の発達に困難がともなうようである。この原因は、広背筋の上部は自然な動作で容易に刺激を与えることができるのに対して、下部の場合は、意識的に刺激するように運動しなければ充分な効果が得られないことによる。
したがって、広背筋の運動は漠然と行なわずに、上部と下部とに区分して行なうのがよい。ことに、下部の発達を意図する場合は、的確な刺激が与えられる姿勢と動作で行なうことが肝要である。
では次に広背筋を上部と下部に分けて、トレーニング上注意しなければならない点について述べてみよう。
♢広背筋上部の発達を促すには
前述したように、上部に対する刺激は容易に与えることができるが、とくに効かせたい場合は、いままで述べた運動を実施する際に、次のような点に注意して行なえばよい。
①ローイング系統の運動の注意点
これらの運動は背を彎曲させ、両肩を下方へおとした状態から重量を引き始め、引き上げるにつれて背すじを伸ばすようにする。ただし、背すじを伸ばしたときに、上体を起こしてしまっては効果が少なくなるから注意されたい。(写真参照)
①チンニング
チンニングとは、鉄棒(あるいはそれに代わるもの)を使用して行なう懸垂屈腕運動の総称であるが、一般的には、からだを引き上げたとき鉄棒が顔または首の前にくるようにする運動をいう。
チンニング・バーの握り方はオーバー・グリップがよく、両手の間隔は任意の幅でよいが、肩幅よりも狭い間隔では上腕二頭筋と上腕筋に体重がかかり過ぎて、広背筋への効果がうすれる。
②チン・ビハインド・ネック
普通のチンニングと異なり、懸垂屈腕をしたときに、バーが首のうしろにくるようにからだを引き上げる。
バーの握り方と幅はチンニングと同じである。
♢ラット・マシンによる運動
①ラット・マシン・プルダウン
ラット・マシンのバーを両腕を伸ばしてオーバー・グリップで握り、頭の真上もしくは斜め上方の位置から腕を屈して引きおろす。引きおろしたときの位置は、真上からの場合はノドから胸のあたり、斜め上方からの場合は胸から腹部のあたりがよい。
両手の間隔は任意でよいが、チンニングと違い重量が調節できるので運動が容易になり、肩幅よりも狭いナロー・グリップでも広背筋に的確な刺激を与えることができる。
②ラット・マシン・プルダウン・ビハインド・ネック
バーを首のうしろに引きおろすラット・マシン・プルダウンである。バーの握り幅は肩幅よりも広い方がよい。
以上が広背筋のための運動種目であるが、その他にプル・オーバーもかなり有効である。この場合は、スティッフ・アームで行なうよりも、ベント・アームで行なう方がよい。
一般的な傾向として、広背筋の発達は上部よりも下部の発達に困難がともなうようである。この原因は、広背筋の上部は自然な動作で容易に刺激を与えることができるのに対して、下部の場合は、意識的に刺激するように運動しなければ充分な効果が得られないことによる。
したがって、広背筋の運動は漠然と行なわずに、上部と下部とに区分して行なうのがよい。ことに、下部の発達を意図する場合は、的確な刺激が与えられる姿勢と動作で行なうことが肝要である。
では次に広背筋を上部と下部に分けて、トレーニング上注意しなければならない点について述べてみよう。
♢広背筋上部の発達を促すには
前述したように、上部に対する刺激は容易に与えることができるが、とくに効かせたい場合は、いままで述べた運動を実施する際に、次のような点に注意して行なえばよい。
①ローイング系統の運動の注意点
これらの運動は背を彎曲させ、両肩を下方へおとした状態から重量を引き始め、引き上げるにつれて背すじを伸ばすようにする。ただし、背すじを伸ばしたときに、上体を起こしてしまっては効果が少なくなるから注意されたい。(写真参照)
ベント・オーバー・ローイング。肩とバーベルの位置に注意
②チンニング系統、ラット・マシン系統の運動の注意点
これらの系統の運動は一般的にバーの握り幅を広くとった方が効果的である。ただし、あまり広過ぎては広背筋が収縮しなくなるので、この点に留意して間隔を定める。また、この種の運動では、バーが前にくるように行なうよりも、ビハインド・ネックによる方がより効果的と考えられる。
以上に説明したような広背筋上部のための運動をすることによって、大円筋の発達も強度に促すことができる。大円筋の発達によって、広背筋上部は一層迫力を増すのである。
♢広背筋下部の発達を促すには
先に述べたように、広背筋の作用の仕方から考えて、下の部分に充分な刺激を与えることはなかなかむずかしい。
ときには、かなり不自然な動作で運動をやらなければならないが、この部分の強化をするためにはあえて行なわなければならない。
①ローイング系統の運動の注意点
この系統の運動においては、背すじをそらして胸を張り、肩を前の方(首の方)へすくめることなく充分後方に引きつけた状態で重量を引き上げる。そのとき両肘はできるだけ後方へいくようにする。つまり、重量を胸の位置に引き上げずに、腹部の方に引き上げるのである。
また、手首を巻き込むようにして引きあげると、肩が前方に出やすくなるので、この点に留意されたい。広背筋の作用の仕方から考えて、いずれの場合も充分に引き上げることが肝心である。(写真参照)
これらの系統の運動は一般的にバーの握り幅を広くとった方が効果的である。ただし、あまり広過ぎては広背筋が収縮しなくなるので、この点に留意して間隔を定める。また、この種の運動では、バーが前にくるように行なうよりも、ビハインド・ネックによる方がより効果的と考えられる。
以上に説明したような広背筋上部のための運動をすることによって、大円筋の発達も強度に促すことができる。大円筋の発達によって、広背筋上部は一層迫力を増すのである。
♢広背筋下部の発達を促すには
先に述べたように、広背筋の作用の仕方から考えて、下の部分に充分な刺激を与えることはなかなかむずかしい。
ときには、かなり不自然な動作で運動をやらなければならないが、この部分の強化をするためにはあえて行なわなければならない。
①ローイング系統の運動の注意点
この系統の運動においては、背すじをそらして胸を張り、肩を前の方(首の方)へすくめることなく充分後方に引きつけた状態で重量を引き上げる。そのとき両肘はできるだけ後方へいくようにする。つまり、重量を胸の位置に引き上げずに、腹部の方に引き上げるのである。
また、手首を巻き込むようにして引きあげると、肩が前方に出やすくなるので、この点に留意されたい。広背筋の作用の仕方から考えて、いずれの場合も充分に引き上げることが肝心である。(写真参照)
ラットマシン・プルダウン。斜め上方から引くのが効果的
②チンニング系統の運動の注意点
この系統の運動においては、頭と背すじをそらし、胸をせり出すようにしてからだを引き上げる。引き上げるにつれて、さらに上体をそらして、できるだけ胸の下部がバーの下にいくようにする。多少、不自然な姿勢と動作を要求されるが、それだけの効果も期待できる。
その他に、広背筋下部のためのチンニングとして、クロス・チンニングがある。運動の方法は、両手の指を組み合わせるようにしてバーを握り、チンニングと同じ要領で行なう。
③ラット・マシン系統の運動の注意点
ラット・マシンによる運動の場合は、背すじを伸ばし胸を張った姿勢でバーを引きおろすのがコツ。引きおろすときに両肩をできるだけさげるようにする。
広背筋の性質から考えて、真上から引きおろすよりも、斜め前方から引く方が効果的である。(写真参照)
この系統の運動においては、頭と背すじをそらし、胸をせり出すようにしてからだを引き上げる。引き上げるにつれて、さらに上体をそらして、できるだけ胸の下部がバーの下にいくようにする。多少、不自然な姿勢と動作を要求されるが、それだけの効果も期待できる。
その他に、広背筋下部のためのチンニングとして、クロス・チンニングがある。運動の方法は、両手の指を組み合わせるようにしてバーを握り、チンニングと同じ要領で行なう。
③ラット・マシン系統の運動の注意点
ラット・マシンによる運動の場合は、背すじを伸ばし胸を張った姿勢でバーを引きおろすのがコツ。引きおろすときに両肩をできるだけさげるようにする。
広背筋の性質から考えて、真上から引きおろすよりも、斜め前方から引く方が効果的である。(写真参照)
ラット・セレイト・ストレッチング
床と平行にバーを引くことのできるラット・マシンの設備があれば、前述の方法にあわせて行なえば一層効果をあげることができる。
そのような設備の無い場合は、次に紹介する自転車のチューブによる方法を試みるのもよい。
まず床に座り、両脚をそろえて伸ばし、腰を少し前方へ彎曲させてチューブを両足の裏に引っかけ、それぞれの端を左右の手で握る。次に、腰の角度は固定したままで、肩を上げないように留意し、胸を張りながら両肘を後方に引くようにしてチューブを伸ばす。動作は可能範囲いっばい行なう。(写真参照)
そのような設備の無い場合は、次に紹介する自転車のチューブによる方法を試みるのもよい。
まず床に座り、両脚をそろえて伸ばし、腰を少し前方へ彎曲させてチューブを両足の裏に引っかけ、それぞれの端を左右の手で握る。次に、腰の角度は固定したままで、肩を上げないように留意し、胸を張りながら両肘を後方に引くようにしてチューブを伸ばす。動作は可能範囲いっばい行なう。(写真参照)
ラット・マシンのかわりにチューブを使ったトレーニング
以上が広背筋下部の運動であるが、いずれの運動種目においても共通していえることは、背すじを伸ばし、胸を張り、肩を首の方へすくめないようにして、可動範囲いっぱい運動を行なうことが効果をあげるためのポイントといえよう。それがために不自然な動作を余儀なくされることもあるが、つとめて正確に行なうことである。
また、広背筋の下部は、運動に際して意識しにくい部分であるから、ラット・セレイト・ストレッチング(柱を両手で握り、体重をうしろにかけて立ち、腕を伸ばした姿勢から肘を屈しながら広背筋を意識的に刺激する方法)によって意識できるように訓練するとよい。(写真参照)
また、広背筋の下部は、運動に際して意識しにくい部分であるから、ラット・セレイト・ストレッチング(柱を両手で握り、体重をうしろにかけて立ち、腕を伸ばした姿勢から肘を屈しながら広背筋を意識的に刺激する方法)によって意識できるように訓練するとよい。(写真参照)
アッパー・バックの運動
アッパー・バックの諸筋肉は、広背筋、大円筋、僧帽筋の他に、小円筋、棘下筋、,肩甲拳筋、大菱形筋、仙棘筋上部等がある。これらの筋肉の強化は僧帽筋、三角筋、広背筋の運動によって可能であるが、とくに有効と考えられる運動種目として次のようなものがある。
㋑ハイ・クリーン
㋺クリーン・アンド・プレス
㋩ハイ・プルアップ
㊁背を彎曲して行なうシュラッグ
㋭バック・プレス(できるだけ深くおろして行なう)
㋬ベント・フォワード・ラタラル・レイズ
㋣ベント・オーバー・ラタラル・レイズ
㋠スティッフ・レッグド・デッド・リフト
㋷エキスパンダーによる運動
この部分に関しては、エキスパンダーによる運動はかなり有効である。とくに、腕を伸ばしたままの状態で、胸の前方で拡げる運動がよい。肩より高い位置、あるいは逆に低い位置から拡げるなど変化を与えて行なえばさらに効果的である。
また、次に説明するような運動を試してみるのもいい。
軽量のダンベルか、あるいはプレートを左右の手にそれぞれ持ち、ベント・オーバー(上体を床面と平行に倒した状態)の姿勢をとり、両腕を伸ばしたまま前方へ水平かつ平行にあげる。ついで、水平を保ちながら、両腕を拡げて横から臀部の位置まで移行させる。
こうして臀部の位置までいったら、逆の動作をたどって元の姿勢にもどる。これを何回かくり返すのである。(写真参照)
㋑ハイ・クリーン
㋺クリーン・アンド・プレス
㋩ハイ・プルアップ
㊁背を彎曲して行なうシュラッグ
㋭バック・プレス(できるだけ深くおろして行なう)
㋬ベント・フォワード・ラタラル・レイズ
㋣ベント・オーバー・ラタラル・レイズ
㋠スティッフ・レッグド・デッド・リフト
㋷エキスパンダーによる運動
この部分に関しては、エキスパンダーによる運動はかなり有効である。とくに、腕を伸ばしたままの状態で、胸の前方で拡げる運動がよい。肩より高い位置、あるいは逆に低い位置から拡げるなど変化を与えて行なえばさらに効果的である。
また、次に説明するような運動を試してみるのもいい。
軽量のダンベルか、あるいはプレートを左右の手にそれぞれ持ち、ベント・オーバー(上体を床面と平行に倒した状態)の姿勢をとり、両腕を伸ばしたまま前方へ水平かつ平行にあげる。ついで、水平を保ちながら、両腕を拡げて横から臀部の位置まで移行させる。
こうして臀部の位置までいったら、逆の動作をたどって元の姿勢にもどる。これを何回かくり返すのである。(写真参照)
アッパー・バックを強化するのに有効的な運動
以上がアッパー・バックの運動についての説明であるが、本稿の冒頭に述べたような理由から、この部分の鍛練にも精進して欲しいものである。
月刊ボディビルディング1972年5月号
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