ポーズ写真に強くなろう
ビルダー写真講座《9》
月刊ボディビルディング1972年10月号
掲載日:2018.06.04
講師●平岡丈
■コンテストをきれいに撮ろう
今年もミスター日本コンテストがせまってきました。そこで今回は、コンテスト会場で良い写真を撮るためのチェック・ポイントをあげてみましょう。
昨年のミスター日本コンテストは東京神田の共立講堂で行われましたが、今年は大阪の毎日ホールです。いずれも室内で照明の状態もそれほど変らないでしょう。ここでお話することはミスター日本コンテストに限らず、室内で行われるコンテストにはすべて応用できます。
さて、場内は目で見た感じでは明るくても戸外と比較するとかなり暗いので、ストロボを用意する方が賢明でしょう。カラーで撮影する場合にはとくに必要です。しかし、ストロボの場合は正面から強い光が当たるため、デフィニションが消えてしまうという恐れがあります。
そこで、ストロボを使いたくない、あるいは座席の位置が遠すぎてストロボの光が届かない、という場合には高感度のフィルムが必要になってきます。白黒のフィルムでは、ネオパンSSS(フジ、ASA200)、トライX(コダック、ASA400)などがあります。トライXの場合、毎日ホールではだいたい1/60秒の絞り4〜8くらいです。
高感度フィルムを使用しても座席がうしろの方で、望遠レンズを使用しなければならないようなときは三脚が絶対に必要です。三脚なしでブレないように撮影することはよほどの訓練をつまなければ無理でしょう。また、低感度フィルムで撮影する場合などはスロー・シャッターを切らなければならなくなりますから三脚は不可欠なのです。
三脚を使用すれば1/4、1/8秒といったシャッター・スピードでもブレることはありませんが、ビルダーのポーズを撮影する場合は選手が動いているし、筋肉が小きざみに振動していますので1/15秒以上のスロー・シャッターはできるだけ使用しない方がよいでしょう。また、なるべくポーズがきまった瞬間にシャッターを切るようにしてください。
さて次に露出ですが、EEカメラや露出計内蔵カメラの場合は問題ありませんが、露出計のついていないカメラの場合は自分で露出を決めなければなりません。戸外の場合はだいたいの見当で撮影してもかまいませんが、室内、とくにスポット・ライトが当たっている物体などの撮影は、より正確な露出が必要です。遠くからでもせまい範囲が測定できるスポット・メーターがあれば最適ですが、その他の露出計の場合は、なるべく舞台の近くへ行って測定することです。また、もし自信がないときは、前の方にプロのカメラ・マンがいるはずですから、それらの人に聞いてみるのもよいと思います。
以上、コンテスト撮影における注意点をいろいろ述べてきましたが、これらを参考にしてよい写真をモノにしてください。それでは最後に、昨年共立講堂で私が撮影した末光選手の写真を実例として示しておきます。この写真のデータは次の通りです。(カメラ●二コンF、レンズ●ニッコール105ミリ、フィルム●トライX、シャッター・スピード●1/125秒、絞り●F5.6)
昨年のミスター日本コンテストは東京神田の共立講堂で行われましたが、今年は大阪の毎日ホールです。いずれも室内で照明の状態もそれほど変らないでしょう。ここでお話することはミスター日本コンテストに限らず、室内で行われるコンテストにはすべて応用できます。
さて、場内は目で見た感じでは明るくても戸外と比較するとかなり暗いので、ストロボを用意する方が賢明でしょう。カラーで撮影する場合にはとくに必要です。しかし、ストロボの場合は正面から強い光が当たるため、デフィニションが消えてしまうという恐れがあります。
そこで、ストロボを使いたくない、あるいは座席の位置が遠すぎてストロボの光が届かない、という場合には高感度のフィルムが必要になってきます。白黒のフィルムでは、ネオパンSSS(フジ、ASA200)、トライX(コダック、ASA400)などがあります。トライXの場合、毎日ホールではだいたい1/60秒の絞り4〜8くらいです。
高感度フィルムを使用しても座席がうしろの方で、望遠レンズを使用しなければならないようなときは三脚が絶対に必要です。三脚なしでブレないように撮影することはよほどの訓練をつまなければ無理でしょう。また、低感度フィルムで撮影する場合などはスロー・シャッターを切らなければならなくなりますから三脚は不可欠なのです。
三脚を使用すれば1/4、1/8秒といったシャッター・スピードでもブレることはありませんが、ビルダーのポーズを撮影する場合は選手が動いているし、筋肉が小きざみに振動していますので1/15秒以上のスロー・シャッターはできるだけ使用しない方がよいでしょう。また、なるべくポーズがきまった瞬間にシャッターを切るようにしてください。
さて次に露出ですが、EEカメラや露出計内蔵カメラの場合は問題ありませんが、露出計のついていないカメラの場合は自分で露出を決めなければなりません。戸外の場合はだいたいの見当で撮影してもかまいませんが、室内、とくにスポット・ライトが当たっている物体などの撮影は、より正確な露出が必要です。遠くからでもせまい範囲が測定できるスポット・メーターがあれば最適ですが、その他の露出計の場合は、なるべく舞台の近くへ行って測定することです。また、もし自信がないときは、前の方にプロのカメラ・マンがいるはずですから、それらの人に聞いてみるのもよいと思います。
以上、コンテスト撮影における注意点をいろいろ述べてきましたが、これらを参考にしてよい写真をモノにしてください。それでは最後に、昨年共立講堂で私が撮影した末光選手の写真を実例として示しておきます。この写真のデータは次の通りです。(カメラ●二コンF、レンズ●ニッコール105ミリ、フィルム●トライX、シャッター・スピード●1/125秒、絞り●F5.6)
月刊ボディビルディング1972年10月号
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