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ポーズ写真に強くなろう
ビルダー写真講座《7》

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月刊ボディビルディング1972年8月号
掲載日:2018.03.05
講師●平岡丈
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交換レンズについて

■広角レンズと望遠レンズ
 最近では、多少カメラに興味をお持ちの方なら、広角レンズや望遠レンズをお持ちのことと思いますので、今回は、広角レンズと望遠レンズではできあがった写真がどのように異なるか、またビルダー撮影におけるレンズの使い分け方などについて考えてみましょう。
 広角レンズと望遠レンズが相反する性質を有することは皆様よくご存知のことと思いますが、双方のレンズの持ついろいろな特徴を次にあげてみることにします。

《A》 広角レンズ(28ミリ、35ミリなどの短焦点のレンズ)
1●写る範囲が広い。
2●遠近感が強調されるので、近くのものは大きく、遠くのものは肉眼で見るよりもはるかに小さくなる。
3●ピントの合う範囲が広いので、近くのものから遠くのものまではっきり写る。
4●ピント合わせがやりやすい。
5●立体感のある写真ができる。
6●おもに近くのものを撮影するときに使用。
7●レンズが小さく軽いので手ブレが少ない。

《B》望遠レンズ(105ミリ、200ミリなどの長焦点のレンズ)
1●写る範囲がせまい。
2●遠近感が少さくなるので、遠くのものと近くのものがくっついたように写る。
3●ピントの合う範囲がせまいので、はっきり写る部分が少なく、それ以外のものはぼけてしまう。
4●ピント合わせが難しい。
5●平面的な写真ができる。
6●おもに遠くのものを撮影するときに使用。
7●レンズが重いので三脚を使用した方がよい。手持ちではブレやすい。

 以上あげた特徴を頭におきながら、AB2枚の写真を見てください。Aの写真は28ミリの広角レンズで撮影したもので、遠近感が強くでており、バックの木と人物がかなり離れているように見える。ー方Bの写真は105ミリの望遠レンズで撮影したもので、バックの木がAよりもずっと近く見え、また人物以外の部分はピントが合っていないためぼやけている。この写真では、それが人物を引き立たせるのに役立っている。
 さて、それではビルダー撮影においては広角・望遠どちらのレンズがよいだろうか。これはその撮影意図によって異なってくるのでいちがいにはいえない。すなわち同じ場所で撮影しても、画面全体をはっきり写そうと思えば広角レンズを使用するし、一部分だけはっきり写そうと思えば望遠レンズを使用するという具合である。しかし最初は、ビルダーが近くにいるときは広角レンズ、コンテストなどで遠くから撮影するときは望遠レンズ、というように簡単に考えて、積極的に交換レンズを使用することをおすすめします。(モデル●赤木久志)
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月刊ボディビルディング1972年8月号

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