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やさしいボディビル英語 1972年5月号

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月刊ボディビルディング1972年5月号
掲載日:2018.02.20
高山 勝一郎
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バルク・ディベロッパー

 前号で、develop(ディベラプ)の応用をいろいろ研究した。日本語になった言葉で、ディべロッパーというのがある。
 ボディビル界でも、ベント・オーバー・ローイング等の種目をシャレてlat developer(ラット・ディベラパー)といったりする。
 バルクを増加させるのに効果のある種目をbulk-developer(バルク・ディベラパー)ともシャレる。
 さて、ここでbulk(ベルク)についていろいろヒネくってみよう。
 bulkの語源はどこであろうか。意外にも北欧のノルウェーなのだ。
 ノルウェー語のデカい荷物を指す言葉から生まれて、それが英語に入り、嵩ばったという意味になったのである。
 バルキー・セーターといえば、厚編みのニットものだし、バルキー・カーゴといえば、嵩ばった積荷をさす。
 bulky(バルギー)は、だからbulkの形容詞ということになる。

バルキー・ビルダー

 筋肉モリモリのビルダーをbulkybuilder(バルキー・ビルダー)というのも時々アメリカの雑誌などでみかける。
 bulky armsといえば太い腕を指すことになる。
 massive arms(マッシブ・アームズ)ともよくいうが、massiveはどっしりと大きいものによく使われる。
 発音はミャッシブが正しい。
 「彼はバルク型だ」等とよくいうが
これを英語にすると He is bulky(ヒーイズ バルキー)とか、He is of rich bulk(ヒーイズ オブ リッチ バルク)となる。
 こういうのは、ボディビル界独特の言葉だから、一般の英米人に話してもなかなか判らない。
 これは、日本の一般人にバルクといってもピンとこないのと同じである。

バルク・アップ

 バルクを増やすという動詞もbulkである。
 「彼はバルクを増やして80kgになった」といいたいときはHe has bulked up to 80 kilogrammes.(ヒーハズ バルク トアップ トウ エイティ キログラムズ)という表現になる。
 Bulk up!(バルク アップ)と広告に書いてあったら、“もっとバルクを増やせ!”ということで、蛋白剤などの宣伝によくでてくる。
 チンニング・バーなどをよくlat bulker(ラット バルカー)というがラットにバルクをつけるもの・・・といったニュアンスである。
 同じように arm bulker とか、chest bulker とかいえるわけで、雑誌などによく出てくる。
 「私はバルクを増やしたい」・・・・・これはビルダー共通の願いだろうが、英語にするとI want to bulk up.(アイ ウォントツー バルク アップ)である。
 相手がニヤリと笑ってSo do I.(ソー ドウ アイ)といえば、「僕もだよ」という返事がかえってきたわけである。

デフィニション

 bulk の反対はdefinition(デフィニション)である。
 definitionは明確さという意味で、筋肉のキレが明瞭に出ている状態を指す。もちろん、やせているという意味ではない。
 これの形容詞はdefinite(デフィニット)で、明確なということになる。
例えば definite answer(デフィニット アンサー)といえば、ハッキリとした答え、すなわち確答である。
 発音はディフィニションとか、ディフィニットではなく、デフィニションでありデフィニットである。
 フランク・ゼーンのようにキレの素晴らしいデフィニションの状態を、文字どおりcut-up definition(カットアップ デフィニション)という。
 cut-upとは、ノミで刻んだようなという意味で、まさに日本語のキレにあたる。英語にもよく似かよった表現があるものだナと思う。
高山市が新会社設立
 この「やさしいボディビル英語」や、本誌の海外翻訳記事を担当くださっている高山勝一郎氏は、このほど東京都千代田区三崎町3~1~11に「株式会社国際交流サービス」を設立し、取締役社長に就任した。
 この会社は、高山市の堪能な語学と、貿易業務の豊富な知識、長い海外生活から得た経験を生かして、あらゆる国際交流のコンサルタントを目的とするものである。
月刊ボディビルディング1972年5月号

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