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ポーズ写真に強くなろう
ビルダー写真講座《10》

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月刊ボディビルディング1972年11月号
掲載日:2018.03.06
記事画像1
講師●平岡 丈

ネガ・カラー撮影について

 この講座も早や10回目を迎えました。これまでは白黒、あるいはカラーと限定せずに一般的な注意事項について述べてきましたが、今回はネガ・カラーに限定して述べてみたいと思います。

 カラー・フィルムにはスライド用とプリント用がありますが、ここで取り上げるのは後者で、現像したフィルムがオレンジ色をしているものです。このフィルムは露出の許容範囲が白黒フィルムと同程度なので、あまり神経質になる必要はありませんが、それでも、極端な露出過不足は適正な色再現が期待できません。

 また撮影後のフィルムは現像もプリントもすべてカメラ店に依頼することになりますが、各カメラ店によって発色が大変異なりますので、評判のよい店に依頼するようにしてください。

 ところで、スライド用のリバーサル・フィルムで撮影しても、それからカラー・プリントを作ることもできます。これは、現像済のリバーサル・フィルムをもとにして、もう一度ネガ・フィルム(オレンジ色のフィルム、これをインター・ネガと呼ぶ)を作り、それをプリントする方法です。しかし、現在ではインター・ネガを作らないで直接リバーサル・フィルムからプリントする方法もありますが、これは写真の専門的分野だけで、まだ一般的には用いられていません。

 ネガ・カラーの種類は、現在発売されているものだけでも相当数ありますが、代表的なものをあげてみると、コダ・カラー×、フジ・カラーN 100、サクラ・カラーN 100などです。ネガ・カラーの場合はリバーサルと違って国産フィルムと外国フィルムの差があまりありませんので、国産フィルムで十分きれいな色を出すことができます。また、国産のフジとサクラを比較すると、フジは寒色系、サクラは暖色系の発色がよいということになっていますので、撮影対象物に応じてフィルムを使い分けることも必要です。

 さてここで実例をごらんください。
ネガA、Bをプリントしたものが、それぞれAP、BPです。ネガAは露出不足のため、できあがった写真がAPのようにコントラストがなく、弱い調子で、色もあざやかさがなくなります。それに比べてネガBはだいたい適正露光で撮影してあるので、コントラストもよく、きれいな色再現ができます。
 ネガ・カラーによる撮影においては、多少の露出オーバーはよいのですが、アンダーは禁物です。とくに室内での撮影ではアンダーになりがちですから注意してください。 (実例写真は読者投稿写真より作製しました。)
A

A

AP

AP

B

B

BP

BP

月刊ボディビルディング1972年11月号

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