フィジーク・オンライン

ビルダー教養講座
やさしいボディビル英語⑤

この記事をシェアする

0
月刊ボディビルディング1972年6月号
掲載日:2018.04.19
高山 勝一郎
記事画像1

いい体をしていますね

 前月号でbulk(バルク)とdefini-tion(デフィニション)のいろいろな表現を勉強した。
 この両方がそろっていれば、いわゆる”いい体”をしていることになる。
「あなたはいい体をしてますね」とほめられれば、ビルダーたるもの悪い気はしない
 英語では、You have a fine physique!(ユー ハヴ ア ファイン フィジーク)とほめる。
 ”からだ”を表すならbodyでいいではないかという向きもあるかもしれないが、You have a fine body では誤解を生む恐れがある。
 外形的は体はphysique(フィジーク)で表す方がよい。
 ガッチリした強そうな体格をほめるときは、You have a strong physique(ユー ハヴ ア ストロング フィジーク)という。
 ガッチリした体格をほめるいい方はほかにもある。
 You have a good constitution(ユー ハヴ ア グッド コンスティテューション)である。
 constitutionには、体格とか組織のほかに、憲法という意味もある。
 だから You have a good constitutionといわれたら、日本国憲法をほめられたのか、自分の体をほめられたのか判らない。
 まさかビルダー同志の会話に憲法の話も出まいから、体をほめられたのだと判断し、Thank youと礼をいっておけば無難であろう。
 逆に、体格が悪いとか細いとかになると、たとえば He has a delicate constitution(ヒー ハズ ア デリケイト コンスティテューション)「彼は体格が悪い」というふうに、デリケートないい方になる。

フィジークとフィジック

 よく、フィジークと発音すべきを、フィジックといっている人がいる。
 physic(フィジック)はお薬であって、下剤をかける等という意味もあるから注意していただきたい。
 physique contest(フィジーク コンテスト)は、ミスター・〇〇等の日本でいうボディ・コンテストだが、physic contestでは、製薬会社の品評会みたいなものになってしまう。
 発音とはむずかしいものである。
 physique contestは、少しシャレて physique competition(フィジーク コンペティション)ともいう。
 competitionとは競争である。
 体を競い合う・・・まさにボディビル成果の花である。

 これに参加する選手はphysique competitor(フィジーク コンペティター)となるから、ついでにおぼえておこう。
 ゴルフのコンペというのも、このcompetitionからきている。
 さて、physique competitionが上位にくい込んで何かのタイトルをとれば、これがphysique winner(フィジーク ウィナー)である。
 win(ウィン)は何かを勝ちとるという意味である。
 win the Mr.Universe title(ウィン ザ ミスター ユニバース タイトル)となれば、ミスター・ユニバースのタイトルを得るということになる。その勝ち取った人がすなわち winner(ウィナー)なのである。

いい体いろいろ

 physiqueの形容詞はphysical(フィジカル)である。
 physical beauty(フィジカル ビュウティ)は肉体美、physical check up(フィジカル チェック アップ)は健康診断・・・・というぐあいに使う。
 いい体とは、すなわちphysical beautyを持っている体である。
 スティーブ・リーブスのような完全な体を perfect physique(パーフェクト フィジーク)ともいう。
 完成された体にすることを build a perfect physique(ビュルド ア パーフェクト フィジーク)というが、この域に達するのは容易ではなかろう。
 アメリカのボディビル界では、よくHe-man-typeという表現を使う。
 He(ヒー)は彼、man(マン)は男であるから、ヒー・マン・タイプとなれば、ほんとうに男らしい男性美を示す形容である。
 He-man-typeのHは常に大文字である。たしかにHe-man-typeでは何か弱々しい。

(筆者は政府公認通訳、科学技術翻訳士、株式会社国際交流サービス社長)
月刊ボディビルディング1972年6月号

Recommend