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ビルダー教養講座
やさしいボディビル英語⑧

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月刊ボディビルディング1972年9月号
掲載日:2018.06.30
高山勝一郎
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〜〜〜ビルダーのあだ名〜〜〜

少しかたいお話がつづいたので、今回はちよっと趣向をかえて、ビルダーのあだ名ご紹介としゃれよう。
昨1971年の全米ビルダー人気投票で1位になったのは、かのSteve Reeves(スティーブ・リーブス)である。
30,008票を集めて見事1位に返り咲いたのであるが、この人の場合は、あだ名というよりむしろほめ名といったほうがいいかもしれない。
Mr.Perfectionist(ミスター・パーフェクショニスト)という。
perfect(パーフェクト)が完全なという意味で、野球やボーリングのperfect game(パーフェクト・ゲーム)等から、皆さんすでにご存じの言葉である。
perfection(パーフェクション)は完成という名詞、これにistをつければ完成された人ということになる。
〇〇ist(〇〇イスト)とつければ、なんらかの人を意味し、マルキスト、サユリスト(小百合ちやんのファン)等と使う。
さて、人気投票第2位は27,516票を獲得したオーストリア出身のArnold Schwarzenegger(アーノルド・シュバルツェネガー)である。
シュワルツェネガーは英語よみで、正しくドイツ語よみをするとシュバルツェネガーとなる。
彼のあだ名は、いわずとしれたAustrian Oak(オーストリアン・オーク)、すなわちオーストリアの樫の木である。
この頃の雑誌ではSchwarzeneggerなどと長い名前をかかずOakだけですませている記事が多いが、ことほどさようにOakとはシュワルツェネガーの代名詞なのである。
高く、ガッシリとした樫の木こそ、まさに彼を形容するにふさわしい。

~~~黒い騎士~~~

さて、第3位は27,207票を獲得したSergio Oliva(セルジオ・オリバ)である。
何せタドンをたたきつけて作りあげたようなすごい筋肉と、そのヒフの黒さは見る人に強烈な印象を与える。
したがって、彼には黒色に関連したあだ名が多い。
いわくBlack Knight(ブラック・ナイト)、Ebony Colossus(エボニーコロサス)等である。
Black Knightは、黒い騎士という意味だが、なるほど彼なら、あの中世の騎士にたとえられてもよいほどの風格もある。
Ebonyは木の黒檀である。黒くてツヤのある名木である。Colosusは巨人、それもGiant(ジャイアント)よりさらに巨大な、神がかり的大きさである。
有名なローマの大円形競技場、すなわちColosseum(コラシーアム、日本語でコロシアム)を思い出していただきたい。Ebony Colossusは、だから黒い巨人である。
さて4位は、Larry Scott(ラリー・スコット)、Scott Curl(スコット・カール)の名付け親、そして5位は、Frank Zane(フランク・ゼーン)Mr.Definition(ミスター・デフィニション)、6位はFranco Colombu(フランコ・コロンブ)、イタリーのBoxer(ボクサー)という顔ぶれがつづく。

~~~白くじらから爆撃機へ〜〜〜

7位はRick Wayne(リック・ウェイン)、彼のあだ名はWall(ウオール)すなわち壁である。広々とした背中からの連想かもしれない。
8位は昨年のミスター・ユニバースBill Pearl(ビル・パール)。彼のあだ名は一時Fortress(フォートレス)であったと記憶する。意味は城砦である。
今年あたり彼の勇姿が日本で拝めることと思う。乞ご期待!
9位はChuck Sipes(チャック・サイプス)。有名なIron Breaker(アイアン・ブレーカー)。
10位はDave Draper(デイブ・ドレイパー)である。
彼がボディビルを始める前は、その白くブクブクとただ大きい肥満体をあざけって。人は彼をWhite Whale(ホワイト・ホエール、すなわち白くじら)と呼んだ。
Pillow Case(ピロー・ケース、枕カバー)というあだ名をつけた者もいた。しかし、今の彼のあだ名は、Blond Bomber(ブロンド・ボマー)すなわち金髪の爆撃機である。なんとあだ名まで著しい変わりようである。
(筆者は政府公認通訳、科学技術翻訳士、株式会社国際交流サービス社長)
月刊ボディビルディング1972年9月号

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